【冬季球技大会】熱血バトル！雪合戦！（黒猫組サイド）｜リアクション

【冬季球技大会】熱血バトル！雪合戦！（黒猫組サイド）

　ピィー！　と笛の音が鳴った。誰もが固唾をのんで雪玉を見守る。
　しかしながら、距離を飛んだ雪玉はだんだんと失速し、Eの的の淵に当たって、落ちてしまった。
「……あぁぁ……」
　残念だったね、と黒猫組の生徒たちは肩を落とす。白猫組の生徒は安堵に息を吐いた。
　
　結局白猫組の残る隠し的持ちは誰だったのか？
　終了のあいさつの前に種明かしである。
「私でした」
　ジッ、と圭花はビブスのジッパーを開ける。
　球技が苦手で、雪玉づくりばかりしていた彼女。逃げるのも上手くないだろう彼女が的を持っていると考え付くものは、いなかったろう。ある意味、この的を死守できたことが勝利への鍵だったのかもしれない。何しろ、表の戦いは全く互角だったのだから。
「でも、楽しかったね！」
　トモエがからっと笑うと、少し悔しげだった黒猫組の面々からも笑顔がこぼれる。
「だね」
「思いっきりやったって感じ」
「うん……久しぶりにこんなに……雪で遊んだ」
　雪月もこくり、と頷く。
　またセンターラインに集合し、生徒たちは握手を交わす。
「お疲れ様でした！　ありがとうございました！」
　礼に始まり、最後は礼で終わる。
　気持ちのいい試合は、これで完成するのだ。

「冬季球技大会、雪合戦！　破った的の数、白猫組９つ！　黒猫組８つ！　よって、白猫組の勝利です！」
　審判が高らかに宣言する。わぁっとあちらこちら、観客からも歓声が上がった。
「と、いう事は……」
　レナートが確認するように審判の顔を見る。審判は大きく頷いた。
「よって、今回の冬季球技大会は、白猫組の勝利です！」
　もう一度、大きな歓声が上がる。楽しめればOKと思っていた者も、やはり、勝利は嬉しい。
　どこからか声が上がった。
「今回の冬季球技大会の結果も入れると、通算の対戦成績は５０勝５０敗１８引き分けか」
「と、いうことは……」
「また同点になった！？」
　雪まみれの両チームともに、ぷっと笑いが込み上げる。
「じゃあ、決戦はまた次へ持ち越しと言うわけね」
　理事長がニヤリと笑った。なんか、なんか今の笑顔は良くないこと考えてる気がする。
　いや、何も考えてないかもしんないけど！

　そんなこんなで無事に勝敗がつき、終了した雪合戦。
　あちらこちらからくしゃみが聞こえたような気がするけれど。
　この後はあったかいお汁粉でも買って帰ろうか？
　早く着替えて暖まらないと風邪をひいてしまう。
　果敢に雪の戦場で戦った戦士たちは、暖かい室内を求めて校舎に走りゆくのだった……。

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あとがき

担当マスター：寿ゆかり
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皆さんとってもはげしく雪合戦してましたね！
審判が見ていて思うようにろっこんが発動しないという場面もあったかと思いますが、
学校行事としてはかなり熱い戦いを展開できたのではないでしょうか。
雪まみれになるとガチですぐ風邪ひくので、帰ったらあったかいお風呂にはいってくださいね！
みなさん、おつかれさまでした！

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