「カルタの歴史は古い……ことによると、人類よりも古いと言われておる……」
寝子島高校歌留多同好会、その部室。
大田原 いいなの重々しい言葉に、一同が頷く。
来るべき寝子高カルタ大会。
楽しい行事を滞りなく行うため、同好会も力を惜しまないつもりだ。
開催された第一回ミーティング。
満座を見渡し、開口一番、いいなが言い放った。
「タロット、トランプ、骨牌……世に多様なカードゲームはあるが、
その始祖にして究極がカルタであるのは、もはや疑いはないであろう……」
『智を受け継ぐ者』の異名を持つ、人一倍明敏な彼女。
来るべき変容の予兆を感じ取ったのか、神妙な様子である。
「いいなちゃん……そこまで言うのなら、何か確証が……」
八重崎 五郎八の言葉に、いいなは一枚のカードを掲げる。
タロット。
啓示は『力』。
「タロットは56枚の小アルカナと、22枚の大アルカナより成る。
アルカナ……この秘密めいた名の由来は、ご存知かな?」
「確か……ラテン語の『秘密』『神秘』の複数形……」
「旧来の説では……な」
「旧来の……」
「真の由来は、これも日本! これもカルタ!」
くわっと目を見開くいいな。
「五郎八殿! カルタで札が読まれて、探すとき、なんと言う?」
「ええと……『ここにある?』『そこにあるか?』……。
なっ――
アアッ!!」
「その通り! 秘密の札を探す探索者の叫びこそ、真の意味なのじゃ!」
ΣΩΩΩ<な、なんだってー!?
明けて新年、今年も寝子島は平和である。
「話は聞かせてもらったよ!」
すらりと襖を開けて現れるのは、
桜庭 円。
「人類は滅亡する!!」
ΣΩΩΩ<な、なんだってー!?
「真の力を獲得したカルタが、その猛威を地上に振るおうとしている……。
まさに、アカシックレコードの予言にあった通り!」
神魂に当てられたか、また寝子島書房の本を読んだか、だいたいいつもどおり? の円が断言する。
「円殿、どうすれば、破滅を防げるのだ!?」
すちゃっと、カルタを眼前に晒す。
「魔に抗するには魔……カルタに抗するにはカルタ……。
今こそカルタの封印を解き、その力を解放するんだよ!」
――衝撃のカルタバトル――。
「そう、カルタの真の力が解放されれば……」
障子を透かして見える、山稜。
その彼方から浮かび上がる、巨大な影……。
「あ、あれは……」
「船頭が多ければ……山だって昇るさッ!」
円の呼びかけに答え、海中深く沈む『それ』が、ゆっくり姿を現す!
「The Ark(方舟)――浮上!!」
たった一枚で、伝説の舟を操る。
衝撃のカルタ力(ぢから)。
今まさに、カルタに世界の命運は託されたのだ!
「さあ、行くよ――『戦いの園』へ!」
ぱーすぺです。
寝子島高校歌留多同好会の皆さま、桜庭 円様、ガイドへの登場ありがとうございます。
というか、本当にごめんなさい。
カルタ大会スピンオフ。スピンオフというか、ドロップアウト。
カルタの間違えた遊び方。
学校行事としてのちゃんとした「かるた大会」は別のシナリオが出ます。ご安心を!
●カルタ大会
寝子高の一部の生徒たちは、“謎の力”に目覚めました。今だけです。
気がつけば、目覚めた人たちだけが学校にいる、そういう世界のようです。
あなたたちは不思議なことに、この謎のカルタで熱いバトルを繰り広げたくなってしまいます。
戦いの後には、いつのまにか日常に戻れることでしょう。
●カルタルール
札を多く集めて勝敗を決するのではなく、
取った札による特殊攻撃によって、相手のライフをゼロにするバトルです。
普通に物理攻撃でライフをゼロにもできますし、カルタの力を解放することで(後述)より強力な攻撃も可能です。
①1on1、2on2、3on3のいずれかによる“対戦”です。
各PCが1試合行います。
チームの相手、対戦相手にご希望があれば、【GA】をお願いします。
特になければ、こちらで見繕います。
必要に応じて、NPCが穴埋めします。(NPCの指定はできません)
②先攻後攻で、カルタの読み手が交代します。
③このカルタは読み手も札の取り合いに参加することができます。
札は読み手が読み終わったあとでないと取ることはできません。
④札を取ったプレイヤーは、その札にちなんだ力を解放できます。
札によって解放される力は、札の解釈に準じ自由に行えます。
例)
「船頭多くして船山に登る」
【基本】
リーダーが多いと、方向を見失ってしまうという元の意味から、
「多数の敵を混乱させる」という力を引き出す。
【応用】
たくさんの船頭を召喚し、山にも登れる伝説の舟「ジ・アーク」を召喚。
空爆をしかけて攻撃。
「五十歩百歩」
【基本】
大して変わりはないという意味から、相手の攻撃を逓減する能力を引き出す。
【応用】
50歩の移動も100歩分に相当というように解釈し、
自身が倍速で移動できるという能力を引き出す。
【もっと】
将棋に「2歩」という反則がある。
これはそのさらに上を行く、50歩、100歩という反則も可能にする。
ルール上許されないような攻撃を可能にするという能力を引き出す。
どんな能力も可能というわけではありませんが、カオスなものには対応いたします。
※マスターの方で修正する可能性あり。多分ひどくなります。
※ろっこんとの併用も可能です。
⑤相手のライフがゼロになったりすれば勝利。
●読み札
読み札は一般に流通することわざの他、慣用句、その他言い回し。
外国のことわざなど、なんでもOKです。
歌詞のワンフレーズなどは、大人の理由で避けてください。
●カルタルール…いつからカルタだと錯覚していた?
こっそりと他のカード(トランプなど)を混ぜてもOK。
商標登録のあるものも避けていただけるとありがたいです。
●反省会
終わった後は、お菓子などを持ち込んで、反省会も可能です。
勝ち負けはございますが、基本的にはバトルを楽しんでください。
大熱血、大危機、大勝利……なんでもやってみましょう!