【球技大会】本気の野球（黒猫組サイド） -前半-｜リアクション

【球技大会】本気の野球（黒猫組サイド） -前半-

【球技大会野球編～本気と書いてガチと読む～】

「いやあ、いい天気だねぇ」

首にかけたゴーグルをいじりながら、初島優は目を細める。

「そうだな、絶好の試合日和だ」

応えるのは八神修。この日のために揃えられた野球帽を手に空を見上げる。
春冬合わせて49勝49敗18引き分けの黒猫＆白猫チーム。
50勝目を手にするのは果たしてどちらのチームなのか！

本気の野球、開幕！

【……その前に】

時は遡って球技大会前日。
グラウンドでは球技大会に参加する面々が事前練習に参加していた。
テニスコートからはボールを打ち合う音が響き、サッカーゴールではシュート練習が行われていた。

さて、野球参加メンバーはというと。

「秋風先輩、あかんて！バットちゃんと握らんと！怖いわ！」
「いやっふぅい！」

片手でバットをスイングする秋風透を浅沼柳司が全力で止めに入っている。
透は右手でバットを振り振り。

「だーいじょうぶだって！さあ蕎麦人、こい！」
「いっくよー」

バッティングピッチャーを買って出ていた霧下蕎麦人が投げたボールは、やや早めの急速を保ったまま透の振りぬいたバットにこつんと当たった。

「うおおおお！当たった！」

透がバットを放り投げて走り出す。

「あっぶねぇええ！！」

投げられたバットを柳司がキャッチ。その間に透は1塁方面へ駆け抜けていった。

「バッティング練習やから走らんでええ！走らんでええから戻ってきて秋風先輩！」

以上白猫チームからお送りいたしました。

白猫チームから少し離れたブルペンでは、2人の男が見詰め合っていた。

「俺は小細工なんてしない。正々堂々、正面から挑むつもりだ」

白球を握りしめ、絞り出すように決意しているのは野沢コブラ。

「……よっしゃ、その意気くんだるで！明日はブワーッと速いの叩き込んできぃや！」

ぱしん、とキャッチャーミットを叩いたのは山路源太郎。コブラの肩を叩き、気合を入れる。

「いっちょやったろか！」
「ああ！」

「直球ねぇ」

そんな熱い2人のやり取りを横目で見ながら、八重崎五郎八は眼鏡をかけなおす。

「私はどちらかというと戦術で勝ちたいわね」

以上黒猫チームからお送りいたしました。

気を取り直して、いよいよ大会当日です！

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