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【クリスマス】星ヶ丘のホーリー☆ナイト
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エンプレス・ホールのほうぼうに、恋人同士らしき男女の姿がある。
肩を寄せ合う男女、おずおずと手を握り合う初々しい姿も。人目がなければ今すぐキスしそうな様子で、見つめ合うカップルもあった。
――クリスマスにこんな所でデートだなんて………!
ついさっきまで階上のデッキで頭を冷やしてきたというのに、もう矢萩咲はあわわと紅潮していた。
これが乙女心だというのか。
恐るべし。恐るべし……。
竹刀を振り回してリア充を追い散らしていた頃の咲が今の咲を見たら、どんな感想を抱くだろう――。
そんな想いを振り払って、彼女は
七峯 亨
の姿を探した。
「亨君、戻ってきたぞ。用事とやらは終わったか?」
「いや、今からです」
亨はひょいと片手を上げた。
「やっと捕まえたもんで……」
彼の目の前には、咲の見知らぬ少女の姿があった。亨同様によく日焼けした健康そうな肌、つやのある黒髪をポニーテールにしているあたりは、咲と似ていないこともない。つり目というところもどことなく共通していた。ただし彼女のほうが、咲よりずっと攻撃的な目をしているが。服は寝子高の制服姿だった。このホールにいるのは正装した男女ばかりなので、はっきりいって浮いている。といっても彼女は……内心、むぅ、と咲は声を漏らしてしまった……抜群に美人だ。可愛い、というより美人というのがふさわしい。雑誌広告のモデルのように見える。
――誰? 見たところ、寝子高の生徒さんみたいだけど……。
その声に応じるように、亨が紹介した。
「えっとこちら、寝子高一年の詠寛美、俺は『よっちゃん』って呼んでます」
「まだマシといっただけで、その呼ばわりを認めたわけじゃねぇ」
すると少女は怒気とともに、驚くほど伝法な口をきいたのだった。彼女の目つきの強烈さもあいまって、野生の豹のような印象を咲は受けた。
ところが亨は慣れっこらしく、むしろ軽口になってこう返す。
「だったらそうだな……『ひろみ』の『み』もつけて『ヨミ』ってのはどうだ? 悪の超能力者みたいで格好いいぞ! 古い? ならナントカ漫画大王か……待てよそれも古いか?」
「なんの話だ!」
「というわけで今日から『ヨミ』ということで。姐さん、『ヨミ』です。以後お見知りおきを……」
「いい! もう最初のでいい! バカヤロウ!」
亨は寛美という少女の扱いに慣れているようで、バカヤロウだのなんだの言われても、むしろそれを楽しんでいる様子だった。少女のほうも彼のペースにはノリやすいらしく、いいコンビのように見えた。
「じゃ、そのバカヤロウから贈り物だ。はい、メリークリスマス♪」
はいっ、と亨は彼女に赤いリボンでラッピングされた緑の小箱を手渡した。
「おいそんなの頼んでねーぞ」
「好意は素直に受け取るもんさ。ほら、もらえるものはもらっとく主義だろ」
「ちっ、ならまあ一応、礼だけ言っとく。けどお返しとかはしねぇからな」
口ぶりはあいかわらず悪いが、寛美の口の端に笑みが浮かんでいることを咲は見て取った。受け取った小箱も、後生大事に胸に押し当てているではないか。ひょっとしたら、いや、ひょっとしなくても、彼とのこういうやりとりを彼女も楽しんでいるのではないだろうか。
ここで寛美はようやく咲に目を向ける。
「ところでそっちの人……?」
「おっと紹介が遅れた。こちら、
俺の恋人
矢萩咲だ」
「こ、こら大声で……!」
急なことなので咲は、実在しない腰の竹刀を抜くポーズをしてしまっていた。
いけないとは判っているのだが、咲の中のサディスト的な部分が、このとき勝ち誇った笑みを浮かべていた。男である亨は気がつかなかったかもしれないが、このとき寛美は、明らかに傷ついたような目をしたのである。
「あ……そう、か」
その証拠に言葉は短く、語調にも、勢いはない。
やはり寛美は豹のようであったが、今は檻に入れられたときの豹に似ていた。
「すまねぇ、俺、そういうとこ気が回らなくて……じゃあまたな」
それだけ言い残すと、心なしか肩を下げた様子で寛美は去って行った。
「とりあえず、詠さん。学校で困った事あったら頼ってくれ」
咲は慌てて一言言い添えるも、寛美は振り返らず軽く頭を下げただけだ。
「なんとかして降りる……」
去り際、彼女がそんな風に呟いていたようにも聞こえた。そういえば寛美は、なぜかティーカップをひとつ片手に提げている。ずっと持っていたのだろうか。
「はい用件終わり。さて二人で……あれ、何故そう怖い目を」
振り返った亨は咲を見て硬直した。咲がメデューサに変わったのか? そんなことはないが、ときとして女性の視線は、男性を石に変えることがある。
咲は何も言わないが、ただ、
「……ふん」
と冷ややかな一瞥を彼にくれたのである。
「ディナーに行く」
咲はそう言い捨ててどんどん歩き出す。黒いドレスの裾がマントのようにたなびいた。
「って違いますよ? もし、咲さん?」
――なにが『違う』というのだ。
もやもやする。亨と寛美のあのやりとり。じゃれあうようなあの会話に咲はまったく入っていけなかった。邪魔してはいけいないという気すらした。そのことに……もやもや、もやもやする!
――嫉妬したなどと、絶対に教えてやるもんか!
我が身を省みてみれば、自分勝手な気持ちで亨ともう一人の彼とで公認二股している咲に、怒る権利がないのはわかっている。
わかっていても、だからといってこのもやもやは抑えられない!
なにをやっているのか、自分は……そんな苛立ちが、ますます咲の態度を硬化させた。
その後亨は随分と気を遣ってくれたようだが、咲はほとんど食事も楽しめなかった。機械的に食べて機械的に席を立って、気がついたら、またスター・デッキの片隅に無言で戻って来ていたのである。
「雪が綺麗だな……」
やはり風雪は現実からの一撃、心を鎮める効果があったようだ。デッキに上がって数分して、ようやく咲は落ち着いた口調に戻っていた。
聞こえるのは風音、波の音、それに、階下からうっすら伝わってくるバラードナンバー。
遠くに見える街の灯も、夜のイルミネーションのようではないか。
「亨君……?」
ようやく彼の存在を思いだしたように咲は呼びかけ、彼の真剣なまなざしを見た。
「先程は誤解させて申し訳なく、どうしても手合わせの相手へ至誠に悖り不精をした事だけは謝ろうと思って」
亨は平謝りの口調だ。言葉は固いが、噛んで含めるような口調に誠意が感じられた。
「ええ、本より俺の恋も想いもあなたにだけ。彼女……詠寛美に相応しい人は他にいます、咲さんに俺がいるように……ここはこの首に懸けて譲りません」
「な、何を……恥ずかしい、ことを……!」
咲は亨を直視できない。彼に心をもてあそばれているように咲は感じていた。でも実際は逆だ。咲が、亨の心をもてあそんでいたのだ。
「謝るのはこちらだというのに……ああもう! さっきからあんな態度、本当に悪かった!」
でも、と言いかけた咲の言葉を、亨が先読みして返答した。
「彼女には過日の謝罪のしるしとして白リボンの髪留めを送りました。でも、それはモノです。俺が心を捧げるのは咲さんだけです」
「心を……」
咲は胸の中央にうずきを覚えた。亨に、心を鷲づかみされたような気がする。
目が潤んだのを見たのだろう、亨はここでころっと声色を変えた。
「気を取り直して。今宵の俺はあなたの専属サンタ」
と言って彼は背中に回していた手を前に出し、箱を咲に手渡す。
大きさは寛美に渡していたものより二回りは上、飾りつけもずっといい。
促されて箱を開け、咲はそこにオープンハートのシルバーネックレスを見つけたのである。優美な曲線を描くデザインながら光沢は派手すぎずシャープで、芯の強い女性たる咲を象徴するもののように見えた。
「ありがとう……うん、すごくいい。気に入った……!」
ネックレスをつけようとして咲は二度ほど失敗した。寒さで手が震えて、と誤魔化したが、震えた本当の理由は胸の高鳴りによるものだ。笑顔で亨はネックレスを受け取り、先の首にかけてくれた。
「メリークリスマス。愛していますよ、咲さん。ええ、地獄の果てまで連れますとも」
亨は咲をかき抱く。咲は抵抗しない。むしろ、積極的に彼に身を押しつけてきた。
そうして続いたのは、長く、情熱的な接吻。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年02月09日
参加申し込みの期限
2016年02月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年02月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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