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春色季節! 新作スイーツお披露目会開催中です!
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話を持ちかけたのは
ロベルト・エメリヤノフ
だった。入手したパンフレットを広げて「どう? 行ってみようよ」とふたりの顔を交互に見遣る。
「試食会……? そんなイベントがあるのか」
買う前に試せるのは悪くないなと
獅子目 悠月
が興味を示し、
「むー……スイーツお披露目会、か……」
呻くような呟きを零し、
来島 アカリ
は渋い表情になった。胸の内では輝く顔で(甘いものいっぱい食べれるのはいい、かも……!)とときめいたりするも、二人の手前、気持ちを押し込んでしまい結果アカリの顔は曇った。
アカリのそんな機微を察してロベルトは小首を傾げる。
「だめかな?」
「いいぞ、行ってみるか」
悠月が乗り気に二つ返事と頷けば、
「ま、行ってあげないこともない……ですよ?」
アカリも同行すると名乗り上げて、ロベルトは花の蕾が綻ぶように笑った。
…※…
「いちごパフェと、フランボワーズのマカロンと、桜のムース!」
見渡せば見渡す程歓喜する。アカリはひとつひとつにあれも良しこれも良しと優劣付けられず、はふっと甘く吐息した。
(甘いものの食べ過ぎはよくないし、普段はなるべく控えめにしてるんだけど……今日くらいはいい……よな?) こんな日は滅多にない。自然と自分に甘くなるというものだ。
「定番は揃ってる感じかぁ。どれも美味しそう、だな♪」
「どうしたの。何か気になるものでもあった?」
ロベルトにひょいと覗き込むように横から声を掛けられて、アカリは飛び出しかけた驚きの声を飲み込む。
「気になるって……べ、別に甘いものが好きなわけじゃ……!」
まさかそんなスイーツを目の前にして心躍らせているとは素直に言えず、各ブースに目移りしていたアカリは、ロベルトから目を逸らし慌てて言い繕った。
そんなどこか必死げなアカリは、甘いものに囲まれ不機嫌さを隠せない美少年として、ロベルトの目に映った。ロベルトは、彼が自分のために付き合ってくれていると考えるとくすぐったくなる。
ロベルトはアカリの手元から背中を伸ばして横手の悠月を見遣る。
「これだけ沢山あると何から見ていいか悩むな」
悠月は悠月で小さく唸っていた。
「獅子目はどれに悩んでるの?」
「俺か? 俺はスコーンやジャムだな。美味しければ買って明日の朝食にしたいし、ジャムは紅茶に入れられるし。
そういうロベルトは何が食べたいんだ?」
「うーん。確かに悩むね。アイスも置いてあるみたいだから僕はアイスからいただこうかな……」
「あ。なら良さそうなのがありますよ、先輩」
お菓子からホワイトデーを連想し、密やかにバレンタインのお返しをしたく、リサーチしたいアカリはそれとなく探りを入れたい。
「……ってなににやついてるんですか?」
「いやなんか嬉しくなっちゃって」
不審げにアカリに問われても、ロベルトは頬の緩みを止められない。
楽しいだろうなとこの日を二人に誘ったのだが、想像していたよりも現実は華やかだった。
男三人ではあるが、華、というのは、時間も場所も関係ないことを実感させてくれる。こうして腕を引っ張られると誘った甲斐があったなぁと見返りの多さにロベルトは悦に入ってしまうのだ。
「夢みたい」
それを言葉を変えてロベルトが伝えると、
「寝ぼけてるのか?」
ほのぼのとお人好しそのものロベルトが言うとそれっぽいが、本当に立ったまま寝てもらっては困ると悠月が苦笑した。
「そんなことないよ」
ロベルトが否定するも悠月は苦笑に緩く笑むばかりだった。
「先輩。先輩、どれ食べますか?」
アカリがショーケースを指差して問いかける。何を期待しているのか、向けられた視線の真摯さに気づき、ロベルトは「んー……」と思案に間延びした返事をした後、
「美少年にはこういうものを食べてほしいな……」と苺味と桜味のアイスを試食用として店員から貰う。
「は?」
「へ?」
突拍子もないロベルトの提案で面食らう二人に、彼は自信ありげにどうぞとアイスの入った紙コップを差し出した。
「なんだろうね。きっと似合うよ」
選ぶより、選んであげたい。共に並ぶのもいいが、一歩引いて愛でていたい。発展途上の未発達さは濁らず曇らず透明に澄んで触れるにはあまりに純粋無垢で、また磨き上げたくなる原石そのもので。間接照明の穏やかな色合いに砂糖菓子特有の甘ったるさはロベルトにとってひとつの額縁と成り果てた。
綺麗な絵を鑑賞したいと思うのは強欲だろうか。
空気の甘さにジンと脳の奥が痺れ、「自分ならその種類を選ぶが、二人は何を食べるんだろう?」という疑問は幾つもの展開を経て、イベント案内のアナウンスすら背景に飾り立てたい衝動へと取って代わっていた。
苺色も桜色も二色の唇色の添え色としては申し分無い。
なんなら。
「なんなら口移しもしていい?」
大胆な発言に悠月はギョッとする。
先程の会話から、もしかして、今なら何をしても寝惚けてるって言い訳できる!? と豪胆にも思いついたロベルトはすぃっと持ち上がった悠月の手に気づかなかった。
むにっと片頬を摘まれるロベルト。
「い、いひゃい」
「春だからってまだ寝ているのか?」
「おひてる」
結構厚めに頬を摘まれているのでロベルトの返答は気抜けたものだ。
信用ならないとばかりにうろんげと年上の彼を悠月は見詰める。
起きていると言われても説得力がない。
食べさせるだけなら普通にできるし、させもしよう。ましてここは外だ。そもそも外でそんなことをしている人物がいたら嫌だろう。
冗談なのかもしれないが、ひょっとして……というのもある。
どちらにしろ、
「もひろん、くふひまのくひうふひてもひひよ」
勿論来島の口移しでもいいよ、なんてめげないあたり本音が聞こえてきそうだ。
アカリはアカリで要求の生々しさに「く、口移し……?」と完全にうろたえていた。
「だ、ダメ! そんなのダメです!」
頭を左右に激しく振って「ここ外ですし!!」と取り巻く状況を強調する。
想像してしまったのかアカリの頬は赤い。狼狽か興奮か、声まで震えて、助けを求めるように泳ぐ瞳は妥協案を見つけて大きく開かれた。
「ほら、かわりにこれ!」
目をつけていたベリー系の商品が多かったブースに駆け寄り取って返したアカリはロベルトの目の前にそれを突き出す。
「あの……パフェあげますから!」
「はふぇ!」
駄目だと拒絶された分、ロベルトの喜びは倍増していた。
アカリは嬉しそうにしているロベルトの両手が塞がっているのを見て、「えーと」と二秒程悩んでから、ベリー系の甘酸っぱそうなソースがたっぷりとかけられたミニパフェにプラスチックスプーンを差し入れて、ずいっと前に出た。
「先輩。はい、あーん!」
「はーん」
顔を輝かせて、ぱくっとロベルトは食べたものの、頬の片側は変わらずに悠月に摘まれたままだ。器用に動かせなかった口元には生クリームが残ってしまった。
「あの、口元にクリーム。ちょっと待ってください……ね?」
もう一歩近づいたアカリは二人に割り込む形でロベルト側に密着に近い形のまま腕を伸ばし、先輩の唇のすぐ側を指で拭った。ゆっくりとなぞっていく感触。
クリームを拭われたロベルトは「くふふったいよくるひま……」と照れる。
自然と目で追いかけてしまった生クリームが滲む指先は、ぺろり。と桜色の唇の向こう、艷やかで健康的なアカリの舌に舐められた。
「うん、綺麗になりました」
アカリがふわりとロベルトに笑いかけた。
その純真さ。
そして、アカリが懸命に出した答え。
それを精一杯の譲歩と受け取ったロベルトは、暫く考えた後「やっはり、ねほへてるのはも……」と悠月の頬を摘む手ごと、自分の頬を自分の掌で覆ってすりすりした。
「俺もそう思うぜ」だから早く起きろと言わんばかりに悠月は摘むロベルトの頬を横にのーびのーびさせる。
いつまでも甘えさせないと、容赦なくひっぱられ「ひほいよ、ひひめ!」と抗議の声を上げるロベルトに悠月は悪戯っ気に口角を持ち上げた。
「変なことを言い出すからだろう。ほら、寝惚けてないで」
頬を摘むことを止めた悠月の手にプラスプーン。乗せられているのは試食用にとロベルトが選んで持っていた苺味のアイスの一掬いだった。
「あーん、だ」
たしか記憶ではロベルトは苺が好きだった気がする。手始めにアイスと言っていたし、選択は間違っていないはずだ。
「いいの?」と聞くが、ロベルトは既にぱくりと頂いていた。
「美味しい」
「だろ? こっちのもうまいぜ?」アイスに引き続き、こちらは既に試食済みだった食べかけのブラウニーをロベルトの口元に運び「あーん」と年上の彼を促した。
「美味しい」
幸せそうな顔で咀嚼するロベルトを挟んで反対側に居るアカリに悠月は視線を送った。
その挑発的な態度に「む」とアカリは察すると同時に敵愾心に燃えた。(獅子目に負ける訳にはいかねーな……)と。
「先輩あーんしてください」
腕を掴んで大胆にも自分の方を向かせるとアカリはロベルトにマカロンを食べさせた。
「俺のマカロンのほうがおいしい……ですよ、ね?」
あーんしてくれとお願いされて、あーんしないわけがない。幸せを噛みしめるロベルトは問いかけに「うんうん」と首肯する。
「ほら、ロベルトこっちの方が美味いぞ」
それを見せつけられて今度が悠月が面白くない。アカリに負けるのは癪なのだ。負けじと腕を引っ張ってロベルトを振り向かせると「あーん」をさせる。
ロベルトは拒まない理由が無い。
二人を止める理由も無かった。
むしろ積極的に二人の、あーん、を受けて美味しそうに食べる。
「どっちも美味しいよ!!」
ふふ、二人とも僕のために争わないでくれ! 状態で次々と与えられるスイーツを平らげていく。
それはそれは一種異様な光景ではあるが、三人が三人とも楽しげに笑っているので、学生特有の悪ノリにも見て取れて、「あまりはしゃがないのよ」と近くのおば様達から微笑ましいわねと和まれたのだった。
確かに。
「結構色々食べちゃったなー?」とアカリが指折り数え、
「ついつい食べ(させ)過ぎたな……」と悠月が反省し、
「なんだかんだで結構食べたなぁ。
うん、美味しいからオッケーだね!」と一番量を食べたロベルトが二人に笑いかけた。
「でもま、美味しいもん食べれたし……よかったかな」
しっかりと味見はしていたアカリはロベルトに同意と頷く。
「それに中々いい買い物ができた気がするしな」
終わりよければ全て良し。と悠月は白熱しつつも忘れず入手したお土産に視線を落とした。
そして、
ホワイトデーのお返しをどうするか。各々の胸中は先のイベントへと思い馳せ、一時無言になった三人は暫くして仲良く帰路についたのだった。
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保坂紫子
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月23日
参加申し込みの期限
2017年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月02日 11時00分
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