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師走の月夜に、向日葵走りて
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◆
面々の歩みは、確実にひまわり畑の中央に向かって進んでいた。
しかし、畑全体が敵の領域なのである。
奥へ進めば進むほど、ひまわりの攻撃は苛烈さを増していく。
自ずと全員がよりかたまり、若葉の結界と月の広げた影に合わせて進む形になっていた。
進んでは鏡を地面に叩き付け、結界を再構築していく若葉。
そのほんのわずかな隙を突き、怒濤のように枝葉が押し寄せる。
「しまっ――」
「私が!」
広げていた影を束ね、月がそれを受け止めた。
しかし、種の散弾がそこに重なる。
「っ……!」
抑えきれなかった種が、月の真白い肌を傷つけた。
すかさず差し込まれるのは、追撃の枝葉。
楓が月の身体を引き寄せ、入れ替わるようにして前へ。
後ろ手に庇いながら、ナイフを振るってこれを牽制。
不二夫のアストロアームとサキリのナイフ、さらに紫がライターに着火し、草刈り鎌を振り回す。
「傷は大丈夫?」
視線はひまわりに向けたまま、紫が声だけで問えば、月は短く「大丈夫」と。
かすり傷ではないが、まだ動ける。
憩いの場を取り戻すためには、この程度でへこたれていられない。
その間に、若菜の防御結界が再構築される。
――そして。
「――いた!」
若菜が、気付いた。
少し奥に一輪座した、周囲に数倍する大きさのひまわりの花。
その枝葉に絡め取られた、日向の姿に。
意識を失っているのか全く動かないが、一瞥したところ外傷は見られない。変わったところといえば、精々髪に一羽の蝶が留まっていることくらいか。
「アイツか……!」
赤い目をカッと見開き、サキリは『斬空舞踏』を発動――結界から飛び出して、果敢にも飛び込んでいく。
刀と不二夫が、急ぎ後を追って駆け出した。
直後、
「デイジーカッター ! 種が来るぞ!」
修の声が鋭く響く。
転移したサキリが二刀を振りかざす――その瞬間。
種の散弾が放たれた。
すかさず転移で回避――しかし、そのまるで狙い澄ましていたかの如く、寸分の狂いなく彼の位置へと枝葉が斬撃めいて襲いかかった。
「っだあこの!」
半ば飛び込むように、『ダーティー・アストロアーム』を構えた不二夫がそれを防ぐ。
『アストロアーム』でカバーしきれない部分は、月の伸ばした影がフォロー。
激甚な衝撃が、堅牢な鉄腕さえも痺れ、軋みをあげさせる。
「ったく、こいつら花のくせにずる賢いじゃねえか!」
「ごめん、ありがとう。――一層気を引き締めなきゃ、な!」
再び『斬空舞踏』――根元の間際、種でも枝葉でも狙いにくいであろう位置へと切り込む。
デイジーカッターとは、草を薙ぐ者の意。
「この名前は、伊達じゃないのさ!」
ひまわりの陰の下、微かに差す月の光を受けて白刃が煌めいた。
一閃ごとに、枝葉を、根が、刻まれて崩れ落ちていく。
それに続いて、刀が肉薄。
しかし、巨大ひまわりは背後から足下から枝葉と根の攻撃を繰り出して、彼の行く手を阻む。
これを片っ端から切り落とし、ひまわりの手を奪っていく。引き替えに刀の足は止まってしまうが――
「御剣、どいてくれ!」
そこへ、電動の唸りをあげて修が突貫。
刀が飛び退くのと入れ替わりに、枝葉に向かって突撃する。
鞭打のごとき枝葉の乱打が、これを迎え撃つ。
ポリバケツの蓋の盾など紙切れのように跳ね飛ばし、修の身体を打ち据える。
それでも、修は草刈り機を押し込んだ。
音を立て、巨大ひまわりの枝葉が刈られていく。
その光景に、少し思うところはありながら。
記士郎は向かってくる枝葉を受け、流し、そしてひまわりの花を見上げて問うた。
「何か求めているものがあるんですか? もしそうだったら、教えて欲しいんです」
葉先に病気があるのか、それとも虫でもついているのか。
あるいは、土壌が何か影響しているのか。
どんな些細なことでもいい。何かを求めているのなら、それがわかれば。
しかしすぐには返事はなく、枝葉をかわし、いなし、時に防御結界と影の手を借りて答えを待つ。細かな裂傷が身体を走るが、この程度ならまだ。
その間も視界にちらつく、目を覚ます様子のない日向。あるいは、彼女に関わることなのだろうか?
その時だ。
記士郎の頭に、答えらしき「声」が聞こえてきたのは。
いや、声という呼び方は正確ではなかったかもしれない。
あえて言うならば、それは思念の塊。
夏を待てず、日向のちょっとした思いに感応してしまった――そして神魂によって狂い咲いてしまった、そんなひまわりたちの思い。
「夏を待ってください……としか言えないのが、少し歯がゆいですね」
わかりやすく、そしてそれ故に叶えようのない願い。
花は、時の巡りの中にあって咲くものなのだから。
日向を助けるためにも、それを叶えることはできない。
「今は――すいません!」
記士郎は力の限りに地を蹴った。一気に距離を詰め、ひまわりの顎と言うべき部位に一発拳を叩き込んだ。
花が揺れ、花びらが舞う。
次の瞬間、枝葉が記士郎の身体に纏わり付いて締め上げた。
月の影が引き剥がし、その隙を突いて不二夫が『アストロアーム』を振りかざす。
――が、花を殴り潰す寸前。
ひまわりは、日向を絡め取った枝葉を盾のように不二夫へ向けた。
不二夫はもう一方の鉄腕で、急制動。
『アストロアーム』の生んだ風圧が、日向の髪を揺らす。
その光景に、
「――デカイ割には器の小さい花だな」
呆れたような、淡々とした声で楓が呟いた。懐から抜き放つのは、予備のナイフ。
狙うは、日向を捉えた枝葉。彼女を盾代わりにしたことで、その動きは止まっていた。
「流石に、動きの止まったとこに当てる位の腕前はあるぜ」
次の刹那、楓の手から銀閃が迸る。
ナイフの切っ先が、過たず枝葉に突き立ち――そして、断ち切った。
日向の身体が宙に投げ出され、目の前の敵のことも忘れてひまわりは枝を伸ばす。
「させるか!」
割って入るようにサキリが転移。ナイフで刻み、そして自らの身体を盾にして枝を阻む。
「誰か美々津を回収してくれ!」
修が叫ぶ。このままでは、日向の身体はそのまま地面に――。
「とうっ!」
髪に留まっていた蝶が、梢に変わる。
彼女は最初の蝶の群れに自分自身を紛れ込ませ、日向救出のタイミングを図っていたのだ。
そして、もう一人。
やはりタイミングを見計らっていた紫が飛び出し、梢を支えると共に日向を受け止めた。
両脇から日向を抱える二人に、すかさず伸びるひまわりの枝。
だが修がバケツの蓋を全力で投擲し、一瞬の隙を作る。
その間に、月の影が三人を覆うように伸び広がり、若菜の防御結界が更にその上から包み込んだ。
「日向さんは無事だよ皆!」
若菜が叫ぶ。あとは、目の前の大きなひまわりを倒すだけだ。
不二夫が跳躍する。風切り音をあげて迫る枝を掴み引きちぎりむしり取り、
「とっととくたばりやがれッ!」
今度こそ『アストロアーム』の一撃を叩き込む。
正面から鉄腕の一撃を受け、種が砕け飛び散る音が響く。
強烈な打撃に、枝葉の動きさえも一瞬止まった。
その隙を突いて、刀は頭の中で撃鉄を落した。
「お前にはお前の事情があったんだろうけど、俺にも譲れない物がある」
『加速』、発動。
大人しくやられろとは言わない。ただ、
「――俺は俺の都合でてめえを斬る!」
加速した刀の目には、『アストロアーム』の一撃によって生じたひまわりの揺らぎが、呆れるほど明白に見えた。
そして、その狙うべき一点も。
爆発的な速度で肉薄、瞬きほどの間に間合いを詰める。
刀の時間が元に戻った時、ひまわりの花は根元から斬り落されていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
動物・自然
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年11月24日
参加申し込みの期限
2015年12月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年12月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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