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自宅警備令!
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家から出るなと言うのなら、大人しく自宅兼作業場で仕事をしていよう。
久須部 紀伸
は、仕事のイラストのラフ作業に取り掛かっていた。
するとそこに、携帯への着信が一件。表示されているのは、デザイン依頼の仕事先の名前だ。
「はい、もしもし……え?」
電話をとって早々、紀伸はいぶかしげに眉根を寄せた。
「今日は打ち合わせですって……?」
先方によれば、既に打ち合わせの始まる時間は過ぎているという。
胃が微かにしめあげられる感覚に襲われながら、まさかと壁にかかったカレンダーに目を向ける。すると確かに、今日の日付には印と一緒に「打ち合わせ」の文字が記されていた。
そんな馬鹿な、と小さなうめきがもれた。今日ではなかったはずだ。
流石に、いやな汗が一筋頬を伝い落ちる。
急かすような電話口からの声もあって、一瞬ほんとうに打ち合わせは今日だったのではないかという気にすらなってくる。
が、紀伸はそこでテオの言葉を思い出す。
神魂による外出への誘惑が起きるとかなんとか、そんなことを言っていたはず。だとすれば、これは神魂の仕業に違いない。となれば、
「体調が悪いので欠席させて貰います。デザインは後日お話を伺い、どうにかします」
適当に咳をまじえつつ、電話越しにそう告げることにした。
しかし、相手もそれで引き下がってくれるほど甘くはない。
『そんな、ちゃんとKISHIN先生とお話をしてデザインを詰めたいんですが』
「頭が痛いので失礼します」
ぷつりと切って、留守電に繋いだ。
……これで神魂の仕業でなかったら、信用がガタ落ちだ。
それを思うと胃がきりきりと痛くなってくるし、方便だったはずの頭痛もほんとうにしてくるようだった。
それからしばらくは、神魂による誘惑らしい誘惑もないまま時間が過ぎていった。
仕事の作業も一段落して伸びをすると、座りっぱなしで固まっていた背骨がぱきぱきと音を立てる。
ついでに飲み物を取ってこようと立ち上がった、その時。
こんこん、と。
玄関のドアがノックされる音が、小さく静かに、けれども確かにはっきりと響いた。
「どちらさまです――」
か、と。続く言葉は、声にする前に思考ごと虚空に消えた。
「紀伸くん」
心臓が、跳ねた。
それは懐かしい声だった。もう二度と聞くことのないはずだった、恋人の声。
玄関を覗きこむような格好のまま、紀伸はぴたりと静止してしまう。全てが麻痺して真っ白になった頭の中に、その声は柔らかく染みこんでくるようだった。
それは――そう、乾ききった地面に、水が注がれていくように。
「やっと退院できたの、また一緒に暮らせるよ」
甘い声が、ドアの向こうから誘う。
蜜のように毒のように、それは思考を蕩かしていく。
有り得ないと理性ではわかっていても、心が、感情がそうさせてくれない。
彼女を抱きしめたい、二度と離したくない。
じくじくと痛む傷のように、あるいは荒れ狂う嵐のように、想いが胸の中で叫び続ける。
鼓動が速さを増していく。溢れそうな想いの丈が、心臓を破裂しそうなくらいに高鳴らせる。
気付いた時には、紀伸の足は玄関のドアに向かっていた。
神魂のトラブルも、テオの忠告も、仕事も、全てがどうでもいい。
今すぐにこのドアを開けて、その向こうに居る彼女の顔を見たい。扉越しではない声を聞きたい。
この手で抱きしめて永遠に離したく、
「あなたの絵が見たいの、ここを開けて?」
ドアノブに触れる、その寸前。
紀伸の手は、ぴたりと止まった。
絵が見たい、と。今、彼女はそう言った。
想いに囚われていた思考の中に、懐かしい記憶がよみがえる。
紀伸が新作を描くたびに、それを他の誰よりも喜んでくれた彼女の姿が。
そうだ。彼女は、紀伸の一番のファンだった。紀伸を、そして何より紀伸の絵を愛してくれた。
なら。
紀伸と会うことよりも、紀伸がだきしめることよりも、紀伸が絵を描くことを彼女は望むはずだ。
だから、と。紀伸はドアに背を向けた。
甘い声で囁かれても、悲しい声で呼ばれても、あるいは愛を疑われても――
仕事をしよう。
それが、自分にできる出来る彼女への供養でもあるのだから。
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担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月29日
参加申し込みの期限
2016年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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