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【2】薬指にリボンを
幾分ドキドキしながら、
紅林 柳霞
は招かれるままに、部屋の中に入って行った。
そこは、恋人の
荒井 景貴
の私室だ。
今日、一月五日は彼の誕生日だった。お祝いがてら、互いのアルバムを見せ合いっこしよう、ということになり、プレゼントとアルバムを持ってやって来たのだ。
主が男性にしては、ずいぶんときれいにかたずいた部屋の中、勧められて柳霞はローテーブルの傍に置かれたクッションに腰を下ろす。
「自分のアルバムを見せるって、なんだか照れくさいですね」
言いながら、隣に腰を下ろした景貴は、手にしたアルバムを彼女の方へと差し出した。
それを受け取り、柳霞はさっそく広げてみた。
赤ん坊のころからのものが、年代順に整理されて並んでいる。
「小さい景貴さん、可愛い!」
赤ん坊に幼稚園と、小さい彼の姿に柳霞は思わず声を上げた。
「あはは……。そう言われると、なんだか恥ずかしいですね」
照れくささに、思わず笑って返す景貴だ。
柳霞は更にページを繰って行く。
小学生ぐらいになると、真剣な顔で卵を割っていたり、ボウルの中身をかき混ぜていたりと、お菓子作りに夢中になっている写真が多くなった。
「それは、パンケーキを作ろうと、卵を割っている時のものですね」
横から覗き込んで、景貴が言う。
「このころから、お菓子作りに興味があったんだね」
うなずいて返してから、柳霞はふと思いついて呟いた。
「景貴さんの子供も、こんな感じなのかな……」
「え?」
「あ、ううん。もし景貴さんに子供がいたら、とか思って――」
言いかけて、柳霞はふいに赤くなった。
(こ、こ、子供だなんて、私、何言ってるんだよ~)
内心に焦りつつ、アルバムのページをめくって行く。
と、その手がふいに止まった。
「これ、景貴さんだよね」
思わず顔を上げて問う。
そこに貼られているのは、寝子高の制服に身を包んだ、高校生のころの景貴だった。
教室で同級生たちと一緒に撮ったものだ。
「そうですが……どうかしましたか?」
怪訝そうに問い返す景貴に、柳霞は言った。
「小さいころに、迷子になった話、したことあったよね?」
「そういえば……ええ、聞いたことがありますね」
再度問われて、景貴はうなずく。
それは、柳霞が小学校低学年のころのことだ。
一人で祖父母のいる『ステラ・マリス』へ行こうと家を出た。しかし、夕方の景色は子供の彼女には、昼間のそれとは違って見えて、道に迷ってしまった。
そんな彼女に、声をかけてくれた寝子高の男子生徒がいた。
事情を聞いた彼は、「大変でしたね」と頭を撫でてリンゴジュースをくれた。
泣くのを我慢していた彼女が、安堵のあまり泣き出してしまうと、ハンカチでその涙を拭ってくれた。
彼女が泣き止むと、彼は手を引いて『ステラ・マリス』へ連れて行ってくれた。
「さあ、着きましたよ。もう大丈夫です」
身を屈めて笑いかけ、頭を撫でてくれた声の優しさは、今でも覚えている。
ただ、あまりに小さいころのことだったので、その人の顔はもうはっきりとは覚えていなかった。
(でも……景貴さんに初めて会った時、なんだか似てるなって思ったんだよね)
胸に呟き、柳霞は改めて高校生の景貴の写真を見やる。
一方、景貴の方も。
「柳霞さんのアルバムを、見せてもらってもいいですか? もしかしたら、幼いころのあなたに、会っているかもしれません」
言って、彼女が持って来たアルバムを手に取った。
以前に話を聞いた時には、何かが記憶に引っかかる気がした程度で、かつてそんなことがあったことすら思い出さなかった。
だが今は、まるで急に記憶のフタが開いたがごとく、高校生のころの出来事が脳裏によみがえっていた。
やがて行きあたった柳霞のアルバムの一ページには、見覚えのある小学生の女の子の姿があった。
彼は、たしかめるように何度も写真と柳霞の顔を見比べる。
「……まさか、あの時の女の子があなただったとは。すみません、気づくのが遅くなってしまって」
謝罪するようにうつむいて告げると、彼は顔を上げた。
「遠回りになってしまいましたが、また巡り会えてよかったです」
「気にしてないよ。私、初対面の時から景貴さんがあの時のお兄さんだったらいいなって思ってたよ。だから、本当にそうだったなんて、嬉しい! 運命、感じちゃう」
小さくかぶりをふって言うと、柳霞はぎゅっと強く彼の両手を握りしめた。
それから、思い出したように自分のバッグの中から綺麗にラッピングされリボンがかかった包みを取り出す。
「お誕生日おめでとう! プレゼント持って来たんだ。何がいいかすごく迷って……これにしたよ」
「ありがとうございます。開けてみていいですか?」
受け取って、景貴は尋ねた。
「もちろん」
「では、遠慮なく」
包みの中から出て来たのは、同色で模様が編み込まれた濃紺のセーターだった。
「編み込みも綺麗で、手触りもいいですね」
軽く目を見張って、ひとしきり眺めたり触ったりしたあと、景貴はさっそくそれを身にまとう。
「とても温かいです。ありがとうございます」
「よかった」
礼を言う彼に、柳霞はホッとして呟くと、言った。
「本当は……自分にリボンを巻いて『プレゼントだよ』ってしたかったんだけど」
苦笑して、彼の反応を待つように景貴を見つめる。
景貴の方は、その話にわずかに目を見張ったが、つとプレゼントを飾っていたリボンを手に取った。
それを彼女の薬指にやんわりと結ぶ。
「あなたのことは、プレゼントではなく、伴侶としてお迎えしたいです」
「え……」
思いもかけない言葉に、柳霞は言葉を失った。
あの思い出のお兄さんが彼だっただけでも嬉しい出来事だったのに、まさかこんな言葉を聞くことになろうとは。
とはいえ、予想していなかっただけに、彼女は軽くパニックに陥っていた。
それが景貴にも伝わったのだろう。
「ごめんなさい。驚かせてしまいましたね。でも、今のは偽りのない、僕の本心です。……返事は急ぎませんので、考えてくれたらうれしいです」
「あ……うん……」
薬指に結んだリボンはそのままで告げられ、彼女はただうなずくだけだった。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年06月24日
参加申し込みの期限
2016年07月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年07月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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