ぶっとべ！　いきなり旅でしょう？！｜リアクション

ぶっとべ！　いきなり旅でしょう？！

『民芸品チャレンジ（長崎編）』

「さてー、はるばるやってきました、長崎でーす！　今回、俺こと青木学は長崎の民芸品製作にチャレンジしてみようと思いまーす♪」
　青木学はハンディカメラを片手ににこやかに笑った。そして、彼自身も撮影しているスタッフさんたちとかを撮影しているのである。
　ちなみに、学のハンディカメラが撮った映像には、モニターの端っこに『●REC』の文字がちゃんと映っている。
　寝子島で話しかけられた際も「まかして！まーかして！俺まじテレビって憧れてんの！」とものすごく乗り気だった。
「長崎の民芸品、と言ったら……カステラとか、びーどろとか、色々思い出しますよねぇ？」
　そう言っている間にカメラは学が撮った映像に切り替わる。彼のカメラが映したのは、『佐世保』と書かれた看板であった。そう、学は佐世保へとやってきていたのであるっ。
「今回は、長崎の和っぽい所に注目してみようと思い、ここ、佐世保にやってきましたっ！」
　そして、スタッフさんのカメラ映像に戻り、にこやかな学の姿が映り出る。彼は片手にちょっと丸みを帯びた、どんぐりっぽい形の独楽を手にしていた。

　――チャレンジ！　佐世保独楽に絵付け！！

　学たち撮影クルーは、交渉の末撮影許可を得た。そして絵付けチャレンジに関しても快く紹介してくれた。
　学は早速職人さんから手ほどきを受けながら絵付けにチャレンジ。自分のカメラも準備して、しっかり撮影。
　そこでふと、気になったことをスタッフに問いかける。
「そういえばだけど、この番組ってさ、ロゴとかキャラクターとかってある？　ないの？」
　スタッフ曰くロゴはあるらしいが、キャラクターはないとの事だった。
「そんじゃ、ロゴと……ボタモチさんみたいな猫を描いちゃえ！」
　楽しげに筆をとる学。絵の具を混ぜて色を作り、ゆっくりとロゴから描き始める。だが、番組のロゴを丁寧に書き入れ……ようとして苦戦していた。丸みを帯びた文字と、独特の丸みを帯びた独楽が原因らしい。
「これさ、結構描き難いね。あぁ、歪んで……えぅ？　あ、はみ出たっ？！　い、今の無し！NGってことにしといて？！」
　慌てる学だが、はたと「いや失敗もあった方が面白いかな？」と考え直す。スタッフは「このままいっちゃえ」と明るく返し、気を取り直して絵付け再開。
　学は時折己のろっこん『POV』（対象者に外付けレンズを持たせる事で、対象者の視界を己が持つビデオカメラで撮影できる）を使用し自分の視点からの映像も撮影する。独楽と筆を持ち、少しずつ描かれていく様がありありと見ることが出来る。
　ちなみにばっちりオンエアされている事に後ほど気づくのだが、この時は「使ってもらえたらいいなぁ」と願っていたことを付け加えておく。
「おー、なかなかよか手つきですね」
「えっ？　マジ？」
　職人さんに褒められ、顔が綻ぶ学。彼はいつになく真剣な顔で絵付けしていき、しばらくして……、完成っ！　カラフルなオリジナルの独楽が出来上がった。
「できたーっ！！　なかなかよく描けてるとおもうけど、どう？」
　スタッフさんや職人さんに見せれば、ボタモチ風な黒猫が『ぶさかわいい』と大好評。絵付けの出来に、学自身も満足していた。

　そして最後は勿論、シメの挨拶。学は、心から楽しそうな笑顔で連絡先を描いたフリップを持ち、カメラの前に立った。
「絵付け、なかなか難しかったけれど楽しかったなーっ！　という訳でこちらでの体験は本来、要予約だそうです。チャレンジしたい方はこちらまでご連絡ください！　以上、青木学でしたっ！」

『民芸品チャレンジ』（長崎編・終）

学「これ、いつ放送されるの？　俺も見たいなー！」
スタッフ「編集作業もあるし、約１０日から二週間でみてくださいね」