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【お三夜】お三夜迎撃準備! と書くと過激ですが要するにですね
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平日でも賑やかなここシーサイドアウトレットは、土日祝ともなると株式市場なみの活況を見せる。気ぜわしく行き交う老若男女、巨大な荷物によろめく観光客、その激流に飲まれ迷子になってしまうチルドレンなど、人が多いからこそ生まれる大小のアクシデントが、そこここで発生しているからだ。
だが総じて、雰囲気は明るい。
それはやはりこの場所が、祝祭の雰囲気につつまれた『ハレ』の場だからだろうか。
その気配をしっかりと感じ取りながら、
曖浜 瑠樹
はモール内を見回す。今日は両親に連れられてやってきた。久々のアウトレットだ。今日はなにを見ようか。買ってもらおうか。
「そうかあ、もうすぐお三夜まつりだったよね……」
お三夜まつりは寝子島だけのローカルイベントだが、最近これを観光客アップの目玉にしようと、地域じゅうで盛り立てていることは瑠樹も知っていた。ゆえにかポスターやチラシ、店のノボリなど、あちこちでお三夜の文字が躍っているのを目にする。
「衣装、何にしようかなぁ……」
お三夜といえば仮装なのは、月見といえば団子、節分といえば豆、海の家といえばまずいラーメンというのと同じくらい、この島では常識である。
このとき瑠樹の目に、ひょいと飛び込んできたハンサムガイがあった。
それは、陸に上がった、魚。
しっかりと手足をもった人間大の魚キャラクター、クールな野郎。
すなわち
寝子 サンマ
(a.k.a.サンマさん)である。
「……あっ、サンマさんだぁ!」
彼を見つけた瑠樹の喜びようは、カツオ節を見つけた猫のそれに等しい。
しかもカツオ節に加えて、またたびも見つけたようなものだ。瑠樹にとっては。
「かぼちゃさんもいるねぇ!」
喜色満面なのである。サンマさんのすぐ隣に、ハロウィンイベントで目撃したかぼちゃの着ぐるみまで発見してしまったのだから。
彼女(中の人準拠で女性と設定されている)は名を
かぼちゃさん
と言う。非常識なまでに大きくグリーンなかぼちゃに、ひたすら丸い目とファニーな口がつけられており、その下から人間の足が出ているという不思議マスコットキャラだ。ハロウィン限定だったはずだがまだ出ている。妖精の国に帰りそびれたのだろうか。
さてサンマさんとかぼちゃさんはなにかを配布しているようである。もっとも、かぼちゃさんのほうは手がないので、サンマさんの横でフリフリ踊っているだけだが。
「やあやあ、良い子の諸君、良い大人の諸君も、この猫耳カチューシャさえあればお三夜まつりの迎撃準備はバッチリだぜ!」
サンマさんは編み上げバスケットを片手にさげている。カゴの中には、頭につける猫耳飾りがぎっしりと用意されていた。プラスチック製のチープなシロモノだが、つけさえすれば八十代のおばあちゃんでも、即座に『猫娘』のカテゴリー入りできるという記号的便利アイテムである。
「もっと変身に凝りたい人はこのイベントスペースで、手作りするなりレンタルするなり購入するなりしてがっちり準備して、楽しく嬉しく祝祭の日を迎えてくれよな!」
グイッ、サンマさんは右手を掲げサムアップするのである。
「サンマさぁん! こんにちはぁ!」
そんなサンマさんを見ていてたまらなくなって、思わず瑠樹は彼に飛びついていた。
「おっ、坊主また会ったな」
サンマさんはその広い懐で瑠樹を受け止める。
「こいつをもらってくれ。このカチューシャは本日この会場限定の特別仕様だ。といってもまあ、当日配られるやつと色が違うだけだが」
「わぁ、可愛いにゃんこ耳だねぇ……ありがとうなぁ! お三夜まつりでは必ずこれをつけるよぉ」
瑠樹は喜びと驚きと感激で、眩しいものを前にしたような目でサンマさんを見上げるのである。本当、いつ見てもサンマさんは格好いい。
そこにひょいと、かぼちゃさんも顔を出した。妙にセクシーな脚をくねりとさせて、
「あら、君はたしか……」
「うんっ、オレ、曖浜瑠樹だよぉ! ハロウィンの仮装コンテストでかぼちゃさん賞をもらったんだよぉ!」
「あらいい子ね、元気にお返事できたね?」
とかぼちゃさんはワンオクターブ高い声で笑って、急に我に返ったようにサンマさんにささやく。
「……今の口調、オバサンっぽいかしら」
「フッ、確かに親戚のオバサン風ではあるな。お年玉とかくれそうだ」
「……ウフフ、サンマさんのその正直なところは好きよ。まあちょっとショックだけど……」
中身(
相原 まゆ
)がのけぞったのかもしれない。くらっとかぼちゃさんはその姿勢を崩した。そうすると巨大ボディゆえの悲しさ、大きく四十五度くらい傾いで転倒しそうになる。
「おっとと!」
「かぼちゃさんのピンチだよぉ!」
助ける、とばかりに瑠樹はカボチャボディに両手をさしのべる。間一髪、かぼちゃさんは危地を脱した。
「ふう……危なかった。瑠樹くん、ありがとう」
「かぼちゃさん、この間は中の人が出ちゃったからねぇ。気をつけてたんだぁ」
「中の人……ほほほ、ナカノヒトなどいないのよ」
くねくねっ、そんなことを言ってかぼちゃさんは腰をくねらせるのだった。
相原まゆ、34歳。
一瞬、素に戻りそうになった自分を忘れ、再び彼女はかぼちゃさんに没頭することにした。
サンマさんたちがいる場所は、シーサイドタウンに特設された屋内イベントスペースだ。
ここでは現在、お三夜まつり迎撃準備会と称して、仮装にチャレンジする人のために衣装を自作できる空間が設営されている。簡易テーブルとパイプ椅子、さまざまな道具が用意されているのだ。色画用紙やテープなど簡単な材料なら無料で提供されるし、ちょっと凝りたい人であっても、生地などをすぐ購入することができる。講師がいるので手縫いも手伝ってもらえるだろう。
もちろんDIY派の人でなくとも大丈夫、ハロウィンのときに活躍した衣装レンタル店が出張ってきているし、コスプレショップの出店だって、先行割引料金にて衣装の販売をしていた。
「いろんな衣装があるのねー」
衣装店の棚をめぐりながら、
仲村渠 鳴
は感銘のつぶやきをもらしていた。料金は幅広く、高級品であれば手触りもうっとりするようなものがあって、ついつい袖を通してみたい誘惑にかられる。
今日、この場所でイベントがあるということは知らなかった。来てみてびっくりというやつだ。
「面白そう、ちょっと見てっていい?」
と前置きして、鳴は
乃木 成美
とともにここを訪れていた。
「こういうのって眺めてるだけでもワクワクするわね」
「うん、それにすごく盛況だね。まだ当日じゃないのに、もうお祭りが始まってるみたいな気がする」
成美はそう応じながら、ちらちらと、盗み見るようにして鳴を眺めている。
美しい。漢字で『綺麗』と書きたくなるような鳴の横顔だった。透き通るような肌にさらさらの髪、深みのある二重まぶたは、彼女に流れる琉球の血を色濃く反映しているように思えた。華やかな衣装がならぶなかにあっても、鳴のいる場所はそこだけくっきり、縁取りされているかのように成美の目には映るのである。
今日、成美と鳴は二人、連れだってアウトレットに遊びに来ていた。
約束して一緒に出かけてはいるが、まだはっきり『デート』と言い切ることができる関係ではない。もうそう呼んでもおかしくはないほどの距離にはあるのだけれど、決してその距離はゼロではない。限りなく近いもののそこには、見えない薄い壁のようなためらいも存在していた。
それは男女にとってもどかしい時期ではあるが、その一方でもっとも楽しく、美しい時期だということもできよう。けれどそのことに人が気がつくのは、もっとずっと、歳を取ってからなのだ。
彼の想いと視線に気付いているのか気付いていないのか、それとも気付かぬふりをしているのか、いずれともとれるような笑みを浮かべて、鳴は衣装の一つを手にした。
「ちょっと実家のことを思い出すなあ」
「鳴さんの実家、って沖縄の民族衣装店だったよね?」
「うん、そう。琉球の衣装の特徴は紅型(びんがた)って言ってね、鮮やかな色調の染め方をするんだ。ほら見て、この衣装なんて本当、紅型っぽい」
「沖縄の民族衣装かぁ。興味あるね……機会があったらみせてもらいたいな。鳴さんに着てもらって、ね?」
成美はふっと右の目を細めた。眼帯の下の左目も、きっと同様に微笑みを浮かべていることだろう。
鳴といると心がなごむ。なにかやわらかなものに、くるまれているような気がする。
「えっ、あたし!?」
鳴は照れたような困ったような目をして、しばらく頬をかいていたが、
「ま、また機会があれば……ね」
と言ってつづけて早口で言葉を継いだ。
「そういう成美は、お祭りで何か衣装とか着たりしないの?」
「僕は……ハッピとかかな?」
「そうだ、よかったらあたしが作ろうか?」
「衣装を? 僕に?」
「あたし裁縫は得意なの。家のお手伝いもよくしてたしね」
「でも悪いよ。そんな簡単なものじゃないだろうし」
いいのいいの、と鳴は胸を叩いて言うのである。
「ほら、何度もごはん作ってもらってるし、少しはお礼したいし」
「うん、それなら、お願いしようかな。でも、せめて手伝うよ」
「決まりね!」
鳴はニコッと笑みをこぼして、
「行こうよ。あそこが手作りコーナーみたいだよ」
成美の手を取ったのである。無意識のうちに。
成美ははじめためらいがちに、けれどもすぐにしっかりと、彼女の手を握り返した。
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担当ゲームマスター
桂木京介
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月12日
参加申し込みの期限
2015年10月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月19日 11時00分
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