未来に向かってにゃーっと準備｜リアクション

未来に向かってにゃーっと準備

○卒送会へ向かってにゃーっ！

　ようやく仕事を片付けたロベルトとアカリが顔を出した。
「あら、ロベルト君に来島くん、おつかれさま。お茶とお菓子があるわよ」
　恩が声をかけた。
　二年生ではあるが、実は恩は病気のため一年留年している。
　かつては同級生であった先輩たち。
　共に卒業することができないのは残念だが、同級生だったからこそこうして送り出す役ができることを嬉しいと思う。
「あっという間に当日が来ちゃいそうだけど、もう少しよ。いつも色々とありがとう」
　恩のその言葉には、後輩たちへの感謝と慈しみがこもっていた。
「こちらこそありがとう。ポスターとチラシはどんな感じだい？」
　ロベルトに問われた左右が満足そうに微笑み、ポスターを見せる。
「……ふう、ちょうど仕上がりました。良い出来になりましたわ」
「あかりのはこれなの！」
　明里の元気な声に、そちらもチェックしながらロベルトも笑顔になる。
「うん、テーマに合ったイラストでいいね！」
「チラシは、文字とスペースのバランスを考えてこんな感じになりました」
　七瀬の書いた文章に明里のイラストがチラシを手に取り、ロベルトは頷く。
「ばっちりだね。わかりやすくていいと思うよ！　さっそく先生にも見てもらって……あ、もうこんな時間か」

　気が付けばもう遅い時間になっていて、今日は解散となった。
「それじゃみんな、気をつけて帰ってね。……あら、来島くん、どうしたの？」
「ええ、ちょっと……ロベルト先輩に」
　恩はアカリの様子に、何か察したように言って手を振った。
「おつかれさま。それじゃ、先に行ってるわ。よろしくね♪」

　電気を消したのを確認し、職員室に鍵を返してきたロベルトをアカリが待っていた。
「お疲れ様、です。先輩、何が食べたいですか？」
「えっ、食べさせてくれるのかい？」
　意味ありげに目を輝かすロベルトにアカリは言う。
「何言ってるんですか？　今日はうちに泊まるって言ってたし……特別に、先輩の好きなもの作ってあげます」
「あはは、ごめん……本当？　じゃあそうだな……ああ、この間作ってもらったアレが食べたいな。美味しかったから、また食べたい」
「一緒に買い物して帰りましょ？」
「やった……美少年と買い物だ！　嬉しいなぁ」
　委員長の重圧もなんのその、美少年パワーで乗り切れそうなロベルトである。

　先に出たメンバーも、歩きながら仲良く話していた。
「皆さんと準備が出来て楽しかったですわ、ありがとうございます！」
　左右が言う。
「終ったら打ち上げとかでぱーっと出来たら良いわね♪」
　恩がにっこりする。
「打ち上げも楽しみなの！　楽しく三年生を送る準備が進めていけて、あかりは幸せなのなのですなの」
　明里も星空を仰ぎ声を上げた。
（先輩方も、籠を離れてこれから空へ飛びたつ、天使なのですから、なの！）

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あとがき

担当マスター：天村花海
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ご参加ありがとうございました。
掲示板イベント、おつかれさまです。
プレイヤーさん主導でイベントを企画・進行していただけるのはとてもありがたいし嬉しいです。
皆様の思い出に残るイベントとなりますよう。
そしてここから人の縁がつながっていくといいですね。

この後は笈地マスターにバトンタッチです。
それでは、次のシナリオでもよろしくお願いいたします。

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