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- 学年：職業
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天界よりの試練 ――極天使・自由を歌う者ユヅキール――
敏捷性が少々低めの重戦士にとってダッシュはなかなかきついところである。
（この猫さん着ぐるみ……重いよっ？！）
毛並みほわほわな上敏捷性が（他の鎧に比べ）高めなねこよろい（と言う名のきぐるみ）を装着している恵御納 夏朝は軽やかに走りつつも思わず呟く。それでいて仲間を守るべく気を配りながら走っているので疲労もある。
……しっかし、きぐるみ装備が２人ってなかなかシュールな光景だなぁ、おい！
（ここで飲むしかないかな）
夏朝は敏捷性を上げるポーションをこっそり呷ると只管突っ走った。
その後をいくのは同じ重戦士である筈の夕鈴 翼だった。彼女は重戦士であるはずなのに、何故か魔法のビキニ＋魔法のパレオという軽装備である。
不思議に思うだろうが、その原因は手にした武器『レイジングバーサーカー』というウォーハンマーが異様に重いからなのだ。
この武器は攻撃力がとても高い。その分命中率は他の武器に比べ低く、その上バットステータス（以下BSと表記）【怒り】への耐性が下がってしまう。しかし、そこは装備でカバーし、移動速度も『フォローウィンド』でどうにかしていた。
（多少息が切れても、落ちてリタイアなんて嫌ですからね）
と全速力で進む翼。重戦士だからこそダメージ判定に至らないが、これが他ジョブだったらそうは行かなかっただろう。
一方、同じく重戦士であるサキリ・デイジーカッターと来島 アカリは、仲間を庇いつつ後方を走っていた。崩落を止めるのは先行隊に任せ、１人でも多くのクリア者を出すべくフォローに回っていたのだ。
（俺は体力も防御力もある。ここは魔導士と治癒士を庇おう）
ユヅキール戦は初めてであるアカリは、それを楽しみにしつつ今は役目を果たそうと奮戦していた。サキリはサキリで、大盾で瓦礫を防ぎ、治癒士である優木 遥斗を庇う。
「その盾、かなり凹んでいるが大丈夫か？」
庇ってもらった事に礼を言いながらも遥斗が問いかける。
「元々、ここで使い切るつもりだったから壊れても大丈夫」
サキリがそういった側から、大きな瓦礫が降ってくる。これは盾が壊れるな、と思ったサキリだったがソレよりも早く鉄の壁が現れてカバーリングしてくれた。発動させたのは魔導士の桜庭 円である。金属性魔法『アイアンウォール』を使った彼女は、楽しげに笑った。
「ふふー♪ 今日もいい調子だねっ！」
「そっちは金属性か。こっちは風だっ！」
そう言いながらつむじ風を起こし、瓦礫を吹き飛ばす楢木 春彦。彼のマントと両手剣という装備はさながら魔導剣士という具合だろうか？
殿を務めるのは、重戦士の御剣 刀。彼は女性化していないことに内心ほっ、としつつも両手剣を担いで走っていた。
（まぁ、アレも悪くは無いんだけどさ。男性キャラの方がしっくりくるんだよな）
そう考えていると、前方で光が舞う。どうやら、遥斗が治癒魔法を施してくれたらしい。彼は先行組に混じらず、第二陣側のフォローに撤していた。
彼らに遅れをとらぬように、と一生懸命走るのは、上下 左右。巫女服と身の丈ほどの杖を装備した治癒士の彼女はふと天井を見る。
（もしかして、治癒魔法を施したら回廊が回復して崩落が遅れるかも？）
そう思った左右は杖を手に治癒魔法を詠唱。柔らかな光が天井に放たれる。だが、効果はいまひとつというべきか……罅が入るのをちょっと遅らせるに留まった。
そこへ瓦礫が降り注ぎ、咄嗟に春彦が風で飛ばす。
「ふぅ、紙一重だな。大丈夫か？」
「ええ。ありがとう、お陰で助かりました」
左右が礼を述べると、春彦は「良いってことよ」と笑って頷く。
「っしゃ！ どんどんいくぞ！」
春彦が魔法を駆使して瓦礫を減らし、重戦士たちが防ぐ。こうして突き進んでいくうちに、揺れが収まった。
――聖堂――
その中央に、ユヅキールはいた。やわらかな光に包まれた、中性的な極天使は清らかな声で歌っている。だが、そこへ疾風が吹き込んだ。
（（仕留める！！））
都が矢を放ち、楓が疾風と化したまま刀を閃かせる。ユヅキールは我に帰り、手を翳して矢を無重力にとどめる。だが、一本が頬を掠めると同時に銀の閃きが翻った。
「相手してもらうぞ、ユヅキール」
楓が告げ、後の方で都が再び矢を番える。そしてきぐるみさんをはじめとする冒険者達が流れてきた。
――ほぅ？ あの崩落を抜けてきたか――
翼を広げ、赤みがかった茶色の髪を揺らし、ユヅキールが微笑む。彼は流れる仕草で一回転し、不敵に微笑む。
――せいぜい、退屈させるなよ、冒険者ど――
ぼすっ！！
それは、口上を告げるユヅキールの腹部に決まった拳だった。まさか口上の途中で攻撃する者がいるとは思わず、空気が固まる。犯人は武器である六角棍を棒高跳びの要領でばねにし、飛び上がったきぐるみさんだった。
「「きぐるみさん？！」」
周囲が慌てる中、きぐるみさんは
/) /)
( '^')＜私ですが何か？
と不思議そうなモーション。ユヅキールはふっ、と笑い翼を広げると……いきなり無重力状態の場所を生み出した！
――そっちがその気なら、全力でいかせてもらうよ？――
何故だろう、物凄く嫌な予感がした。
（この猫さん着ぐるみ……重いよっ？！）
毛並みほわほわな上敏捷性が（他の鎧に比べ）高めなねこよろい（と言う名のきぐるみ）を装着している恵御納 夏朝は軽やかに走りつつも思わず呟く。それでいて仲間を守るべく気を配りながら走っているので疲労もある。
……しっかし、きぐるみ装備が２人ってなかなかシュールな光景だなぁ、おい！
（ここで飲むしかないかな）
夏朝は敏捷性を上げるポーションをこっそり呷ると只管突っ走った。
その後をいくのは同じ重戦士である筈の夕鈴 翼だった。彼女は重戦士であるはずなのに、何故か魔法のビキニ＋魔法のパレオという軽装備である。
不思議に思うだろうが、その原因は手にした武器『レイジングバーサーカー』というウォーハンマーが異様に重いからなのだ。
この武器は攻撃力がとても高い。その分命中率は他の武器に比べ低く、その上バットステータス（以下BSと表記）【怒り】への耐性が下がってしまう。しかし、そこは装備でカバーし、移動速度も『フォローウィンド』でどうにかしていた。
（多少息が切れても、落ちてリタイアなんて嫌ですからね）
と全速力で進む翼。重戦士だからこそダメージ判定に至らないが、これが他ジョブだったらそうは行かなかっただろう。
一方、同じく重戦士であるサキリ・デイジーカッターと来島 アカリは、仲間を庇いつつ後方を走っていた。崩落を止めるのは先行隊に任せ、１人でも多くのクリア者を出すべくフォローに回っていたのだ。
（俺は体力も防御力もある。ここは魔導士と治癒士を庇おう）
ユヅキール戦は初めてであるアカリは、それを楽しみにしつつ今は役目を果たそうと奮戦していた。サキリはサキリで、大盾で瓦礫を防ぎ、治癒士である優木 遥斗を庇う。
「その盾、かなり凹んでいるが大丈夫か？」
庇ってもらった事に礼を言いながらも遥斗が問いかける。
「元々、ここで使い切るつもりだったから壊れても大丈夫」
サキリがそういった側から、大きな瓦礫が降ってくる。これは盾が壊れるな、と思ったサキリだったがソレよりも早く鉄の壁が現れてカバーリングしてくれた。発動させたのは魔導士の桜庭 円である。金属性魔法『アイアンウォール』を使った彼女は、楽しげに笑った。
「ふふー♪ 今日もいい調子だねっ！」
「そっちは金属性か。こっちは風だっ！」
そう言いながらつむじ風を起こし、瓦礫を吹き飛ばす楢木 春彦。彼のマントと両手剣という装備はさながら魔導剣士という具合だろうか？
殿を務めるのは、重戦士の御剣 刀。彼は女性化していないことに内心ほっ、としつつも両手剣を担いで走っていた。
（まぁ、アレも悪くは無いんだけどさ。男性キャラの方がしっくりくるんだよな）
そう考えていると、前方で光が舞う。どうやら、遥斗が治癒魔法を施してくれたらしい。彼は先行組に混じらず、第二陣側のフォローに撤していた。
彼らに遅れをとらぬように、と一生懸命走るのは、上下 左右。巫女服と身の丈ほどの杖を装備した治癒士の彼女はふと天井を見る。
（もしかして、治癒魔法を施したら回廊が回復して崩落が遅れるかも？）
そう思った左右は杖を手に治癒魔法を詠唱。柔らかな光が天井に放たれる。だが、効果はいまひとつというべきか……罅が入るのをちょっと遅らせるに留まった。
そこへ瓦礫が降り注ぎ、咄嗟に春彦が風で飛ばす。
「ふぅ、紙一重だな。大丈夫か？」
「ええ。ありがとう、お陰で助かりました」
左右が礼を述べると、春彦は「良いってことよ」と笑って頷く。
「っしゃ！ どんどんいくぞ！」
春彦が魔法を駆使して瓦礫を減らし、重戦士たちが防ぐ。こうして突き進んでいくうちに、揺れが収まった。
――聖堂――
その中央に、ユヅキールはいた。やわらかな光に包まれた、中性的な極天使は清らかな声で歌っている。だが、そこへ疾風が吹き込んだ。
（（仕留める！！））
都が矢を放ち、楓が疾風と化したまま刀を閃かせる。ユヅキールは我に帰り、手を翳して矢を無重力にとどめる。だが、一本が頬を掠めると同時に銀の閃きが翻った。
「相手してもらうぞ、ユヅキール」
楓が告げ、後の方で都が再び矢を番える。そしてきぐるみさんをはじめとする冒険者達が流れてきた。
――ほぅ？ あの崩落を抜けてきたか――
翼を広げ、赤みがかった茶色の髪を揺らし、ユヅキールが微笑む。彼は流れる仕草で一回転し、不敵に微笑む。
――せいぜい、退屈させるなよ、冒険者ど――
ぼすっ！！
それは、口上を告げるユヅキールの腹部に決まった拳だった。まさか口上の途中で攻撃する者がいるとは思わず、空気が固まる。犯人は武器である六角棍を棒高跳びの要領でばねにし、飛び上がったきぐるみさんだった。
「「きぐるみさん？！」」
周囲が慌てる中、きぐるみさんは
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( '^')＜私ですが何か？
と不思議そうなモーション。ユヅキールはふっ、と笑い翼を広げると……いきなり無重力状態の場所を生み出した！
――そっちがその気なら、全力でいかせてもらうよ？――
何故だろう、物凄く嫌な予感がした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2016年10月11日
- 参加申し込みの期限
-
- 2016年10月18日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2016年10月18日 11時00分
