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【期末テスト】赤点?満点??冬寒波、四日間の死線<物語編>
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●テスト2日目:カンニングに関する考察とカンニングエアー
そう、あれは、幾日か前のこと。
旧市街の自宅への帰宅路、いつもの癖で生徒たちに声を掛けながら歩いていた
吉田 熊吉
先生は、顔見知りの寝子島総合病院の医師、
架神 十字
と行き逢った。
軽い挨拶を交わしたのち、同じ方向へ行くと分かって並び歩く。
すれ違うのは、背を丸め、参考書を手にした学生たち。
「近々期末試験でしてね、生徒たちも必死ですわ」
などと吉田先生が口にしたのを切欠に、カンニングのことが話題に上がった。
「長年教師をやっていますが、カンニングというのはなくならないものですな。困ったものです」
「カンニングというと、いわゆる『ずる』ですね。ずるといえば、心理学の一分野に行動経済学というのがあるのですが、その分野でずるについて調べた実験があるんですよ」
精神科・心療内科の医師である十字は、その手の文献をよく目にするのだろう。
ずるについての実験、ときいて、ほう、と吉田先生も興味深そうに相槌を打つ。
「実験の内容はこうです。1問正答するごとに50セントの報酬が出るという条件で、簡単な算数の問題20問を、5分でできるだけ多く解答するという課題を出した」
「ふむ」
「この実験のおもしろいのはここからで、ある班は試験官が正答か確認して報酬を渡す形式、別の班は答案用紙を全部シュレッダーで破棄してから正答数を伝え報酬をもらう形式にしたんです。すると前者は正答が平均4問だったのに対し、後者は平均6問だった」
「ははぁ、後者は報酬欲しさに正答数を水増しした、というんですな」
「回答者を能力分けしたのではなければそう考えられますね。この実験では、次に報酬を1ドル、2ドル、5ドル、10ドルと増やしてみたんです。すると、シュレッダー破棄の条件の場合、報酬を増やしても正答数の水増し率は50セントの場合と同じで、最も報酬が高い10ドルの場合、逆に減っていた」
「報酬が高すぎると逆に不正をしなくなるというのは面白いですな。却って良心が咎めるんでしょうか?」
「良心。さすが先生、いいところを突かれる。不正するかどうかというのは、正直な自分という自己イメージが守れるかが重要なようなんです。この実験では、答案用紙を半分だけシュレッダーにかけた場合や試験官が盲目の場合、また平均正答数を8問と事前に知らせていた場合でも、ごまかしの量は変わらなかった。つまり、報酬の高さも、不正が見つかる確率も、目立つかどうかも、不正の量に影響しなかった。じつは不正がなくなったのは、試験を受ける直前に倫理規定に署名するという条件をつけた場合だったんです」
「ほほう。まさに良心ですな。しかし、その実験の話を伺うと、ずるはある、という前提でものを考える方が良さそうですな。いや、して当たり前というのではなく、ずるをする生徒がいるからと言って必要以上に慌てるなという自戒ですが」
十字はそれには精神科医らしい微笑みで応える。
「そうそう。被験者が疲れていたり、試験官に復讐したいと感じている場合は、不正の量が増えたそうですよ」
「おお、そうですか。それでは我々、生徒の恨みを買わんようにせんといけませんな! もっとも俺なんかはこの風貌ですから、恨みを買うのも仕事のうちですが」
はっはっは、と快活に笑ったところが十字路だった。
吉田先生と十字はそれぞれ家路につくため、そこで会釈して別れた。
それから数日が経ち、試験2日目、小雪がちらつく寒い朝のこと。
「時間までに講堂に入れよー!」
登校する生徒たちを見守りながら、吉田先生は、何故か十字との会話を思い出していた。
◇
この日最初の試験は理科である。
ノートと睨めっこして最後の復習に精を出していた
小山内 海
は、机に書かれた公式を見てハッとした。
公式は、無意識のうちに自分が書いたものだ。
(あれっ、どうしてこんなことしちゃったんだろう。ダメダメ、これを残してたらカンニングになっちゃう)
海は慌てて消しゴムを手にし、……半分まで消したところで葛藤した。
(で、でもちょっとくらいなら……)
消した公式をもう一度書き綴ってみる。
これでオーケー。
(………いやいやダメダメ、刀くんと一緒に勉強もしたんだしそんなことしなくても大丈夫、やれるはず)
海は再び消しゴムを手にする。
(いや、でも……)
カンニングしようか迷うなんて、ぜんぜん海らしくない。密かに想いを寄せる彼だって、海がカンニングをしたら悲しむだろう。なのになぜ、こんなにむらむらとカンニングしたい気持ちになるのだろう。
それは『カンニングエアー』のせいだった。
神魂のばかやろう、というやつである。
そして、このカンニングエアーの影響を受けた生徒は海だけではなかった。
◇
先生に見つからない様、トイレ脇の柱の陰でひそひそ話をする三人組がいる。
「朝からカンニングしたい気持ちがメラメラと燃え上がって仕方ないんだよ」
小声ながらもポニーテールを揺らして力説するのは
響 タルト
。
「最近Ms.Jokerの活動もしてないし、ちょっとイタズラに飢えてたんだよね~。赤点がなんだ! 禁じられてるからこそロマンがあるんだ! テストの成績がすべてじゃない!」
「そうだよね」
エアーの影響を受けた
日暮 ねむる
もまた、片目だけ薄く開けてニヤッと笑う。
「とはいえ、中途半端な真似はすぐボロが出る。やるならとことん合理的に、スマートに出し抜いてやろう」
「へへっ。面白くなってきた。で、どうするよ?」
三人目は
山田 勘三郎
。昨日はずっと脳内でCMソングがエンドレス再生。結果、勉強は苦手の国語だけで手一杯……こうなったらやるしかないと、エアーに身を任せての参戦である。
「そうだなあ。やっぱりカンペは要るよね。タルトさんとさぶちゃんは……」
参謀役のねむるがあれこれ指示する。互いの役目を確認し合って、
「この流れならローリスクで立ち回れそうだね」
と頷きあった時、背後からドスの効いた声が掛かった。
「おっと……ねむる他2名は何をやってるんだい?」
振り返れば、そこにいたのは、
桜崎 巴
。古風なスケバン風のロングスカートをはためかせ、両手をポケットに突っ込んで仁王立ちする食えない女だ。
「あら、巴さんじゃないか。僕らに何か用でも?」
ねむるは平静を装って問い返す。
巴は三人の顔を一瞥すると、口の端を引き上げて、
「ほっほう、カンニングの相談たぁ見上げた根性だね」
と低い声で言った。
ねむるが何か言いかける。反論か誤魔化しの言葉だ。しかし巴はそれに先んじて言った。
「おっと、あたしはあんたらの敵じゃない。今日はあたしの実力を他の奴に分けてやりたい気分なのさ」
これまたカンニングエアーの影響であろう。ただ巴は、自分でカンニングをしようとは思わなかった。もとが優秀なのだ、カンニングなんてする方が点数が悪くなる。それよりは、他人にカンニングさせることで一稼ぎするほうが性に合ってる。
「あんたら、今からカンペなんて作って間にあうのかい? 別にあたしも絶対ってわけじゃあないが、カンペだけに頼るよりあたしの答案を写す方がよっぽど確実だと思わないかい?」
「それは、僕たちに取引を持ちかけてる?」
ねむるが訝しそうに聞き返す。
「そうさ。配点1点につき20円。今日は特別大特価の気分だ」
ねむるはタルトと勘三郎に視線を送った。ふたりは、乗ってもいい、と目で伝える。
「1問20円なら50問で1000円か。理科ならそんなに問題数もないよね。カンペと巴さん、手段が2つあることでリスクマネジメントにもなる。オーケー、その取引、乗った」
ねむるは財布から取り出した300円を巴に握らせた。
「前金?」
「取引には信用が不可欠だろ、よろしく頼むよ。巴さん」
「逆に気持ち悪いし前金と言うにゃ少ないが、まあ貰っておくとするかい」
巴は300円をポケットに入れ、ねむると握手を交わしあった。
「交渉成立だねっ!」
二人の握手の上に、タルトが自分の手を重ねる。勘三郎の手がその上から重ねられた。
「本番前に同志だけでなく導師も得るなんて、幸先いいぜ。へへっ、頼むぜ、みんな」
「ははっ、あたしは導師か」
笑いながら巴は密かに思っていた。
(ねむるの奴、1問20円と勘違いしているっぽいが、請求額はあたしの提示した金額だよ)
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担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
1000人
参加キャラクター数
79人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年01月01日
参加申し込みの期限
2016年01月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年01月08日 11時00分
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