カルティック・レボリューション　武装カルタバトル！｜リアクション

カルティック・レボリューション　武装カルタバトル！

　切り札――。

「挑まれたからには、受けて立とうじゃないか！」

　つと足を止め、シグレも真向、札で立ち向かう――！

「Зөв үг зүйлийн цэцэг адил
　Зөв үг хурц хутга адил ！」
（真実は花のようで真実は鋭い刃のよう）

　シャッ！
　弾かれたカルタが虚空で音もなく破裂、そこから蔦が鞭のようにしなり、シグレめがけて唸る！
　嵐のように舞い散る様々な花弁。
　水仙、アネモネ、ヒヤシンス――。
　どれもロベルトがこよなく愛する花々。
「この札で、君の札を貫通し、攻撃！」
　勝ち誇って笑う。
「ライフをロストしてもらうよ！」

　紫電の如き蔦になすすべもなく絡みつかれ――。
　その瞬間、シグレの姿が忽然と闇に溶けた！

「――ただし俺は、逃げも隠れもするがな」

　声のする方に振り向くと、そこには月をバックに悠然と佇立するシグレ。

　ろっこん『怪盗補正』。
　逃走中のみ、身体能力が飛躍的に上昇する。
　守勢一辺倒とみえた状況、じつは彼の作戦の中にあった。
　逃げ続けることで好転を待つ。

　だが、彼の逃げる理由は、それだけではない。

　――怪盗ケット・シー。
　彼のもう一つの顔。
　どこまでも幻のように逃げ去り、相手の急所を狙う。
　華麗であること、鮮やかであることが、彼が自分に課した宿命だった。
　
　取り出された、一枚の札。
　勝負の趨勢を決めるのに、ふさわしい。

「All is fair in love and war. 」

　効果：自己のライフを代償に、ダメージを増加。

　熊の攻撃により、少なからぬ手傷を負っている彼。
　このうえ、さらにリスクを取る。
　大胆不敵、奇策縦横。
　自分らしい戦いを望む、彼の切り札だった。

　宙を舞うカルタが閃光を放つ。
　闇の中、シグレの業物がきらめく。

　とどめの一撃。クー・ド・グラース。
　勝利を確信したシグレのエペが、ロベルトの胸元を狙う！

「恋と戦いは、勝てばよい！」　
　

「……それはどうかな？！」

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