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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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サッカーで説明するとわかりやすい。『ホーム』と『アウェー』という話だ。
ホームでは敵なしのチームでも、アウェーとなれば格下の相手にあっさり負けてしまうことがある。サッカーの試合ではよく、こういう状況を指して『アウェーの洗礼を受けた』などと言ったりする。
さて現在
工藤 耀
が置かれているのはまさしく、そのアウェーの洗礼を受けている状態だった。観客の有無ではなく単に、生き慣れた場所がホームで、不慣れな場所がアウェーという程度の意味なのだが。
――普段、こういう店に行かないから何を選べばいいのやら……。
一方で彼の同行者
七音 侑
はといえばここがホームという状態で、実にくつろいで商品選びをしており、
「あ、このぬいぐるみ可愛い! これなんてどうかな? うーん…これは良いけどちょっと値段がキツいにー」
と財布事情と心の状態とのせめぎあいを、なんとも楽しそうに演じているのだった。
さてこの店とは、星ヶ丘の雑貨店である。それも、オシャレ系の。店主が北欧まで出かけていってチョイスしたような小物や文具、簡単な家具もあれば、季節ものの服も多少あり、バスソルトやお香、ヨガマットなどのロハス系のグッズも見つかる。書籍やCDも用意されているがなかなか厳選した品揃えで、ここにも店主の趣味が感じられるところだろう。なお店内音楽には、ずっと甘いボサノバがかかっている。
クリスマス・イブということで賑わう店内で、侑は水を得た魚のごとく店内を動き回り、耀は身を小さくしていつのまにか店の隅に移動し、「ううむ」と心のなかで唸っているのが現在のステータスだ。
といっても、「星ヶ丘の雑貨屋に行きたい」と言いだしたのは耀のほうで、侑は「ピロリん☆ ウチもルームメイトへのプレゼントに悩んでたからちょうど良かったに!」と二つ返事で同行したというのが話のきっかけだったりする。
「可愛いもの、っていうのが難しいんだよなあ……」
耀が手にしているのは、ぎょろ目をむいて牙を生やした国籍不明の魔神の像であった。ちょっと店の主流からは外れているが、これも『怖カワイイ』と無理矢理に言えないこともない。しかもそのプレゼントを贈る相手というのが、誰あろう彼の弟なのである。家族の、それも弟が好きなものとなれば容易にわかりそうなものだが、逆に関係が近すぎて意外と見えないものなのだ。
まあこうなれば、自分の頭で考えていても仕方がないだろう。耀は侑を捕まえて声をかける。
「女子の意見、聞かせてくんない……?」
侑は事情を知っているので、よくぞ聞いてくれました、と腕組みして断言した。
「それなら、ぬいで決まりだに♪」
「ぬえ?」
「それだったら妖怪になっちゃうに~。『ぬい』、つまりぬいぐるみだにー」
「ああなるほど。けど、ぬいぐるみのプレゼント、ってのは前にもうやったんだよな」
「とすると服がいいだに。この店は奥に森ガール向けのいいのがあって……あ、男の子だったっけ? それでもジャケットとか……」
服と聞いて耀は片手拝みした。
「悪い。あいつが好きそうな服は……さっき見つけたが、すげー高かった。予算的に他のならなんとか……だが」
「なるほど、でも、それならそれで張り切って探すよ!」
侑はこういうところに詳しいようで、耀をリードしてすいすいと店内を泳ぎ、そうしてついに、条件にぴったりのものを見つけ出したのである。それは……ハート型のポシェット!
「おう、これは値段よし、使い勝手よし、デザインもよしだ。結構良いものが選べたな」
耀の喜びたるや、トロイアを見つけ出したシュリーマンもかくやというほどのものであった。
「お互いプレゼントが買えてよかったに♪」
と満面の笑みで侑は、先に購入を済ませた自分の紙袋を掲げるのだった。
店を出たところで一気に気温が下がった。混雑した店内から雪空の屋外に出たので当然といえば当然なのだが、侑はぶるっと震えて腕をさする。
「ちょっと休憩してあったかいものでも飲みたいに」
「おう、喉も渇いたし、ちょうどいいよな」
さてファーストフードでも……と男子高校生らしい行動をする耀に、侑は腰に手を当て女子高生らしく言う。
「せっかく星ヶ丘に来たんだし、ちょっとおしゃれな喫茶店に入ってみたい!」
「喫茶店……純喫茶ってやつか?」
「そんなお年寄りが行きそうなとこじゃなくてカフェーだよ、カフェー♪」
ほら、あそこなんか雰囲気よさそう、と侑は、コリドールと歩道に展開したオープンカフェを指さしたのである。パリにでもありそうな小洒落たたたずまい、木目調の看板にフランス語の店名が記されている。
むっ、と耀は一瞬怯んだ。なぜって、彼は歩道沿いの席だけを観ていたから。
「寒いのに外でコーヒーするというのか。奥深いな……カフェー……」
「ちゃんと店内席もあるよ♪ さ、工藤君、行こ行こ」
侑は彼の腕を引くようにして喫茶店のドアをくぐった。
さすがに外席を選ぶ者はないようだが、店内はそこそこ混雑している。けれど運良く窓際の席に案内され、侑はウェイトレスに手を挙げた。
「メニューお願いしまーす」
どうもこの場所も、彼女にとっては『ホーム』のようだ。一方で耀はふたたび『アウェー』だが、今度は背筋を伸ばして、せめて場所に飲まれないよう頑張ってみる。彼女は楽しんでいるのだ、なら、自分も楽しもう。
受け取ったメニューを開くや侑は「おっ♪」と嬉しそうな声を出した。
「発見、限定メニュー!」
「『スマイル:0円』とかか?」
「工藤君、それこそファーストフードだってばー。ほら、クリスマスの特別メニュー。ブッシュ・ド・ノエルだって」
「ブ……何?」
「ブッシュ・ド・ノエル。ブッシュは薪ってこと、ノエルはクリスマスね。つまり薪の形をしたクリスマスケーキなんだに♪」
「へえ、詳しいな。ここにはクリスマスプディングってやつがあるな。ケーキなのに『プディング』なのな」
「うん、いわゆるプリンとは違って、パン粉と小麦粉で作るケーキだよ。食べる前に、熱くしたブランデーをかけてフランベするからきれいなんだよー」
「侑、結構知ってんだな」
「驚いた?」
「少し」
ま、お菓子好きだからねーと、侑は白い歯を見せるのである。その笑みを見ていると、耀はなんだか落ち着いてきた。
アウェーならアウェーでいいではないか、その分、侑の知らない一面を知ることができるのだから。
注文した後、しばらく耀は黙って窓の外に舞い散る雪を眺めていたが、やがて思いだしたように言った。
「……ああ、そうだ。侑に渡したいものがあるんだ」
がさがさと紙袋を開け、包まれたプレゼントを取り出す。
「さっきの店で買ったスイーツモチーフのバッグチャーム。その……クリスマスプレゼントというか、手伝ってくれた礼というか……っ、俺なりに、可愛いものを選んだつもりだっ」
両手でプレゼントを捧げ持ちながら、照れくさいのか耀は目だけ窓の外に向けていた。ところが侑は目を丸くしている。
「あれ? 工藤君も用意してたの?」
彼女も自分の紙袋を取り出していたところだったのだ。
そう、侑の手にも耀へのプレゼントがあったのである。
「リンゴの刺繍がついたスポーツタオル……えっと、かわいさ控えめのかっこいい感じを選んだよ。割と使い勝手がいいと思うに♪」
「お前も!? はは、プレゼント交換だな」
「えへへ、なんだかんだでウチらって気が合うね♪」
笑い合う。本当に気が合うものだ。まるで、兄妹(姉弟?)のようではないか。
ちょうどいいタイミングでケーキが運ばれてきた。侑の前にはブッシュ・ド・ノエル、耀の前には、ミニパンケーキがツリーみたいに積み重なったものが置かれる。ツリーケーキというらしい。
「ふーん、これ、周りに飾ってるのはクッキーといちごと……りんご? 少しアップルパイっぽいな」
可愛らしいその形状は、食べるのが少し勿体なく思えるほどだ。
「じゃ、いっただきっまーす♪」
半分ほど食べたところで、侑はイタズラ猫みたいな顔をして耀に笑いかけた。
「んー、やっぱ美味しいにー♪」
「おう、こっちもなかなかいけるぞ」
「そっちのケーキも美味しそうー。ね、交換っこしようよ!」
「食べあいっこ? や、前にもやったけどあれはノリで……!」
耀は抗弁するもすでに遅く、侑は自分のケーキを一切れ、フォークで刺して耀の前に付きだしていた。
「はい、あーん♪」
これで断れるはずがない。
「……ああ、もう」
仕方なく、という体で、けれども必要以上に自分と彼女の距離を意識しながら耀は応じた。短いが、とても長く感じる一瞬だった。
これではまるで……恋人同士、ではないか……。
耀は頬が熱くなるのを覚えていた。赤面していなければいいのだが。
そんな彼の様子を見て、侑はアハハと笑うのである。
「……あ、もしかして照れちゃったに? 工藤君かわいいー」
と大きく開けた彼女の口に、えいやと耀は自分のケーキを一切れ押し込む。
「う、うぇ?! ウチも?」
という言葉の後半は、もごもごという音になっていた。彼女がすべて食べてから、
「美味かったか?」
してやったり、の表情を耀は見せる。
「……うん、美味しいよ」
と言って侑は下を向いてしまう。してやられたと思ったのか、それとも他に思うところがあるのか。
「……もーお返しなんてずるいにー……」
「攻撃こそ最大の防御、さ」
何かが違うという気はするけれど、今はこれが精一杯――耀は思うのだった。
俺たちに甘い空気はいらない。
いらないのだ――だからといって、そこに恋心がないとは言い切れない。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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