サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～｜リアクション

サンタクロースの贈り物～サタン・クロース！～

「お、あわただしくなってきたね。流石に動かなきゃまずいかねぇ」
　亨から火薬を購入して早数日。
　あらかた城のあちらこちらに罠を仕掛けることに成功していたねむるは、思いっきりサボっていた。
　ねむるを人間だという理由で目の仇にしていた獣騎士長が亡くなった今、サタンクロース城はねむるにとってほぼ、お昼寝広場。
　だがどうやら勇者達が来たらしい。
　最近、妙に魔王様が戦意喪失しているが、ここでまでねむるがサボっていると、流石にクビだろう。
（まあ、クビにならない程度に働きますか）
　ねむるは背負った矢筒から矢を一本抜き取ると、腰に下げたひょうたんの中に矢じりを浸す。
　ほんのりと滴る液は、猛毒――ではなく、痺れ薬。
（勇者達を殺す気はないからね）
　あくまで、クビにならない程度の働きを。
「さぁ、勝負だ勇者さま。ただの人間風情に負けてくれるなよ？」
　到底、ただの人間風情には撃てぬ矢を放ち、ねむるは勇者様ご一行迎撃に当たる。