走れ！リボンだけをその身に巻いて！｜リアクション

走れ！リボンだけをその身に巻いて！

「みんなお疲れさま！」
　何とか無事に完走した面々に声をかけるのは武道だ。
「この距離だとやっぱいい運動になるよなー俺汗かいちゃった」
　風邪をひかないようにしっかりと汗を拭いて温まろうと言いながら、
　大会のスタッフを手伝ってタオルを配って歩くあたり、やはり生徒会長らしい気配りである。

　その横でがっくりと項垂れるのは真央だ。
　とても良いペースで3.5kmを走り抜き、ひょっとしたら自己ベストすら更新したのではないかという勢いだったのだが、
　残念ながら僅差で他の男性に優勝を奪われてしまったのだ。
「フンドシをマラソンに使う破廉恥な主催に物申したかったのだ……」
　まあまあ、と真央をなだめる利平。
　仮に真央が優勝していたからといって、主催が真央の意見を聞くか否かは別問題だ。
　そうこうしているうちに、温かいおしるこの缶を抱えた修が戻ってきた。
　勝負に勝った真央への修からのおごりである。
　もちろん、武道や利平、絢や碧南、未沙の分もある。
「とりあえず無事の完走を祝して、乾杯かな？」
　武道がそう訊ねると、みながそれぞれに手にした缶を掲げた。
「かんぱーい！！」

　馬鹿げたマラソン大会、これにて閉会。またいつか。

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