推理ゲーム『ねこじま人狼』2nd｜リアクション

推理ゲーム『ねこじま人狼』2nd

●　島民の主張

　衛はそういうと、由貴奈に一瞥くれてから、アカリを見た。
「ところでさ。らっかみ主張した由貴奈さんは別として……俺の主張は『役職持ちは自分から情報を得る手段がない人に、どうやって信用してもらうかに全力をかける役』だから、現時点で明言してないアカリくんもだいぶ怪しいんじゃねえかなってとこなんだが？」
　疑いをかけられたアカリは少し目を見開いたが、すぐに落ち着いた顔に戻って、衛から受けた視線を引き渡すように、春彦へと目を向けた。
「あと一人。楢木の主張を聞いてから」

「は？　俺っ！？」
　楢木春彦はきょとんとする。

「俺は変化なし。島民」

　これを聞くと、アカリは唸って黙り込んだ。
「ちなみにさ、春彦くんの今の推理は？」
　武道が尋ねる。
「あー。正直まとまってねえっつーか。最初は新江がアヤシイ、と思ったんだよなー。共有と交換したっつーワリには卯木の言ってた交換相手の先だしもなかったし……まあ狂人で引っ掻き回したっつー可能性もあるケド」
　顎の近くに手を当てながら春彦は次に衛を見る。
「卯木も筋は通ってそうな気もするんだケド。黒判定出されても困らねーように先に言ってる可能性もありそうだよな。壬生先輩とどっちがと言われると判断できねーし、言えないっつった優木も微妙だなぁ」
「じゃあ、春彦くんから見て安全そうなのは？」
　武道が聞くと、春彦はうーん、と唸ってからこう言った。
「丹羽先輩は真の占い師で大丈夫な気がするし、トワも安全だと思う。屋敷野と志波先輩も、かな。来島のごまかしが複雑なのはなんか怪しいよなー。小出しにっつーよりワザと周りを混乱させてそーな気もするし……」

　春彦の疑わし気な上目遣いを受け、アカリは「ふー」と鼻息ひとつ、
「言っておくが、これ以降に出る占い師を信用するつもりはない」
　と前置きするとこう言った。

「俺が島民だぞ……と」

「島民？　Really！？　アカリ、なんで今まで伏せてたデス？」
　トワが目を丸くして聞いた。
「最初に役職を伏せたのは潜伏役職臭を出しての噛まれ狙いだ……でも共有者がフルオープンっぽいのと騎士も出てたんで俺はまず噛み先候補にならないだろうからやめたぞ」
「じゃあ占い師と島民の二択で誤魔化してたのは？」
　訊いたのは衛だ。アカリは小さく頷き答えた。
「それは主には占い師カミングアウト牽制が目的だ。屋敷野と丹羽先輩の二人が占い師で出てた時点では、二人とも狼で見てたからな。けど、現在の状況を見て、島民同士の勝負になる可能性があると見て素直に島民カミングアウトさせてもらったぜ」