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アンノウンで月蝕を
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【4】和みの輪 ~月蝕の始まり
奥の席から上がった物音に、時子は驚いてふり返った。
同じ席にいた美弥子と暗、それに時子の手からテーブルに移動していた碧南も、同じ方向を見やる。
「吸血鬼と狼……女……? 大丈夫なのでしょうか……」
血に濡れた牙で微笑む美野梨と、気絶したすばるを見て、時子が不安げに呟いた。
「組み合わせから考えて、痴話げんかだろう。放っておけばいい」
小さく鼻を鳴らして、暗が言う。
その声が聞こえたのか、美野梨が彼らの方に軽く笑いかけて告げた。
「痴話げんかじゃないけど、死にそうなほどは吸ってないから、大丈夫よ」
「そうなのですか……」
時子がホッとしたようにうなずく。
そこへマスターが、彼らの注文したものを運んで来た。
「ありがとうございます……。人の姿のマスターさんも素敵ですよ……。今日は、マスターさんに止まって羽根を休められないのは、残念ですけれど……」
礼を言って、自分の前に置かれた烏龍茶のグラスを取りながら、時子がマスターに話しかける。
「ありがとうございます。次においでの時にはまた、私に止まって休んで行って下さい」
マスターは笑って返すと、美弥子の前には追加注文したニンジンとキャベツの野菜スティックの入った器を、碧南の前にはひまわりの種の入った皿を置いた。最後に、暗の前にブラックコーヒーのカップを置くと「ごゆっくりどうぞ」と告げて、カウンターの方へと戻って行く。
それを見送り、時子はグラスに口をつけると、天井に広がる空へと目をやった。
空は、彼女がここを訪れた時よりも暗くなり、茜色に染まっている。
「ピルルル。ピル、ピルピル」(小さくなると、視界ってこんなに変わるものなのね)
ひまわりの種を手にして、同じように天井を見上げた碧南が、呟くように言った。
「人間よりずっとサイズが小さいから、視界の変化も大きいのかもしれないわね」
野菜スティックをかじりながら、美弥子がうなずく。
「ピル、ピルピルル……」(ええ。私は普段は、180センチオーバーの、高身長女子だから……)
言って、碧南は天井に向かって手を伸ばし、軽く跳ねて見せた。
「ピルピルルル」(普段と全然違う世界が、面白く感じるわ)
「それ、なんだかわかる気がします……。私も、ろっこんの進化能力で鳥になった時、人間の時とは視界に映る世界が、全然違いますから……」
小さくうなずいて言う時子に、碧南もうなずき返す。
そんな彼女たちのやりとりに、暗は一人吐息をついた。
(……力を持たぬ者どもは、気楽なものだな)
それにしても……と改めて自分の姿を見回し、今度は大きく溜息をつく。
(もうちょっとマシな姿になれないものかと思うが……しかたがない。今日のところは、これで我慢するしかあるまい)
胸に呟き、せっかくの本邦初公開の俺の正体だったのに……などと、一人ぶーたれる彼だった。
一方。
半分ほどに減ったミルクのグラスをカウンターに置いて、瑠樹は小さく吐息をついた。
(皆、可愛かったりかっこよかったり、ゆるキャラみたいで和むなあ……)
修の悪魔めいた姿も、美咲紀の天使のような姿も、彼にとっては『可愛い』『かっこいい』の対象だ。
「にゃっ!?」(あっ!?)
だが、和みかけて彼は、思わず声を上げた。
最近、もれいびだと自覚したばかりの彼は、ろっこんの発動条件を満たしてしまったことに、気づいたのだ。
彼のろっこん『ゆるゆる和みと恩恵の輪』は、彼がゆるキャラや着ぐるみ、ぬいぐるみなどに和むと自動的に発動する。
その効果はというと、周囲の人々を激しく和ませる――というか、脱力させてしまうのだ。
「はあ……。なんだかすごく和むのです。和みすぎて、眠いのです」
すでにその効果が現れたのか、美咲紀が呟くとふにゃふにゃとカウンターの上に突っ伏してしまった。
「ああ。なんだか、縁側で日向ぼっこでもしている気分だな。……コーヒーが美味い」
修もうなずき、コーヒーをすする。
テーブル席の方では、美弥子が美咲紀同様、幸せそうな顔でテーブルに突っ伏していた。
時子はひどくほっこりした気分で烏龍茶を啜っており、碧南はその彼女の膝の上で丸くなっている。
暗でさえ、「たまには、こういうのも悪くはないな」などと呟いて、テーブルの上に頬杖をついていた。
そんな中、気を失っていたすばるが、目を覚ます。
「え……?」
頭に当たる温かい感触に、思わず起き上がろうとして、こちらを見下ろす美野梨の視線にぶつかった。
「私……」
「まさか、気絶するとは思わなかったわ。ごめんね。そんなにたくさん、吸ったつもりはなかったんだけど」
謝る美野梨に、彼は小さくかぶりをふった。
ちなみに彼は、壁に沿って作りつけられたソファに座した美野梨の膝を枕に、そこに横たわっているのだった。
「私の方こそ、ごめんね」
返す彼の胸からは、あの荒々しい欲求は消えている。
今はただ、美野梨の膝のぬくもりとその香りに包まれて、幸せでさえあった。
その幸福感を、瑠樹のろっこんが更に増幅させ、彼は体中から力が抜けてまるで蜂蜜の海にでも漂っているかのような心地になる。
そしてそのまま、まどろみの中へと落ちて行った。
まさに、店全体が脱力しているかのような『アンノウン』に、新たな客が現れた。
寝子島高校の教師、
五十嵐 尚輝
である。
彼は、店に入って来た途端、緑色の鳥の姿に変わってしまった。
「ピィー、ピピィー?」(いったい、何が起こったのですか?)
もちろん、事態が飲み込めない彼は、一人翼をばたつかせながら、焦った声を上げる。
それに気づいて、時子が駆け寄った。
「尚輝先生、おちついて下さい……」
彼女は、ろっこん『鳥の囀り』を駆使して、尚輝にこの店の中では普通の人間が別の姿に変じてしまう事情を説明する。
ろっこんの存在を知らない尚輝は、彼女が鳥になった自分と話すことができているのも、この不思議な店のせいか、あるいは月蝕の力だと思ったのか、とりあえずうなずいた。
「ピィ、ピピィ」(なるほど)
そんな彼に、時子は自分たちのテーブルに来るよう誘った。
やがて天井に映る空がすっかり暗くなったころ、そこに映じる満月が、端からゆっくりと欠け始めた。
月蝕が始まったのだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月26日
参加申し込みの期限
2016年04月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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