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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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葉月家の居宅は、星ヶ丘の一等地区にある。
最寄りのバス停から、スロープ状の道を経巡ったあたりがその所在だ。小ぶりのいわゆる別邸で、ひっそりと、されどよく掃除された瀟洒なたたずまいを見せている。
下界の物事から離れたこの閑かな住まいも、今宵ばかりは慌ただしい。
「朱真さまのために頑張ってご馳走を作らないと!」
と、
舞洲 絵奈
が忙しく屋敷内の厨房を、そして食堂を駆け巡っているからだ。
今日はまるで絵奈の独壇場、おしゃれなオードブルの皿を終えるやそそくさとローストチキンをオーブンから取り出す。早朝から仕込んだケーキは冷蔵庫で眠っていて、合間合間の時間で行ってきたツリーの飾り付けもあと一息だ。これが終わったら食卓を準備して食堂の照明を落としてキャンドルに火を灯せば準備完了である。
目まぐるしいくらい忙しいとはいえ、絵奈の心は幸せで満ち足りていた。
普段作らない料理を作るのは心が躍るし、ムードを演出するのも負けじと楽しい。
しかもこれはすべて、主人の
葉月 朱真
のための用意なのだ。わくわくしないはずがないではないか。
やがて、
「整いましたー!」
絵奈は、鈴が鳴るような声で階上に呼びかけた。
一度、二度、三度……十秒おきに繰り返し五度目にしてようやく、
「ああ」
研究室の重い扉が開く音が聞こえた。そうして、ぎしぎしと螺旋状の階段を降り、白衣を着た朱真が姿を見せたのである。
連日の研究で疲れているのか、絵奈の顔色はあまり良くない。目も半分閉じた状態だ。どうして人間は食事を取らなければならないのか、とでも言いたげな様子で彼女は、絵奈が引いてくれたチェアに腰を下ろす。
「ん、今夜のテーブルは豪勢だな」
テーブルの上を見て、おや、と絵奈は朱真に顔を向けた。クリスマスツリー、キャンドルの組み合わせ、たくさんの皿、複数のナイフとフォークからそれと悟ったらしい。
待ってました、とばかりに、エプロンドレスの前で手を重ね合わせた姿勢のまま絵奈は声を上げたのである。
「朱真さま、メリークリスマス!」
「そうか、クリスマス・イブか……連日の研究が忙しくて忘れていたよ」
朱真の顔がほころんだ。そうして改めて、テーブルを彩るご馳走の数々を確認するのである。
「今日くらいはゆっくり過ごしてくださいね!」
するとほっとしたように、
「研究がやっと一段落ついたので、今夜はのんびりと過ごせそうだ」
朱真は息を吐き、背もたれに体を預けた。疲れを忘れたようだ。血色も戻りつつある。
「感謝していただくとしよう」
朱真はナイフとフォークを取ると、前菜に手を伸ばした。
カクテルグラスに盛ったサラダだ。トマトと生ハム、キウイという赤と緑の組み合わせに、ヨーグルトドレッシングを乗せている。シンプルだがクリスマスらしい色覚効果は抜群、味だって見事なハーモニーだ。トマトは完熟ゆえまぶしいほどに赤く、キウイとハムの相性も抜群であった。
続けてヴィシソワーズを絵奈が運んでくる。雪を思わせる白いポテトのポタージュである。有名ホテルで出しているものと同じ食材を使い、時間をかけて仕上げた。舌に乗るは薄味、だが多く深いコクがたまらない。
魚料理はオマール海老のシャンパンソース、ここでキャビアを添えるのが定番だが、ここを絵奈は工夫しクビレズタ(海ブドウ)を塩味にしたものを用いた。つまり、またもやクリスマスカラー、赤と緑の対比になるというわけだ。材料は早朝の魚市場で自ら選んだものである。海老は身がプリプリとしてはち切れそう、クビレズタの歯ごたえもすばらしい。
そしていよいよメインの肉料理、これがローストチキンであるのはもう皆さんご存じであろう。
皿が出てくると同時に、ようやく朱真は我に返ったように息をついた。
「なんと手が込んでいる……あまりの見事さに、言葉を使うことすら忘れていた」
「それだけ喜んでもらえると準備した甲斐がありましたー」
そうして絵奈が差し出したローストチキンは、外側がパリパリ、内側はぎっしり、黄金の光沢を放つ最高の焼き加減だったのである。
「うむ……美味い」
噛みしめるようにしてこの言葉を吐き出すと、朱真はノンアルコールのシャンパンを口にして席を立った。そうしてみずから、絵奈のために向かいの席を引いたのである。
「キミも一緒に食いたまえよ」
「あ、いえ、私はメイドですので……」
「これほどの量だ。わたし一人ではとても食べ切れん。さあ、熱いうちに食べたほうがいい」
「でも……」
「いいんだ。それにわたしも、一人より二人で食べているほうが楽しい」
「で、ではご相伴にあずかります……」
朱真は絵奈が席につくのを見て、くつろいだ調子で話し始めた。
「絵奈がこの屋敷に来たのは、ちょうど去年の今日だったな」
綺麗に焼けた肉片を口に運び、うっとりした目で絵奈を見る。
「ええ、私がお屋敷に来て一年になるんですね」
「あの日のことを覚えているかい? 学校帰りにわたしはキミと出会った。行くところがないと言うのでメイドとして雇うことにしたのだが……」
絵奈にとってはまるで、昨日のことのようによく覚えている。あの日、どんな空の色だったかすら忘れていない。それ以前の記憶がないだけに、絵奈はそれ以降の記憶を宝石のように大切にしているのだ。
「はい……もちろん覚えてますよ。ほとんど着の身着のままで寝子島に辿り着いて、行き倒れ状態だった私を、朱真さまが拾ってくれました」
あの日の寒さ、心細さを夢に思いだして、ときおり泣くことすらある彼女なのだ。
「行きずりの私を雇ってくれて、その上高校にも入れてくれて……本当、感謝してもし足りません」
「なに、おかげでわたしはこうして今、最高の食事にありつけている」
ふっとそよ風のように朱真が微笑んだ。つられて絵奈の頬も緩む。
「当時わたしは受験生だったが、志望は木天蓼大学……家から近いのでな。さほどの対策などせずとも入れることは分かっていたゆえ、受験勉強といっても気楽なものだった」
と、自分の過去を思いだしていた様子の朱真だったが、ふと気がついたように述べた。
「ところで、キミの『いるべき場所』とやらは見つかったかね?」
「私、昔のことがまだ思い出せなくて……」
首を振る絵奈を見て朱真は身を乗り出していた。
「見つからないのであれば、まだしばらくは、ここにいたまえ」
「もし、朱真さまさえよろしければ……」
絵奈は少し言いよどむ。続きを口にするには、少し勇気が必要だった。
「しばらくどころか、ずっとここにいさせてください」
気持ちは嬉しいのだが、と前置きして朱真は自身の顎に手をやっていた。
「わたしはいずれ葉月家を継がなければならない。否応なくこの島が私の生きる場所だ。だがキミは違うだろう?」
「私にとって今、『いるべき場所』は、この葉月家なんです。朱真さまは将来葉月家を継がれ、多くの重責を背負う身、ご迷惑でなければ、それを陰で支え、見守っていきたい……そう思ってます。それが私にできる、精一杯の恩返しですから」
「とはいえキミを縛ることになるのは……」
ここまで告げたところで朱真は言葉を切った。絵奈の眼差しを見て、その意志の固さを悟ったのだろう。
「ならば、絵奈が新たに『いるべき場所』を見つけるまでそうしてほしい。わたしとしても……助かるからな」
「ありがとうございます!」
絵奈は飛び跳ねんばかりにして声を明るくすると、「しばしお待ち下さい」と言い残して席を立ち、まもなく雲雀のように戻ってきた。
「朱真さま、私からクリスマスプレゼントがあるんです!」
彼女の手には、カジュアルドレス風の赤のワンピースがあった。冬の夕焼けのような美しい赤だ。
「おや、これは……!」
「シンプルめだけど大人の可愛らしさを目指してみました。いつもの服装もかっこよくてお似合いですけど、こういう女らしい服も絶対朱真さまには似合うと思うんですよ! よかったら着てみてくれると嬉しいです」
「ありがとう」
手にとった朱真はやはり少女なのである。目を輝かせながら生地を撫でている。
「手作りとは思えない質の高さだな。わたしに、こんな洒落た服が似合うだろうか……?」
「似合いますとも!」
「はは、それなら、近いうちにお披露目させてもらうとするかな……しかし」
ちょっと顔を曇らせて、
「すまん、クリスマス自体を忘れていたので、こちらには何も用意がない」
「いいんです。気持ちだけで十分です」
「いやしかしそうはいってもな……」
「それより、冷めない内にお召し上がり下さい。デザートとケーキも頑張って作りましたので!」
「そうか、うん、それは楽しみだ」
とは言いつつも、朱真は頭を悩ませているのである。
――返礼にはなにを贈ればいいだろうか……?
本人に訊いたのであればサプライズにならないし、そもそも絵奈が何が好きなのかよく知らない朱真なのである。いわゆる一般的な女性が好むものにしたって、朱真には判っているという自信がない。
ふむ、これはわたしの人生においても有数の難問だぞ――今日一段落した研究以上に、頭を使うことになりそうだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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