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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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突然の誘いだった。
「りさちん、いまステッラ・デッラ・コリーナにいるけど一緒に飲まない?」
親友同士ゆえ勘が働くのだろうか、
深林 真瞭
はときどき、ちょうど良いタイミングで
深倉 理紗子
に連絡してくる。
ちょうど、理紗子の心にぽっかり穴が開いているようなタイミングで。
今宵はクリスマス・イブ、理紗子が職場復帰して、もう一カ月が過ぎようとしている。
この日と翌日、真瞭は所属する交響楽団によるコンサートがある。場所は両日とも東京だ。二日目のチケットをもらっているので、理紗子も明日東京へ発つ予定だ。
早めに寝床に入った理紗子だが、なかなか寝付けなかった。
理由は特にない、と思う。ただ、目が冴えてしまってずっと、暗い天井を見上げながら物思いに沈んでいた。
考えは散発的に浮かんでは消えた。仕事のことや日常の些末事よりはじまって、やがて理紗子の思考は姉のことにたどり着く。
一昨日、理紗子は28歳になった。つまり、今は亡き次姉、深倉紗智子より年上になったということだ。
姉の没年齢を超えてしまう……そんな日が来るなどと、四年前には想像もできなかった。今の自分は、四年前の姉より精神的に大人だろうか。
また、月日が経つということは、理紗子の中で紗智子の記憶が風化していくことでもあるのだろう。
それが怖かった。
いや、より正確に言うなら、その事実を冷静に受け止めている自分が怖かった。
そんなときである。理紗子の携帯に、真瞭からのコール限定の着信音(アイネ・クライネ・ナハトムジークの第一楽章)が鳴ったのは。
電話越しの真瞭の声はどこか弾んでいた。まるで、すごいイタズラが成功したとでも言わんばかりに。
一方で理紗子は、まだ疑っていると言わんばかりに声をひそめた。
「まーちゃん、なんで島にいるの? いま東京じゃ……?」
「私は、いたいところにいるだけよ。ところで、来ないの?」
「もう……」
肩と頬で携帯電話を挟みながら、理紗子は立ち上がって部屋の電気をつけていた。
「返事はわかってるでしょ」
理紗子を待ちながら真瞭は、クリスタルブルーのカクテルを眺めている。
深夜の星ヶ丘。外は雪。隣のメイン・スペースで開かれているのは、どうやらお見合いパーティらしい。華やかながら、張りつめた雰囲気が伝わってくる。
――でもそれって、いい緊張感よね……?
自嘲めいたものが唇に浮かんだ。
いい緊張感があるのなら悪い緊張感もあるだろう。
真瞭が逃れてきたのはまさに、その『悪い』緊張感からであった。
彼女の所属楽団は、すでに取り返しがきかぬほど人間関係が悪化している。内紛状態はさらに醜悪の度合いを増し、ドロドロとした派閥抗争の体を示していた。それでも、そのような状況でありながら最高のパフォーマンスができるあたりは、やはり一流の集団だからだろう。
だからといって、居心地が最悪であることに変わりはない。
そもそも真瞭にとってみれば、東京という大都会も、あの交響楽団と変わらないのだ。
そこでは嫉妬と、足の引っ張り合いと見栄の張り合いが幅をきかせている。まるで、瘴気渦巻く腐臭の土地だ。
実のところ今夜は、軽薄なセレブ連中のくだらないパーティに誘われていた。しかし真っ平ご免とばかりに、真瞭は幕が下りるなり寝子島へと向かったのだった。しかし長らく空にしていた自宅マンションに戻る気もしなかったので、こうしてステッラ・デッラ・コリーナに来たというわけだ。
特急便で来たのだろう。肩で息する理紗子を真瞭は見かけて、
「Bonsoir、ぼっち友達」
とグラスを掲げて見せた。
「なにがBonsoirだか……こっちはタクシー飛ばして来たんだからね」
「ごめんごめん、ほら、ワインおごるから」
真瞭は給仕を呼び、白のビンテージものを一本注文した。もちろん、グラスは二つだ。
冷たいグラスに二人分注ぐと、実は相談があって、と告げる。
「移籍話が来てるんだ。複数の楽団から。特にウィーン留学時代の恩師からの誘いには結構心惹かれてる……」
「えっ」
思わず甲高い声が出たので、理紗子は先を言う前に深呼吸した。
「いいじゃない? 今の楽団、出たいと思ってたんでしょ? 応援するよ」
「それはそうだけど、一応、義理というものがあるから」
「義理ねえ……。でもその義理で、体調崩してたら話にならないと思うな」
「さすがお医者様、ご忠言、痛み入ります」
「またそうやって茶化す……冗談じゃないからね」
言いながら理紗子の頬は綻んでいた。こんなやりとりをできる友人というのは、貴重だ。
「だけどそうすると、海外の楽団になる可能性もあるわけだ……だったら寂しくなるかもね」
「あら? りさちん、『私のために日本に残って』と?」
「バカ。まーちゃんのキャリアが一番大事、って思ってるに決まってるでしょ。まーちゃんは私の憧れなんだから、一番輝けるオファーを選んでほしいな」
「憧れ? そんな話はじめて聞いた」
「そりゃあ、今、私……」
ぐっとワインを空けると、理紗子は手酌で自分のグラスを満たした。
「今私、素面じゃないから……ちなみに、憧れてたのは中学の頃から」
「そんな昔?」
「覚えてる? 中学のとき、クリスマス会の出し物で劇をやったでしょう? 締めはまーちゃんの独唱だったよね……あのとき、音楽の神というと大袈裟だけど、そういう、才能の輝きを私はまーちゃんの中に見たわけ」
「ありがとう。でも、舞台に立つのは歌手じゃなくヴァイオリニストとしてだったけどね」
「同じよ」
「そうかなあ?」
「私の主観で話してるんだからそれでいいの」
ふん、となぜか胸を張る理紗子を見て真瞭は笑った。釣られて理紗子も笑う。
「それに、まーちゃんにはリーダーシップがあって、未知の世界にもどんどん飛び出していく人じゃない、ずっと……今じゃ世界じゅうからオファーがあるもんね。そりゃあ憧れるって」
「くすぐったいからやめてよ。でもそれを言うなら、私は人の命にかかわる仕事をしているりさちんに憧れるわ」
「やめてよ、私なんか……」
「『なんか』は無し、りさちんは十分立派よ。年齢だって28、私と同い年で……紗智子さんよりお姉さんになったんじゃない」
理紗子は、黙ってワインを一口含んだ。
真瞭は今夜、これを言いに来たのだと彼女は思った。
真瞭は言う。
「だから……もう泣き虫じゃいられないね」
理紗子は、うん、と静かにうなずいた。これが真瞭なりの、誕生日を祝う言葉なのだろう。
理紗子の返答を確認すると、真瞭は自分のグラスを満たす。
そこで突然、言葉が途切れた。
真瞭の目は今、理紗子に向けられていない。雪降る寝子島の夜景を見ている。
「……ねえ、りさちんから見たら私、きっと無駄に強そうに見えるかもしれないけど、結構疲れるんだよ、私みたいな性格の女は」
どうしたんだろう――その言葉の意味を聞くべきか理紗子は迷った。
しかし彼女の目が自分に向けられていないことから察して、それ以上踏み込むのを控えた。
ただ、こんな夜もあるということだ。
「……ワイン、空になったね」
「よし、じゃあもう一本頼んであげよう」
ふたりはまた、他愛のない、だからこそ価値のある会話へと戻ってゆく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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