勇者オーディションIN寝子島！｜リアクション

勇者オーディションIN寝子島！

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　夕刻、スタジアムでのイベントの第二幕が始まった。
　――クックックック――
　そんな文字が暗闇の中で輝くと、巨大スクリーンに魔王サンマさんの姿が映し出される。重低音がＢＧＭとなって流れ始めた。
　――さあ、日没だ。勇者どもを血祭りにあげ、この島を永遠に暗黒に閉ざしてやろう――
「いいこと教えてあげる。魔王は勇者に倒されて、初めてその存在価値を認められるってことを！」
　翠響の自信ありげな口上が返された。再びソードダンサーとして登場した彼女に続き、雅人とフィーナがオーブをもって現れる。
「素敵な魔王め、ころ……がしちゃうから覚悟しろぉ！」
　ぬいぐるみ勇者・瑠樹はやはり、サンマがかわいくて和んでしまって仕方ないのか。しかし今の彼は勇者、そしてサンマは魔王。あとで遊ぶ決意を言葉に乗せて、対決に挑む。
　やがて、三つのオーブが揃った。
　――馬鹿な、伝説のオーブが三つまでも！？　ぐおおおおおお――
　苦しげに悶える魔王の姿が、スクリーンの中で歪んでいく。
　――しかし、三つでは我は完全に封じられはしない。再び復活した時が貴様らの最期――
「残念でした！」
「魔王だか魔魚（まうお）だか知らねえが、ポニテパワーを充電した俺に怖いものはない！　俺たちにかかりゃ一発さ！」
　タルト、まもるが四つ目のオーブをもって現れると、会場全体にまばゆい光が満ちていく。
　――すべてのオーブがっ。そんな、おおおおおおおおお――
「さあ、魔王！」
　魔道士・梢が言った。
「今夜は焼き魚定食か刺し身定食、どちらか選ぶがいいです！」
　――オイスターソース煮ィィィィイイイイイイイイ――
　光が爆発し、断末魔とともに魔王サンマの姿が消えていく。
　こうして勇者たちの活躍によって魔王は封じられ、寝子島は救われたのだった。

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「やった、サンマさんありがとう～」
　イベントが終わった楽屋裏。瑠樹が現れたサンマ魔王にタックル気味に抱きしめる。その手には、本日販売されていた魔王サンマのぬいぐるみがあった。
「おお～、これが賞品♪」
　四つ目のオーブを入手した梢、タルト、まもるには、イベントの優勝者としてそれぞれ商品券五万円分が進呈となった。
「ポニテな勇者に乾杯」
　タルトとハイタッチするまもる。
「久々に、往年のゲームでも探してみましょうかねー」
　教会縛りプレイとか、と梢は呟いた。その方が燃える。
「タワシあげるわ。ライバルの証として」
「しょぼいな！？」
　同じころ、翠響は不用品の処分を紫メイクの男に押し付けていた。

「今日は楽しかった？」
　そう聞いた雅人にフィーナが微笑んだ。
「楽しめたぜ。チドリ様様ってところだな。その格好も、けっこう似合ってたぜ」
　ククッ、っと冗談ぽく笑うフィーナ。「ふふー、そうでしょ？　カッコ良かったでしょっ」と得意げな雅人に、もう一言、そえる。
「……いつもありがとうな、優しい勇者様」

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あとがき

担当マスター：叶エイジャ
ファンレターはマスターページから！

叶エイジャです。
このたび、「勇者オーディション」にご参加いただき、ありがとうございました。
イベントや謎解きなどを通して、楽しんでいただけたら幸いです。

当初、ヒントカードのＡＢＣ、各パートで書こうという予定だったのですが、
途中でそれは難しいと感じ、リアクションの通り個別表記に近い形でお送りすることになりました。
そのため、３つの地点すべてを描写できず、そのうち一地点でのイベントをピックアップという形になっております。

全体のバランスでカットや短縮した場面もありましたが、皆様のアクションを少しでも反映できていたら、幸いです。
あらためまして、このたびは参加していただき、ありがとうございました！

……そういえば、4つ目のオーブの問題は、難易度的にどうだったのでしょうか？
分かる・分からないで良いバランスになればなと思ったのですが、
いかんせん、作ってる時は解く側の視点を忘れそうになるので……
ちょうど良かった、リアクション見てスッキリしたとかであったなら、幸いです。

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