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- 00月00日生 00歳
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バレンタイン・チョコチョコ・キャンペーン
学生証は忘れずに。割引サービスはしっかりと受けなくてはいけない。猫耳帽子をしっかりと被ってシーサイドアウトレットへと訪れる恵御納 夏朝は茫とした瞳を僅かに煌めかせる。
冬の寒さを忘れさせるかのような愛の溢れる空間にのんびりと歩み出す夏朝はつくる！ コーナーでの喧騒を眺めながらゆっくりとチョコレートの材料を選ばんと指を動かす。
大量に並んだチョコレート。夏朝が作成するのは『義理チョコ』だ。
キッチン側とは対面にあるコーナーの一角には『手作りにはうってつけ♪』と楽し気な文字が躍っている。
「ミルクチョコと、ビターチョコと、ホワイトチョコ……イチゴチョコ……」
確かめながら１０枚ずつチョコレートを買い物かごへと入れていく夏朝は量を調節しながらどうしようかと頭を悩ませる。
大量購入にも対応できると快く購入を勧めてくれた店員へとぺこりと礼を一つ返した夏朝はこてりと首を傾げた。
「これだけだっけ……？」
かごの中にはチョコレートだけ。一度作った『まるまる猫さんチョコ』の工程の中で何か必要だったはずだが――
「あっ、しまった……ブラックココアも要るんだった！」
表情はあまり変わらないがその言葉と仕草から慌てていることがよくわかる。
灰色チョコは『まるまるテオ君チョコ』だ。研究はまだまだ続行されている。今回も猫のバリエーションを増やすために慌てて買い足したそれは夏朝にとっても満足のいく商品なのだろう。
会計で学生証を提示すれば少量の割引サービスが受けられる。
（学生が多い理由……かな）
ちら、と周囲を見回せば談笑する同年代の学生たちの姿が多い。
大量に作成したチョコレートを友人に配り歩く予定の夏朝の知り合いもちらほらとこの場所に来ていることだろう。
まるまる猫さんチョコの台座もチョコレートで大きめに作って猫さんチョコを乗せようかなと茫と考える夏朝の前で、バレンタインの特集コーナーを気にする素振りを見せた城山 水樹の背中がある。
すらりとした体つきをした彼女は、後ろ姿でも一目でわかる。アクセサリーショップの袋を握る彼女の雰囲気から『恋』なのだろうかと首を傾げた夏朝はラッピングコーナーに向けてゆっくりと歩きだした。
恋をすることは楽しいのだという。バレンタインだって、更に違った趣が感じられるのかもしれない。
義理チョコを作ると決めた夏朝は「今は恋をしていないから」と言葉にする。恋をしていないから――チョコレートの台座にはハート以外を選ぼうと夏朝は並ぶ型を見つめて息をついた。
ハートは本命チョコレートのためにまだまだお預けだ。
可愛らしいデザインばかりが並んだラッピングコーナーで選び取った猫プリントの袋に、オレンジのリボンを巻き付けると決めて、夏朝はくるりと振り仰ぐ。
（みんなはどんなチョコあげるのかな）
――義理だろうか、本命だろうか。
甘い匂いに誘われるようにゆっくりと食べるスペースに赴いて、訳ありチョコを『ちょこっと』だけ摘まんだのは乙女の秘密。
乙女の秘密のために我慢は大事なのだ、夏朝が我慢できたのかといえば―――
「バレンタインデーね」
ぽつりと呟いた水樹は食べるスペースから離脱していく猫耳を見つめながらきょろりと周囲を見回した。
専属のモデルとして、使用する『アクセサリー』のテーマは自分らしさ。休日を利用して、アクセサリーを選びに来た彼女にはそのイベントはうってつけのものだった。
クリスマスに結ばれた恋人との初めてのバレンタイン。
『彼』の為にチョコレートを作りたいと願う乙女心は、失恋をバネにして練習した『菓子作り』の成果が出せる格好の機会だ。
あまり細かな作業に向かないが、水樹は要領の良い娘だ。コツを掴み、作業に苦戦することなく菓子作りを難なく成功させている。
……尤も、モデルという職業柄、彼女が自分の菓子を食べる機会は少ないが家族や友人たちからは上々の評価をもらっている。
（そういえば――彼って……）
まだ付き合ったばかり、恋に火照る頬がどうにも擽ったい。
彼の事を考えて、胸の鼓動が高鳴る感覚に咳ばらいを一つ溢した水樹は「甘いものって大丈夫かしら」とぽつりと呟いた。
甘ったるいチョコレートは彼にとって得意な部類なのだろうか。苦手ならばどうしよう、と不安が擡げた瞬間に、聞いておけばよかった、と頭の中でヒットする情報がひとつ。しかし、聞いてしまってはサプライズではない――悩ましさだけがぐるぐると脳裏を駆け巡る。
（バレンタインの予行練習よね……甘いのが好きな人も嫌いな人も、どっちでも美味しいって食べてもらえるようなものを作りましょう）
冬の寒さを忘れさせるかのような愛の溢れる空間にのんびりと歩み出す夏朝はつくる！ コーナーでの喧騒を眺めながらゆっくりとチョコレートの材料を選ばんと指を動かす。
大量に並んだチョコレート。夏朝が作成するのは『義理チョコ』だ。
キッチン側とは対面にあるコーナーの一角には『手作りにはうってつけ♪』と楽し気な文字が躍っている。
「ミルクチョコと、ビターチョコと、ホワイトチョコ……イチゴチョコ……」
確かめながら１０枚ずつチョコレートを買い物かごへと入れていく夏朝は量を調節しながらどうしようかと頭を悩ませる。
大量購入にも対応できると快く購入を勧めてくれた店員へとぺこりと礼を一つ返した夏朝はこてりと首を傾げた。
「これだけだっけ……？」
かごの中にはチョコレートだけ。一度作った『まるまる猫さんチョコ』の工程の中で何か必要だったはずだが――
「あっ、しまった……ブラックココアも要るんだった！」
表情はあまり変わらないがその言葉と仕草から慌てていることがよくわかる。
灰色チョコは『まるまるテオ君チョコ』だ。研究はまだまだ続行されている。今回も猫のバリエーションを増やすために慌てて買い足したそれは夏朝にとっても満足のいく商品なのだろう。
会計で学生証を提示すれば少量の割引サービスが受けられる。
（学生が多い理由……かな）
ちら、と周囲を見回せば談笑する同年代の学生たちの姿が多い。
大量に作成したチョコレートを友人に配り歩く予定の夏朝の知り合いもちらほらとこの場所に来ていることだろう。
まるまる猫さんチョコの台座もチョコレートで大きめに作って猫さんチョコを乗せようかなと茫と考える夏朝の前で、バレンタインの特集コーナーを気にする素振りを見せた城山 水樹の背中がある。
すらりとした体つきをした彼女は、後ろ姿でも一目でわかる。アクセサリーショップの袋を握る彼女の雰囲気から『恋』なのだろうかと首を傾げた夏朝はラッピングコーナーに向けてゆっくりと歩きだした。
恋をすることは楽しいのだという。バレンタインだって、更に違った趣が感じられるのかもしれない。
義理チョコを作ると決めた夏朝は「今は恋をしていないから」と言葉にする。恋をしていないから――チョコレートの台座にはハート以外を選ぼうと夏朝は並ぶ型を見つめて息をついた。
ハートは本命チョコレートのためにまだまだお預けだ。
可愛らしいデザインばかりが並んだラッピングコーナーで選び取った猫プリントの袋に、オレンジのリボンを巻き付けると決めて、夏朝はくるりと振り仰ぐ。
（みんなはどんなチョコあげるのかな）
――義理だろうか、本命だろうか。
甘い匂いに誘われるようにゆっくりと食べるスペースに赴いて、訳ありチョコを『ちょこっと』だけ摘まんだのは乙女の秘密。
乙女の秘密のために我慢は大事なのだ、夏朝が我慢できたのかといえば―――
「バレンタインデーね」
ぽつりと呟いた水樹は食べるスペースから離脱していく猫耳を見つめながらきょろりと周囲を見回した。
専属のモデルとして、使用する『アクセサリー』のテーマは自分らしさ。休日を利用して、アクセサリーを選びに来た彼女にはそのイベントはうってつけのものだった。
クリスマスに結ばれた恋人との初めてのバレンタイン。
『彼』の為にチョコレートを作りたいと願う乙女心は、失恋をバネにして練習した『菓子作り』の成果が出せる格好の機会だ。
あまり細かな作業に向かないが、水樹は要領の良い娘だ。コツを掴み、作業に苦戦することなく菓子作りを難なく成功させている。
……尤も、モデルという職業柄、彼女が自分の菓子を食べる機会は少ないが家族や友人たちからは上々の評価をもらっている。
（そういえば――彼って……）
まだ付き合ったばかり、恋に火照る頬がどうにも擽ったい。
彼の事を考えて、胸の鼓動が高鳴る感覚に咳ばらいを一つ溢した水樹は「甘いものって大丈夫かしら」とぽつりと呟いた。
甘ったるいチョコレートは彼にとって得意な部類なのだろうか。苦手ならばどうしよう、と不安が擡げた瞬間に、聞いておけばよかった、と頭の中でヒットする情報がひとつ。しかし、聞いてしまってはサプライズではない――悩ましさだけがぐるぐると脳裏を駆け巡る。
（バレンタインの予行練習よね……甘いのが好きな人も嫌いな人も、どっちでも美味しいって食べてもらえるようなものを作りましょう）
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年08月19日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年08月26日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年08月26日 11時00分
