生真面目で有名な寝子島高校の風紀委員長、
北風 貴子。
その幼なじみである
南波 太陽は、今日も今日とて貴子にちょっかいを出していた。
「貴子お姉ぇ、年末だしどっか遊び行かないッスか?」
「年末と遊びに行くことの関連性がないじゃない」
「いやほら、お姉ぇいっつも忙しそうだし年末くらい羽伸ばした方いいんじゃね? って」
「年末は、次の年を気持ち良く迎えるための準備で忙しいのよ。師走というでしょ」
だいたい、と貴子はぎろりと太陽を睨みつけて言う。
「仮に羽を伸ばすとして、太陽と一緒に過ごす意味がないじゃない」
相変わらず、太陽への態度はそっけない。いつもの景色だ。
だが、この日はどこか違っていた。どことは明確に言えない、微妙なズレ。
「意味ならあるッスよ! オレが貴子お姉ぇと過ごしたいっていう……」
「残念だけど私には意味ないから。じゃあ」
「あっ、ちょっ!」
「もういいでしょ、放っておいて」
太陽に背中を向け、そのまま貴子は去っていってしまった。
——少し、言い過ぎてしまった。
貴子は心の中で呟いた。いつもなら軽くあしらって終わりの場面。
けれどたまたま今日は、小さな不運が重なって機嫌が若干よろしくなかった。
そんな時に太陽の無邪気さ、明るさに触れたものだからつい反発してしまったのだ。
自分でも良くなかったとは思っている。貴子は気を落とし溜息を吐いた。
「あとで謝るべきよね……」
年末の慌ただしさがそうさせたのか、
よく見れば寝子島のあちらこちらで彼女のように心の余裕をなくし気味な人たちが。
あなたの目の前にも、ほら。
こんにちは、山中にいなです。
久しぶりにシナリオを出させていただくことになりました。よろしくお願いします!
今回は、年末の寝子島が舞台です。
「ちいさなケンカ」をテーマにアクションをかけていただければと思います。
*シナリオ内のルール*
このシナリオに参加した方は、誰かと「ちいさなケンカ」をしている状態になっていただきます。
命に関わったり、過激な描写が入るような大喧嘩ではなくあくまで「ちいさなケンカ」です。
アクションでは「誰と」「どんな内容でケンカをしているか」をお書きください。
ガイドに登場したNPC以外のNPCは登場させられません。
PC同士でグループアクションを組んでのケンカでも良いですし、
動物やよく行くお店の店員、役場の人などでも大丈夫です、
ただしシナリオ不参加のPCさんは名前が出せませんのでご注意ください!
それでは皆さんの小さなケンカ、お待ちしています!