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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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考えてみれば、マッチメイキングなど不要だった。
篠崎 響也
はステッラ・デッラ・コリーナのパーティに到着するやすぐに、
最上 るるか
の手を引いてメイン・スペースから出た。
合コンということだが、他の女性と話す必要性は感じない。
同様に、るるかが、他の男と話すところを見るのも嫌だ。
ならば最初から、二人きりでイルミネーション・スペースに行くべきだと判断したのである。
マッチメイキング・パーティーに意味があったとしたら、セミフォーマル必須の条件ゆえ、めかしこんだるるかを目にすることができたということくらいだろうか。
でもそれだけでも、来た甲斐はあったと言えそうだ。
「わあキレイ……なんてロマンチックな夜!」
真っ黒な空から、天使の羽根が舞い降りてくる。ふわふわと風に漂いながら足元に、ツリーに、るるかの肩に積もる。
淡い緑色のドレスに身を包みながらも、空を見上げるるるかの表情はどこかあどけない。二重細工の大きなイヤリングが触れあって、しゃららと澄んだ音を立てた。
今、るるかは腕を広げて、この世界を抱きしめるような姿勢である。
「今だったら、魔法だって使えそう」
うっとりとした彼女の瞳に、クリスマスツリーの大きな星が映り込んでいた。
「ああ、綺麗だな」
響也は短く言葉を返した。けれどもおざなりの回答ではないのだ。万感の想いが込められている。
情景が綺麗だと言いたいのでもあるし、るるかが綺麗だという意味もある。
もしかしたら将来、この日の記憶が綺麗な思い出になるかもしれない――漠然とそうも考えていた。
いずれにせよ、今言いたいことはひとつだ。
「誰かとこうやって、クリスマスにイルミネーションを眺めることになるなんて想像してなかったな」
「その相手があたしでよかった?」
響也は足を止めた。
雪うさぎのように跳ねていたるるかが、ブーツの踵を合わせて立ち止まっている。
彼女はその、紅玉の目で響也を見て、最前までのはしゃいだ口調とは異なる真面目な声で問うたのである。
「ねえ……じらすのはやめて、そろそろ告白の返事を聞かせてよ」
「そうだな」
響也はうなずいた。
「今日はそのために誘ったから」
ずっと前から返事は決めている。軽く響也は咳払いして……、一瞬、固まった。
言うべき回答は決めてあるし、責任は取るつもりがある。なのにいくらか、気後れしてしまった。
「それは……」
と彼が言いかけたとき、るるかが先を制した。
「ごめん、先、いい?」
渡せなくなったら嫌だから、と弁解するように告げて、るるかはクリスマスツリーの下まで歩いて行く。
あった、とツリーの根元から袋を取った。先に置いておいたものだ。
「今日のために用意したとっておきのプレゼント」
手渡して促す。ありがとう――そう言って響也は袋から小箱を取り出し、包みを開けた。
「お揃いなんだな」
彼はそっと微笑んだ。
ペアのペンダントである。
同じ円形デザインの中央、浮き彫りにされたものが異なっている。
フルートをかたどったものと、ヴァイオリン型のもの。二重奏ということになる。
小さな銀製で派手さはないが、それだけにフォーマルでもカジュアルでも似合いそうだ。イルミネーションを受けて、白く輝いてており、その光沢も品があるように響也は思った。
るるかは指を伸ばし、ひとつひとつを指さした。
「あたしがフルート、響也のはヴァイオリン……」
そして慈しむように言うのだ。
「あたしは響也のことが大好き」
るるかの口元から、ふわっと白い息が上がった。
「最初はバイオリンの演奏に惹かれて、それから実際会って、響也のこと知ってくにつれどんどん好きになった……」
そして改めて、彼女は彼を見た。
「響也は? はぐらかすのはやめて。嫌いなら嫌いって、迷惑なら迷惑ってちゃんとそう言って」
弓を射るように、しっかりと言葉を紡いだ。
厳しい回答も予期している。
だから、中途半端は嫌だった。
中途半端が嫌なのは、響也も同じだ。負けずはっきりと言う。
「すごく嬉しい」
ペンダントを取って、ホックを外し、響也はチェーンを首の後ろに回した。
「俺は……この手のことに疎くて、きっとたくさん迷惑かけてしまう。でも……るるかのことは好きなんだ」
目は逸らさない。まばたきすら忘れて続けた。
「お前と一緒にいるのが楽しい。お前が笑うとすごく愛しい」
るるかから視線を外さず、ホックをかけ直した。
「俺は誰かを愛するっていのうが、感覚としてよくわからないけれど、るるかは、俺にとって特別なんだ。それだけは本当なんだ。だから俺と恋人になってくれ」
言い切った。
響也はすっとする。胸のつかえが下りたような気持ちだ。
息を吐いて、響也はさらに言うのである。
「……俺は、お前が言うように音楽馬鹿だから、まだよくわからないことが多いと思う。けど、少しずつお前と一緒にこの気持ちを育てていきたい」
響也はこの後どうなるかを考えていなかった。だから驚くことになった。
るるかが、ぽろぽろと涙をこぼしたのだ。
「響也の一番になれないのはわかってる。響也の一番はバイオリンだから……そんな響也を好きになったんだから」
泣かせるつもりじゃ、と言いかける彼に首を振って見せて、
「でも、あたしの一番は響也だよ。ママもパパも友達もみんな大好きで大切だけど、世界で一番大好きなのは響也なの」
感極まったのか、ぱっと雪を蹴ってるるかは彼に抱きついた。響也は腕を広げ受け止めた。
彼女も、ペンダントも、彼女の想いも全部、しっかりと抱きとめた。
「嬉しい! 幸せすぎて夢みたい! アタシやっとカノジョになれたんだね!」
るるかの髪はシャンプーの匂いがする。響也はその香りを吸い込んで、
「大好きだ。信じてくれるか?」
「信じる! 響也も……?」
「俺も、お前を信じる。るるか」
と言って響也は、そっとるるかにキスをした。
これが正しい行動なのか、響也は知らない。
けれど恋愛に正解はないはずだ。思うまま行動すればいい――そんな気もした。
キスが終わりお互い向かい合うと、照れてしまってうまく話せない。しばらく空を見たり、ツリーを見上げたり……そんなとき、コートのポケットに手を入れて響也は思いだした。自分が用意したプレゼントを。
似たもの同士、なのかもしれない。
実は今日、響也が彼女へのプレゼントとして用意していたのは、星と花のペアネックレスだったのだ。自分が星、彼女は花――まさかほぼ同じアイデアを、るるかが考えていたとは。
ふっ、と響也は笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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