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春色季節! 新作スイーツお披露目会開催中です!
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人の列から一歩離れ、一通り一巡し会場入り口へと戻った
千堂 結
は来てよかったと胸を高鳴らせる。
「スイーツが沢山! わくわくしちゃう……!」
寝子島は小さく例え観光客を含めて混み合うといっても高が知れていると来てみたが、現実はそうではなかった。想像以上の混雑具合に押されつつも、ずらりと並んだ新作スイーツのきらびやかさに最初に覚えた不安など吹き飛んでしまった。
少しだけ大胆になれた気がして早速試食しに行こうと結は気合を入れる。
「一緒にスイーツ巡りしませんこと?」
そんな彼女に颯爽と登場した
上下 左右
が視界に飛び込むように明るく挨拶代わりと、誘いの言葉を投げかけた。
「わひゃぁ」
そんな彼女の問いかけに返ってきたのは驚く結の声で、左右はきょとんと目を瞬く。
「おや、あれは千堂先輩」と結を発見し、左右は軽い気持ちで声をかけたのだが、相手は眼前の事に夢中になって周囲への注意が疎かになっていて自分の声掛けは思いがけない刺激になってしまったようである。
「こんにちはですわ」
「こんにちは。上下さんも試食しに?」
「ええ。甘い匂いにつられてやってきましたわ!
一人なのもあれですし、折角なので先輩もご一緒しません?」
杖を支えに行動範囲も広い左右に「勿論。よろこんで」と答えた結は、会場入口でもらったパンフレットを広げようと通行の妨げにならないように少しだけ場所を移動する。
何度目の溜息だろうか。
「どれから食べるかちょっと迷っちゃう……」
優柔不断に揺れて決めきれない結は左右に話題を振った。
「上下さんはどれ食べる?」
好みが似ていれば嬉しいし、それでなくても新たな冒険ができそうだ。見た限り、どうしても食べれないという種類も無さそうだし、誰かの意見に乗っかってみるのは悪くない。
「ん~どれも美味しそうですわ~」
結の期待に反し、左右も最初の一個を選べずにいるようだった。
全てが新たな味なのである。見目形から想像はできても、実際は想像通りとはいかない。それに、衝撃を受けるほどの素敵な出会いをしてみたいし、記念すべき最初の一個はどうしても迷う。
「それにしてもここのお店はとっても人が多いですわね。空いているときに来れてよかったですわ」
「そうでもないよ。ずっとこの調子だったから」
先に一周りしていた結は中々人が捌けないブースの前で、あの新作はおいしそうに見えると左右とふたり一緒に並ぶか人が減るまで他のを見て回るか相談する。結果、後者の案で考えがまとまり二人は歩き出した。
女性の割合が多い中、その存在は珍しく目に止まりやすかった。
先に足を止めた左右に気づき、その視線を追った結は群衆の後方を眺め「あ」と声を漏らす。
突っ立っているだけの知り合いの態度に左右は首を傾げ、
「何をして……あ、先輩ちょっと耳を……」
悪戯めいた微笑が滲む唇を結の耳に寄せた。
「上下さん何を……って、えッ!?」
ふむふむと相槌を打つも案の定驚く結に左右はちょっぴり悪い顔をする。
「どうでして?」
「どうでしてって……」
「先輩はやってみたいと思いませんの?」
「いや、それを聞かれると、その……」
「では実行あるのみですわ!」
作戦開始とばかりに左右は両掌を打ち鳴らしたのだった。
…※…
さてここ会場内には
折出 司
の姿があった。所在無げにそわそわしている。
「何アレ、女ばっかりじゃん」などと苦手意識に悪態を吐くも、それは愚直な自分が行動した結果だと思えば後悔に口を閉ざす。
「いや別に興味があるとかそんなんじゃないけど……」
言い訳めいて呻くも「まあタダならちょっと位試食してあげてもいいけど」と会場に直行した事実は変わらない。
彼は彼なりに葛藤してたのだ。
混ざっていたチラシに『新作スイーツお披露目会』なるイベントを発見した所から始まり、今に至っている。
「にしても、人、多!!!」引かぬ波に、増々自分の存在が浮いていることを自覚する。
「ああくそ……あんな美味しそうに食べ……ッ そうじゃなくって!
前の方行かないと見えもしないじゃん!」
「お~りい~でく~ん」
程良く通る声は爽やかに明るく元気。
小春日和の温かな風にも似た声で名前を呼ばれた司は、ぎょっとした表情になり、条件反射にか弾けるように反応する。
が、既にその行動は遅かった。司の体の前面に杖が回されるのが早い。
「お、ぐッ。卑怯!」
気配を消して接近したのは明らか。後ろから羽交い締めにしている左右に首を曲げて司は非難に藻掻く。拘束に全力で抵抗するもほどけず、力で負けている羞恥も入り混じり頬は赤くなっていた。
「離せこのッ…! ていうか何で居るんだよ!」
そんでもって何してんのオバサン! と人目も憚らず騒ぐ司に、絵文字で表現するなら「^ワ^」な感じで彼を受け流す左右は結を呼ぶ。
「先輩、先輩、いまのうちですわ」
「え。先輩って……せ、千堂先輩まで何でここに…!!!!!」
密着している為か、状況を飲み込みつつある司の焦りが手に取るようにわかる左右は「ふふ」と笑う。
「さぁ折出君、あーん」
「へ!? あ、ちょ、もしかしてそれあーんとかいうやつじゃ……!!」
そう、その、あーん、である。
「ほらほら折出君、あーん」
「や、やめ!こんなとこで恥ずかしいじゃん何笑ってんだよ離せよオバサンも!! ウアーーー!!!」
悲鳴にも近い悲惨さに結はスプーンを構えたまま困惑に八の字眉毛になるも、見兼ねた左右からアイサインを送られて、意を決した。
「折出くん……? 一人かな……?」
結に見ればわかることを聞かれ司は不意に冷静になった。
聞かれたので答えなければ。と理性が働いた。
そんな彼の口に、ひょい、と結はスプーンを突っ込んだのである。
「――むぐッ!?」
結のそれは決して手荒なものではなかったが、なにせ唐突だったので司は半分パニクった。
作戦勝ちというか、左右の耳打ちに司に「あーん」をしてみたかった結は目的が達成でき、あは、と声を漏らす。
「お味はどうでして?」
ミッションクリアの為、拘束を僅かばかり緩めた左右が問う。
食い入るような少女二人の視線を感じ取った司は、カッと目を見開くと頬を染め、俯き逃げるように目を逸らす。
「……おいしい」
観念にか小声で消え入るような細さの返答に、左右と結は互いに見つめ合い、どちらともなく笑った。
くすくすと鈴を転がすようなさざめきの笑い声に、司は増々赤くなる。
むすっとする司に左右は示すように自分の口元を指差す。
「あら折出君、口にクリームついてますわよ」
「え?」
「私が取って差し上げましょうか?」
ここについている、と左右が自分の頬を指差す場所を見て「子供扱いすんな」と司が怒鳴ったのは言うまでもない。
…※…
「はー、おいしいー……」
心底幸せそうな顔でもう幾つ目になる試食品を味わう結はとろけきっていた。
「せんぱ~い、あ~っんですわ~」
スポンジ系ばかりでは飽きてしまいましてよと左右が自分のカップから結の口に向かってお裾分けする。
堪らず「はふぅ」と結が零すと、左右は「うふふ」と笑った。
「美味しいですか?」
分けてくれたムースの溶けるような舌触りに目を細めたまま結が頷く。
「幸せってこういうことを言うんだ……」
「それはよかったですわ。ささ、折出君も、あーん」
若さに任せた抵抗というのは時に本人が自覚している以上に体力を消耗させる。シチュエーションに身を任すにはあまりに恥ずかしく、流されるわけにはいかないと年上の彼女達に見栄を張っていた司はこの頃には疲労もあってか諦念の様相を見せていた。
それでも自由にはさせまいと口を閉ざす司に、左右は「ほらほら~」と優しく試食の提供をやめなかった。
なんだかんだと言うわりには好き嫌いも言わずに、美味しければ美味しいと頷く素直さが可愛いのである。
結と左右は司が甘いものが嫌いで無いことを密やかに確信する。
「今日は楽しかったですわね」
食べるのも食べさせるのも充分に堪能した左右が引き上げましょうとお開きを宣言する。
「いくつか買っていきましょう」
「うん」
何度も見返したパンフレットを名残惜しそうに畳もうとした結はお土産タイムの到来にひとつ返事で頷く。
「折出君もお付き合いしてくださいな」
活発な左右に引っ張られる形で司も彼女達に連れられ行く。
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あとがき
担当マスター:
保坂紫子
ファンレターはマスターページから!
皆様初めまして、またおひさしぶりです。保坂紫子です。
今回のシナリオはいかがでしたでしょうか。皆様の素敵なアクションに、少しでもお返しできていれば幸いです。
食べ物がメインになるシナリオは例外なく空腹になるのですが、今回は輪をかけて強力でした。執筆中のおともに飲んでいる飲み物がレモンティーからブラックコーヒー(ノンカフェイン)に変更するくらいの危機感がありましたね。一日一リットル以上の市販の紙パックレモンティーだったのでいい機会だったのかもしれません。
また、推敲を重ねておりますが、誤字脱字等がございましたらどうかご容赦願います。
では、ご縁がございましたらまた会いましょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月23日
参加申し込みの期限
2017年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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