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アンノウンで月蝕を
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【2】魔王と天使と悪魔
三夜 暗
は、店の入り口に立ったまま、眉間にしわを寄せて店内を見回していた。
もちろん彼も、ドアをくぐった途端に変身してしまったわけだが――それは一言で表現すると、『全体的にダサイ、魔王っぽい姿』だった。
風もないのに四方にたなびく髪は赤く、額の真ん中には太い角が一本伸びていて、耳は黒い翼と化している。背中には骨だけの二対の翼が生え、体には黒いマントをまとっていた。
もっとも、当人は自分の変化にまったく気づいていない。
ただ、つと片手を芝居がかった仕草で額に持って行くと、深刻な顔で溜息をついた。
「なにやら騒がしいと思ったら、人と人ならざる者の境界が破られてしまったというのか……」
呟いて、数歩足を進めると、今度は顎へと手をやって感心したような声を漏らす。
「しかし、こんな場所に、俺の他にも人ならざる者がいたとはな。……俺の真の姿は本来、他人に見せるものではないが……ここでならば、それもまた一興だな」
喉の奥で小さく笑い、彼はおもむろに意味ありげなポーズを取った。
それは、アニメや特撮ヒーロー番組で、人間に化けた悪役が正体を現す時の、変身ポーズのようでもあった。
が、そこでふと彼は、目の前に持って来た自分の手に、赤く長い爪が生えていることに気づく。
「む?」
慌てて全身を見回して、ようやく自分の姿が変わっていることを理解した。
一瞬驚きに包まれたものの、彼はすぐに気を取り直すと、胸を張る。
「見よ。……これが本邦初公開……神の中の神にして、悪魔の中の悪魔たる俺の正体だ!!」
叫んで見栄を切る彼に、店内の者たちの視線が集中した。
それを受け、彼は改めて胸を張ろうとして、壁に映る自分の姿にわずかに顔をしかめる。
「……おかしいな、なんだか思ったよりもダサイぞ?」
呟いて、小さくかぶりをふった。
「やはり俺の力の封印が中途半端なのが、影響したか……。完全な封印もできず、かといって力を解放することもできないとは、歯がゆいばかりだな」
ちなみに暗は、寝子島で起る神魂関連の事件を、封印していた自分の力が漏れ出したせいだと信じているのである。後半の呟きは、そのためだ。
それはともかく。
「……にしても、こんなダサイ姿でいられるか! きっと、正しい姿を強く思い浮かべて念じれば、もっとかっこよくなれるはず!」
拳を握りしめて呟くと、彼は目を閉じて何事かを念じ始めた。
やがて、カッと目を見開くと、奇声を放つ。
だがむろん、その姿が変わるはずもない。
「おかしいな……カーッ!」
呟いてはその動作を繰り返すが、もちろん変化は訪れなかった。
その彼に歩み寄ったのは、
御巫 時子
だった。
ろっこんの進化能力で、スズメ目の鳥に変身できる彼女だが、今日は月蝕の逆転現象のせいで、普段と同じ人間の姿だ。
「姿が変わってしまって、驚いたと思いますが……それは、月蝕のせいなのです……」
おっとりと声をかけると、彼女はこの店が普段は人間以外の姿を持つ者だけが入れる場所なこと、今日は月蝕の影響で普通の人間は人外の姿となり、そうでない者は人間の姿に戻ってしまうのだと告げた。そして続ける。
「もしよかったら、せっかく来たのですし、くつろいで行きませんか……?」
「なるほど。俺の姿がなんだかダサくなってしまったのも、おそらくは月蝕のせいだな。……もっとも、その月蝕もまた、俺の力の流出が招いたことかもしれないがな」
顎に手を当て、もっともらしくうなずくと、暗は胸を張った。
「よかろう。お前の言葉に、甘えてやることとしよう」
「……でしたら、私たちとご一緒しませんか……?」
言って時子は、つと身を屈めた。そして、二人の足元にいるリス――碧南に視線を合わせて声をかける。
「リスさんも、よかったら来ませんか……?」
「ピルルル?」(一緒に行っていいの?)
碧南の口から、鳴き声が漏れた。
時子の話を聞いていた彼女は、ようやくパニックから抜け出していた。
「はい、人数は多い方が、楽しいですから……」
時子がうなずいて、微笑みかける。
店内では、神魂の影響で、人語が話せない者の言っていることも、なんとなく理解できるのだった。
時子が、そっと手をさしのべると、碧南は彼女のてのひらの上に乗る。
リスの碧南を両手で包み込むようにして立ち上がると、時子は暗を促して美弥子のいる自分たちの席へと歩き出した。
暗も、もったいぶった歩き方で、そのあとに従うのだった。
暗と碧南が席に落ち着いたところに、また新たな客が『アンノウン』のドアを開けた。
椿 美咲紀
と
八神 修
の二人である。
「こんな所に、見かけない喫茶店があるのです。シュー君、入ってみましょうなのです」
シーサイドタウンで偶然会った二人は、一緒に歩いていて美咲紀が見つけてそう声をかけた店――『アンノウン』に入ったわけなのだが。
「すごいのです! 天井に、大きなお月様があるのです!」
天井に広がる空と満月に、美咲紀が目を見張って声を上げる。
「……それもだが、美咲紀もすごいことになっているぞ」
「え……?」
修に言われて、美咲紀は初めて自分の変化に気づいたようだ。
頭と手首、足首にはそれぞれ、小さな白い翼が一対ずつ、そして背中には大きな白い翼が一対、生えていたのだ。
「え? あ……いつの間に……。でも、特に違和感はないのです」
驚いて手足を眺めたり、頭に触れてみたり、背中の翼を動かしてみたりしながら、彼女は呟く。
今日の彼女のファッションは、白ベースのミリタリーロリータだったので、それらの翼は外見的にも違和感がなく、むしろ似合いすぎているほどだ。
「天使……というよりは、ハーピィかな。服装がミリタリーロリータなせいか、猛禽類的な雰囲気がある」
修の言葉に、美咲紀は笑う。
「シュー君こそ、パッと見、悪魔系ですが、その実、世界秩序の維持形成に神様も真っ青な、ナニカをしれっと仕掛けて来そうなのです」
たしかに、修の方は悪魔ぽい。
頭上には二本の黒くねじれた山羊の角、背中には黒いコウモリの翼が生えている。
「そうかな。……まあ、悪魔はもともと、堕ちた天使とも神とも言われるからね」
自分の姿を見やって、修は苦笑した。そして、店内を見回す。
「奇妙な店だ。……俺たちの他にも、おかしな姿の者が、大勢いる」
呟いて、カウンターの方へと歩き出した。美咲紀も笑って、そのあとを追う。
「ここは、どういう店なんだ? なんで、俺たちはこんな姿に変わった?」
カウンターで、修はマスターに声をかけ、質問した。
「いらっしゃいませ。実は――」
マスターから事情を聞いて、修は美咲紀を尋ねるようにふり返る。
「ぜひここで、お茶しましょうなのです。月蝕は、ミステリアスなイベントなのです」
「そうだな」
修もうなずき、二人はカウンターのスツールに腰を下ろした。
「俺はコーヒーと……マスターお勧めのフードメニューを何かもらおうか」
「今月のお勧めメニューは、熱々のカニグラタンです。そちらでよろしいですか?」
修の注文に、マスターが返す。
修がうなずいたのに続いて、美咲紀も少し考えて言った。
「私はコーヒーと、何か甘いものが食べたいのです」
「それでしたら、苺のタルトがお勧めです」
「では、それをお願いなのです」
マスターの言葉に、美咲紀が言う。
そして二人は、改めて天井の巨大な月へと視線を巡らせるのだった。
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担当ゲームマスター
織人文
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
15人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月26日
参加申し込みの期限
2016年04月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年04月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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