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寝子高七不思議シリーズ:キサラギ君
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■VSキサラギくん
閉門時間までもう一時間を切っていた。
冬の日は短く、外はもう暗い。
白色蛍光灯がチカチカと点滅しながら下駄箱を照らす。
囮役を希望した
薄野 五月
が一人、下駄箱前に立つ。
皆と相談し、あえてチョコは預けてきた。
(手が飛び出して来たら、握手でもしましょうか)
そんなことを考えながら、物怖じしない五月はそっと自分の下駄箱に手を伸ばす。
カタン。
木製の年季の入った下駄箱の扉が開く。
中には自分の外履き。
「おや」
何も出てこない。
皆は下駄箱から離れた場所に待機しているのだが、それが勘付かれたのか。
拍子抜けした五月がそのまま外履きに手を伸ばしたその瞬間。
「!?」
外履きの陰から青白い腕が二本、凄い速さで飛び出してきた。
同時にバチンと音を立てて半数以上の蛍光灯が同時に消える。
そんな薄暗い中で握手する間も許さず、異様に長い腕は五月の体に一瞬で巻き付いて拘束する。
身動きが取れなくなった五月の首に手が伸び、容赦なく、締めるなんて生易しい程の強さで締め上げた。
「くっ……!」
急速に遠のく意識。
五月の視界が一瞬真っ暗になった、その時。
「ぶっころす」
低く、唸るような声と共に仄暗い中で蒼が一閃。
庚の蒼い拳がブチブチと肉が千切れるような音と共に五月に纏わりついていた青白い腕を霧散させた。
しかし間髪おかずに他の下駄箱が一斉に開くと無数の青白い腕がわっと溢れてくる。
それはまるで遊びを邪魔された子どもの癇癪のように、苛立ちを隠そうともしない反応だった。
「おっと、そっちがそう来るならこっちも遠慮しませんよ?」
梢の視界に入った青白い腕はことごとく青と白の美しい蝶と化した。
無害な蝶の群れの中から円とブリジットが五月を抱き起して下駄箱から離れようとする。
だが『キサラギくん』も甘くはない。少女達を狙うように青白い腕が新たに伸びてくる。
しかし腕は彼女達に届く前に凍って砕けた。
「そうは魚屋がおろさないってね」
すばるのちくわ☆ガンだ。
その間に修と紫が下駄箱から少し離れた場所に辛子で大きな円を描くと、青白い腕はその円の中までは襲ってこなかった。
「ここまでくれば安全だ!」
修が大きな声で五月救助組に呼びかけた。
同時に茉莉がろっこんで加速して駆け出し、円とブリジットの空いている腕を引き寄せる。
倒れこむような形で避難エリアに無事入り込めた少女達は胸をなでおろした。
まだ首を締められた息苦しさが残っているのか、こほこほ咳込む五月の背をろっこんの反動で緩慢な動きとなった茉莉がさする。
「大丈夫?」
表情からは感情が読み辛い茉莉だったが、その手と声は穏やかで優しい。
「あ、ありがとうございます。助かりました」
避難エリアにまだ入っていない女子は梢ただ一人となった。
相変わらず無数の青白い腕が休まず梢に向かってくる。
複数の対象に何度もろっこんを使い続けるのはなかなか消耗が激しい。
「……このままだとまずいですね」
梢、絶体絶命か。
否。
「はーはっはっは、流石の怪異もこのオレ様の高貴かつ神聖なオーラに手も足も出まい! ああっ、辛子が染みる……だが、それがイイ!!」
幸か不幸か、辛子を全身に塗りたくった己の体を抱きながら恍惚とするネヴィアが傍らにいた。
「先輩」
「ん?」
「先輩なら可愛い後輩を守ってくださいますよねー。当然」
「え」
「答えは聞きません! くらえ! ネヴィアシールド!!」
「ヒデブッ!!??」
ネヴィアの背中を梢が容赦なく蹴って前に押しやると、梢に迫っていた腕の群れは蜘蛛の子を散らすように退いていく。
そうして皆が青白い腕の群れに必死の抵抗を試みている内に、腕は一か所に集まっていった。
程なくして、その腕の集合体はこれまでの青白さが嘘のような真っ黒な人型になる。
全身真っ黒だが、顔に当たる部分だけ青白く仮面のようなものが張り付いているように見えた。
「あれ……写真で見た、衣更君……?」
そう、黒い人型の顔は衣更の顔の皮を剥がしてそのまま張り付けたようなものだった。
表情はない。
ただ口の部分だけ、パクパクさせて何か言っている。
『チョコ……バレンタイン……みんな、ずるい……ボクは一人……寂しい……ずるい……なんで、ボクだけ……なんで、ナンデ、ナンデナンデナンデナンデ』
高くも低くもなく、人間の声とかけ離れた不気味な声は空気を通してではなく、その場にいた全員の頭に響いてきた。
その不快感に紫は思わず眉をひそめ、意味がないと理解しつつも堪らず耳を手で塞いだ。
「うるせぇ」
不気味な声を一蹴したのは庚だった。
「てめぇの事情なんか知るか。ジジイが言ってたぜ。どんな事情があってもな、女には優しくしてやれってな」
『キサラギくん』が千手観音のように数多の黒い手を一斉に伸ばしてくるにも関わらず、庚はまっすぐ突っ込んでいく。
ただがむしゃらに、前だけを見据えて、肩が風を切る。
手足や腰に絡みつく腕を振り切り、蒼い拳を振りかぶる。
「俺と同じ名前で闇に囚われてるんじゃねぇぞ! 甘えんな、クソったれがァァァァァァァッ!!!!!」
迷いのない拳が青白い顔にめり込んだ。
顔から全身に向かってピキピキと亀裂が入っていく。
そして、まるで茹で卵の殻のように黒いカケラが剥がれてバラバラ落ちていった。
後に残ったのは今にも消えそうな真っ白な少年だ。
顔はぼやけていて、よくわからない。
「衣更……キサラギくん?」
円が問いかけると、真っ白な少年はこくりと頷いたように見えた。
「君に渡したいものがある」
そう言って円が取り出したのは綺麗にラッピングされたチョコレート。
「これ、梅月さん……キサラギちゃんから」
キサラギちゃんの名前が出た瞬間、白い少年の体が震えだす。
円の差し出したチョコを震える手で受け取り、胸に抱く。
「あの日渡したくても渡せなかったからって預かってきたんだよ。 ……彼女、ずっと君のこと想ってたんだ」
はらはらと白い少年の顔から白い光の雫が滴り落ちる。
「あ、あの! 私からもどうぞ!」
「俺からも。友チョコだ」
五月は仲間に預けていたチョコを、修も護身用に鞄の中に入れていたチョコをそれぞれ白い少年に渡す。
滴り落ちる光の雫の量がどっと増えた。
「あなたが欲しかったのはチョコ?」
茉莉が問えば少年は首を横に振る。
「そう……」
チョコより大切なものを、彼は求めていたのだ。
「私は幽霊なんて信じないわよ! でも……」
ブリジットが俯き加減で小さく呟く。
「神魂の影響で、場所に歪な形で縛られてしまった残留思念のようなものがあるのなら……解放されてほしいと思うわ」
「ブリジットさん……」
梢はふぅと大きく息を一つ吐き出し、おさげを揺らして白い少年を見遣る。
「なにはともあれ、もう悔いはないんじゃないですか?」
梢の言葉に白い少年は頷いた。
その体がふわりと宙に浮く。
「……また『キサラギ』を名乗りたかったら、来世から出直して来い」
庚がそう言うと、白い少年は音もなく笑った……気がした。
「バイバイ、キサラギくん」
円が別れの言葉を紡ぐと、宙に浮いた白い少年は光の粒となって消えていった。
生徒達の奮闘の結果、『闇男くん』と『キサラギくん』は寝子高から消えたのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
本条小鹿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
学校生活
ホラー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月07日
参加申し込みの期限
2016年08月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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