シナリオ「走れ！リボンだけをその身に巻いて！」

走れ！リボンだけをその身に巻いて！

冬といえばマラソン大会である。
何でわざわざ冬にやるのかは知らない。
そして今も、まさにマラソン大会が開かれようとしている。
だがこのマラソン大会、他とは少し違う。
何故ならば、参加者は全員、規定のもの以外身に付けることが許されないからだ。
参加者が下着以外で唯一身に付けることを認められたもの。
それはリボン。
幅30cmほどのリボンのみを身体に巻いて、走るのだ。
しかもコースには、寒風吹き付ける寝子ヶ浜海岸沿いの道や、
人通りの多い寝子島街道も含まれている。
一体主催者の頭はどうなっているというのか……。

名づけて「青春ギフト・マラソン大会」
要はギフトは己自身ということだ。
酷いネーミングだが、マラソン大会は実施される。

さて、そんな酷いマラソン大会にエントリーするのは
どんな酔狂な若者たちになるのだろうか。
……などとのん気なことを言っている場合ではない。
君の手にはすでに「参加申し込み書（写し）」が握られている。

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「青春ギフト・マラソン大会」参加要項
大会目的　：若者が楽しんで走ることで、街の活性化を目指す
メイン会場：寝子ヶ浜海浜公園
コース　　：寝子ヶ浜海浜公園-寝子ヶ浜海岸-寝子ヶ浜交番-寝子島街道-寝子ヶ浜海浜公園
コース全長：およそ3.5km
服装　　　：下着＋幅30cmほどのリボン（リボンの色、長さ、巻きつけ方は自由）
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そう、先日出かけた際に出会った大会スタッフ。
彼の妙な口の上手さと、断りにくい雰囲気に
君はもう大会へのエントリーを済ませてしまっているのである。
こうなったらもう、走るより他がない！！