スノーマンとの戦い＆のんびりコタツムリ？｜リアクション

スノーマンとの戦い＆のんびりコタツムリ？

　マシンガンとバズーカが息つく暇もなく音を奏でる。
「……っ！」
　雪玉のいくつかが足や身体に命中し、櫻の顔が歪む。
「後退を」
　亮がろっこんで向上した身体能力で雪玉を投げ、スノーマンをけん制する。
「いや、遠ざかると逆に危険だ。大きな一撃さえ避ければ、他は数を減らすだけでダメージも減る。それで十分だ」
　それに、頼まれたしな……と櫻は独りごちる。
（この場を離れたのも私たちを信用しての事……張り切らねばならんな）
　とはいえ、日本刀の具現化時間可能はあと僅かだ。
　はたして間に合うのか――
「間に合わせた☆」
　武道が滑りそうな勢いで駆け戻ってきた。
　その手には長いホースが雑貨屋から伸びている。
　武道がそれを構えるの見て、櫻は雪だるまから後退した。
「これでアンチヒールだ！」
　撒かれた水が、雪だるまを中心に周囲を濡らしていく。
　地面が滑りやすくなると同時に、雪だるまは地面と接着して身動きが取りづらくなる。
「おかげで狙いやすくなった」
　亮が雪玉を投げた。ろっこんによって強化された投球は、スノーマンからマシンガンとバズーカを弾いていく。
「この暖かさを――」
　そこへ武道が、店に入った目的――大量のカイロを手に突撃した。
　余談ではあるが、この折、武道の行ったシェイクの回数はハンパない。
「喰らえぃ！」
　大量のカイロの熱が、密やかにスノーマンたちを蝕んでいた「コタツある部屋の熱」とつながり、一気にその体を軟弱にしていく。
「これで最後だ」
　櫻がそこへ踏み込んだ。
　一閃、二閃、三閃。
　瞬時に翻った斬撃は、柔らかくなった雪だるまの身体をいとも容易く斬り抜け――分断された雪だるまは、やがてどろどろと崩れて溶けていった。

　雪が、降り止んだ。

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