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追いかけっこ
猫鳴館。
ここには金銭的に余裕のない学生、あるいは変わり者が多く住んでいる。
建物自体にも金銭的余裕がないので、設備は共用のものが多い。
台所の要、冷蔵庫も例に漏れず、共用だった。
「あたしとしたことが、ぬかったね」
桜崎 巴
は、その共用冷蔵庫の前で頭をぽりぽりとかいていた。
たしかにこの場所に置いておいたはずのプリン。
それが、神隠しにあったみたいになくなっている。
「名前を書いておかなきゃ所有権は主張できない……こんな基本的なミスをやらかすとはね」
ふう、と息を吐いて振り向く巴。
その視界に映ったのは、空のプリン容器を持った
骨削 瓢
の姿だった。
それは、自分が大事に大事に保管していたあのプリンの容器と、これ以上ないくらい一致していた。
「……よし、処刑」
幸い、相手はまだこちらの視線に気付いていない。
バットを片手に(なんでバットを持ってるかとかよいこのみんなは聞いちゃいけない)、そろりと近寄る。
あと10歩ほど。
そこで、瓢がぎょろりとこちらを向いた。
「な、なんだい桜崎はん、ずいぶん物騒な……」
「チィッ、ちょいと殺気を放ちすぎたかねぇ?」
「殺気!? 殺す気かい、こんな善良な一般市民を?」
「善良な一般市民は、他人のプリンを盗み食いなんてしないもんさ」
そのセリフに、瓢は目の前の巴と自分の手元にある空のプリンを見比べる。
「ああ、これ桜崎はんの……」
一歩、巴が距離を詰めた。
「待て! 話せば分かる。あっしは嵌められて……」
「問答無用さ!」
ぶうん、と小気味よく振られたバット!
すんでのところでそれを避けた瓢は、巴に背を向けてすたこらさっさと逃げていく。
「これは猫鳴館の陰謀ってやつで、真犯人は他にいるに違いないよい!」
逃げながら弁明する瓢だったが、巴はまるで耳を貸さない。
ヤツの口八丁に耳を貸したら、ことが進まないのは充分知っていた。対抗するには、そう。
物理しかないのだ!
「こうなった、仕方ないよい」
瓢は、ある目的をもって廊下に飛び出た。
それを鬼の形相で追いかける巴。
しかし彼女は、冷静さを失ってはいなかった。
巴は目の前の床が急に抜け、下からボロボロのセンターマイクが飛び出してくるのを確認するとひらりと身をひねって回避した。
「ちっ、うまくよけるもんだねぇ」
「あたしも猫鳴館生、防犯モードも予測済みさ。覚悟しな!」
防犯モードってなんだ、とかもつっこんではいけない! とりあえずスリル満点の場所のようだ!
「そもそも、欠食童子集う館にそんなもの保管する方が間違いだよぃ」
「ほう、それはいよいよあんたが食ったのを認めたってことでいいんだね?」
ぶんっ、ともう一度空を切るバット。仕掛けたトラップもことごとく避けられ、瓢は徐々に追い詰められていた。
「こうなりゃ奥の手だよぃ!」
瓢はある部屋に駆け込むと、畳を返しなんとそこに潜り込んだ!
噂に聞く、猫鳴館の地下帝国への入り口だったのかなんなのか、そこには穴が掘られていたのだ!
ワンテンポ遅れて部屋に来た巴は、姿を消した瓢と部屋にある穴を見て舌打ちをした。
「チッ、地下に潜ったのかい。面倒だね」
おそらく地下は地上と同じか、それ以上に罠が仕掛けられている可能性がある。
けれど、プリンの恨みは晴らさねば。
「ここで怯んでちゃ、女が廃るってモンさ」
言うが早いか、巴はバッと穴に飛び込んだ。
少し穴を進むと、道がふたつに分かれている。微かなプリンの匂いを頼りに、巴は進む。この瞬間、あまりの執念で犬か! とつっこみたくなるくらいの嗅覚を発揮していた!
「全然迷わないのは計算外だよぃ」
それに慌てた瓢は、一旦仕切り直しと地上へと抜け出る。
「もうちょっとかく乱せにゃ」
今度は屋根へとのぼる瓢。しかしこれもすぐに巴に発見され、追い回される。
「こ、これは参ったねぇ。いつまでもあんなドゥルガーの化身みたいなヤツとおっかけっこなんて御免だよ……なんとか五体満足で済む和睦の道を見つけにゃね」
方向転換をする時かもしれない、と思った。自分が助かるにはどうすればいいか。
頭をフル回転させた瓢の脳裏に浮かんだのは、冷蔵庫を空けてプリンを食べたワンシーン。
「そうだ、あの時」
瓢は、あることを思い出すと目的地を台所へと定め、ダッシュした。
「おっと、まさかスタート地点に戻ってくるとはね」
目の前には、冷蔵庫。と息を切らした瓢。
「処刑場所にここを選ぶとは、なかなか洒落てるじゃないか」
「まあまあ桜崎はん、ちょいとこれを見てほしいんだよぃ」
そう言って、瓢は冷蔵庫を空けた。
そして中から取りだしたのは、ふたつのプリンだった。
巴は目を凝らす。そのプリンには、先刻巴が失ったプリン同様、名前が書かれていなかった。
それはつまりこの館において、所有権を持っていないことを表す。
「おや、あたしと同じヘマをしてるやつがいるじゃないかい。しかも同じプリンをふたつたぁ、こりゃあお大尽」
「こいつを、桜崎はんに献上しようと思ってね」
瓢は、思い出していた。自分がプリンを盗み食いしたその時、近くにもうふたつほど、名無しのプリンがあったのを。
欲張って3つ食べたりしなくてよかった、と瓢は思った。
巴はプリンを見て、次に瓢に視線を送った。
献上もなにも、あんたのプリンじゃないだろ! とかそんな野暮なつっこみはふたりの間にいらなかった。
アイコンタクトひとつで、ふたりは通じ合ったのだ。
数秒後、そこには美味しそうにプリンを食べる巴がいた。
「ところで桜崎はん、ふたつとも食うのかい?」
「いや、ひとつもらえばそれでご破算だよ。もうひとつは迷惑料ってことで半分ずつ分け合やいい」
「違いない」
満足げな顔で、瓢もプリンを頬張る。
「いやあ、運動後のプリンってのは格別だねぇ! そうは思わないかい、瓢?」
「違いない」
さっきと同じ言葉を返す。
するとそこに、ひとりの男子生徒がやってきた。
男子生徒はふたりが食べているプリンを指さし、わなわなと震えている。
「おや、これはどうやら……」
「そういうことみたいだよぃ」
顔を見合わせたふたりは、一目散に逃げ出した。
その後さらに追いかけっこに興じた彼らのせいで猫鳴館の損傷がまたひとつ増えたとか増えないとか。
ちいさなけんかってレベル超えてない? なんてつっこみも、やっぱり野暮。
そんなことを聞かれたらふたりはこう答えるに違いない。
「なぁに、この程度は猫鳴館じゃ些細なもんさ」
「多少半壊する程度が猫鳴館クオリティさぁ」
だからこれも、きっとちいさなけんかのひとつ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
山中にいな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年03月04日
参加申し込みの期限
2016年03月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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