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アンノウンで月蝕を
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【3】二足歩行のふわふわにゃんこ
はぁっと大きな溜息をついて、
曖浜 瑠樹
は立ち止まると途方にくれた視線をあたりに注いだ。
日はずいぶんと東に傾き、周囲は少しずつ暗くなり始めている。
遊びに出かけたはいいものの、気づけば彼は、道に迷ってしまっていた。
と、その目が一軒の喫茶店に止まる。
どこかで見たような建物だと思ったものの、ドアに書かれた店名をたしかめるよりも先に頭に浮かんだのは、店の人に道を尋ねようということの方だった。
ドアを開け、茜色の日の光の中、『アンノウン』と書かれた文字に気づいて、瑠樹は首をすくめる。
「ここ……もしかして『アンノウン』かねぇ!?」
小さく叫んで、以前来た時のことを、思い出した。
そう、あの時彼は、「ここは人間の姿の者が来る所じゃない」と厳しく言われたのだ。
「ごめんなぁ、すぐ帰るから……」
そう言いつつ店内に足を踏み入れ、彼は「あれぇ?」と頓狂な声を上げる。
店に入った途端、彼は淡い緑と白のブチのある、ふわふわの毛並みを持った猫の姿になっていたのだ。しかも、なぜか二足歩行である。
どうして変身してしまったのか、首をかしげながらも彼は、とにかく道を聞こうとカウンターに向かった。
そこには前に来た時には、奇妙なカニの姿だったマスターが、今日は人間の姿で立っていた。
「おや、君は前にも迷い込んで来た子だね。……心配しなくていい。今日は追い出さないよ」
言ってマスターは、月蝕による逆転現象について説明してくれた。
「にゃあん」(そっかぁ)
話を聞いて納得した瑠樹はうなずくと、考え込んだ。
(……月蝕って見たことないから、見てみたいねぇ)
胸に呟き、マスターに尋ねる。
「にゃあん、にゃん、にゃん」(逆転現象? が終わるまでは……オレもいてもいいかなぁ?)
「今日は、かまわないよ。他にも、君みたいに迷い込んで来て、別の姿になっている者が、今日は大勢いるからね」
うなずくマスターに礼を言って、瑠樹はカウンターのスツールに腰を下ろした。
以前来た時と同じく、四百円のミルクを注文する。
それからあたりを見回した彼は、同じカウンターに座す者の中に、見覚えのある顔を見つけた。
修だ。
(あれって、鷹の時のお兄さんだぁ)
立ち上がり、声をかけようとして、美咲紀と話しているのに気づいた瑠樹は、耳を澄ませた。
「――月は古来から、多彩な呼び方で親しまれているんだ。そのうちの一つである満月には、ブルームーンと呼ばれるものがある。これは、一季節に四回満月がある時の三回目のものを言うんだが……恋愛成就の力があると言われているんだ」
「シュー君も、そんなロマンチックな話に興味があるのですね」
美咲紀がそれへ、笑いながら突っ込みを入れる。
「俺がこういう話をするのは、そんなに変か?」
「変なのです」
幾分へこみつつ問う修に、美咲紀はきっぱりとうなずいた。が、すぐに笑って続ける。
「シュー君がいつもと違うのも、月の力のせいかもしれないです。月には不思議がつきもの。月光は存在の真性を照らし出すとか言いますし」
そして、何事か思いついたかのように、小さく咳払いすると、彼女は天使めいた白い翼を軽く広げ、思い切りドヤ顔になった。
「つまり、私の真性が聖なる存在だということですね」
途端、修も苦笑する。
「今度は、そう来たか」
「笑わなくてもいいじゃないですか。……月の光自体に照魔鏡的な力が秘められているとか、いろいろ伝承あるのですからね」
軽く口を尖らせて返すと、美咲紀は続けた。
「月は、太陽の光を反射する一種の巨大な鏡といっても過言ではないのです。月蝕で月の光が揺らぐ少しの間、私たちの本当の姿を照らしてくれているかもしれないです」
「たしかに、月の魔力ってのはあるかもな。引力の干渉が生物に作用したとしても、不思議はない」
少し考え込んだあと、修はうなずいて言う。
(わぁ……。難しい話してるんだねぇ……)
そのやりとりに、瑠樹は軽く目を見張って胸に呟いたものの、二人の会話が一段落したと知って、そちらへ声をかけた。
「にゃあ。にゃあ、にゃあ」(こんにちわ。鷹の時のお兄さんだよねぇ?)
だが、今の彼の姿は二足歩行の猫である。
修は怪訝な顔になり、美咲紀は「可愛い猫さんなのです!」と目を輝かせたのだった。
そのころ、奥の席では。
更なる異変が、すばるを襲っていた。
早鐘を打つ心臓と、異常に鋭くなった嗅覚。それらが、彼の中からもう一つ別の姿を引きずり出そうとしていた。
鋭くなった嗅覚に、強く訴えかけて来るのは、美野梨の匂いだった。
テーブルの上には、グラスとサンドイッチの皿が二人分。
軽く乾杯したあとは、さっきまで、たわいのないことを話しながら普通に飲み食いしていた。
きっかけは、「他に変化はないの?」と問われて取られた手。
美野梨にしてみれば、相変わらずの生物学的興味から来る探求心の発露にすぎなかった。
けれど、すばるにとっては。
鼻先に香る彼女の匂いに、震えあがる思いだった。
愛しさに、胸が痛いほどだ。
抱きしめたい思いが強くなる。同時に、喉の渇きもまた。
だがそれは、たぶん、普通の飲み物ではおさまらない。
すばるの全身の毛が伸びて、剛毛が体を包み込んだ。犬歯が伸びて獲物を噛み裂く、鋭い牙となる。耳もまた伸びて、先のとがった獣のものと化した。
「ハッ、ハッ、ハッ……」
荒い息をつく牙の間から、唾液が滴り落ちた。
「すばるくん……?!」
美野梨が鋭い声を上げて、立ち上がる。
(見ないで、こんな姿を。嫌わないで、醜い私を)
すばるは、胸の中でそんな彼女に懇願した。
だがすぐに、体の奥から湧き上がって来た激しく強い衝動に、そんな思いは吹き飛んだ。
あとに残ったのはただ――。
(無茶苦茶ニシタイ。アノイイ匂イノスル、ヤワラカイ肉ニ、ムシャブリツキタイ。全部私ノモノニシタイ。血ノ一滴マデモ……)
そんな本能的な思いだけだった。
彼はその衝動のままに、美野梨めがけて襲いかかった。
しかし。
美野梨はそれを軽くかわすと、後ろからすばるの体を捕える。
男性化しているといっても、けして筋肉隆々の体形ではない。にも関わらず、彼女の腕は万力のように強く、剛力を持つはずの人狼と化したすばるを捕えて離さない。
次の瞬間、くわっと開いた美野梨の口元に鋭い二本の牙が現れた。彼女はそれを、剛毛におおわれたすばるの首筋に突き立てる。
「奇遇だね。私もそんな気持ちになっていたところ」
ひとしきり血を吸って、顔を上げると彼女は満足そうな笑みと共に言った。
その口元から覗く牙は、鮮血に染まっていた。
「うそ……神野さん、吸血鬼だったの……」
奇妙な恍惚感と共に、すばるは美野梨を見上げて呟く。その視界がくにゃりと歪み、彼はそのまま意識を失った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
織人文
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月26日
参加申し込みの期限
2016年04月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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