勇者オーディションIN寝子島！｜リアクション

勇者オーディションIN寝子島！

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　おお勇者よ、死んでしまうとは、情け、ない！
「って、勇者にロクな装備も与えなかった人が言っちゃいけませんよねー」
　星ヶ丘教会から出てきた梢は、手にしたオーブをしまった。

　Ｃ－1あの場所で復活呪文を唱えてもらおう

　ＲＰＧをやっていれば一度くらいはお世話になる場所、教会。
　復活呪文とくれば、定番――むしろ梢ならば、妙に金にがめつい彼ら（ゲーム内の話）にお世話にならずゲームクリアもしていそうだ。
「『てんぼうだい』はそのまま九夜山の展望台、『忍者の頭領に聞け』は寝子島時代村の忍者長かなー」
　全てのカードヒントは星ヶ丘、九夜山、旧市街エリアで統一されている。それに気づけば、あとは分かりやすい所からしぼっていけばいい。
「でもＡの２って千年杉ですよね。行くの大変そう……あ、今のオフレコで！」
　一応、勇者たちの活動を記録するスタッフがいる。口をつぐむと、梢はもう一度すべてのヒントを思い返した。
　先は見えた。問題は四つ目のオーブだ。
「なーんか引っかかるんですよねー」
　たとえば『Ａ－1沢山の馬の中に伝説のうま』なら、最初は馬と書いてあるのに二番目は「うま」とひらがなだ。
　他にも、うま、かお、てんぼうだい、が不自然なひらがなとなっている。
「あ、もしかして語尾をひらがなで統一しているとか？」
　梢はすべてのヒントを書きだした。その語尾を見ていく。

Ａ－1沢山の馬の中に伝説のうま
Ａ－2千年老のすぐ下に
Ａ－3動物を統べる長の背中に
Ｂ－1終点の長のかお
Ｂ－2暖かな湯で回復だあ
Ｂ－3魔術師がいるのは、最も本がある場所でい
Ｃ－1あの場所で復活呪文を唱えてもらおう
Ｃ－2てんぼうだい
Ｃ－3忍者の頭領に聞け

「まにに、おあい、ういけ」
　間に合うくさい池？
　無理やり読んで、間に合うとか、においとか、いけなどの単語を出すが、どうにも意味をなさない。
　忍者村をまわり、展望台に向かう間も、梢は考え続けた。
　ふと数字に目がいき、気付く。
「あ、そっか。数字が対応……」
　ＡＢＣと数字の順番から、Ａ－１、Ｂ－１、Ｃ－１、Ａ－２……と並べかえてから語尾を見ていくと。
　まおうにあいにいけ！

「御者さーん、次はこの場所にお願いします！」
　梢はそう言って、地図の一点を指さした。

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