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『向日葵』、秋のお誘い
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◆
店内を見回して、
御剣 刀
は少しばかりほっとした。
以前『向日葵』では――正確には、その向かいのひまわり畑で――ちょっとしたトラブルがあった。
その解決に一肌脱いだこともあって、あれから何もないかは心配だったのだ。
「あれからは何事もないようだ、よかった」
うんうん、と腕組みしひとりごちる。
「そうだな。本当によかったよ」
と隣からの声に視線を向ければ、修がカメラ片手にひらりと手を振っていた。彼もまた、ひまわり畑の一件では共に奮闘した仲間だった。
『向日葵』が何事もなく営業していて安堵したのは、彼も同じだろう。
「ああ。そうと分かれば、美味しいお菓子を存分に楽しむぞ~」
そして速やかに食いしん坊バンザイモードに。もちろん感想はちゃんと伝えるつもりだ。あくまで試食会だし。
「ご注文は?」
と問う、変に力の入った声に視線を上げる。日向ではなく男の声なことに疑問を抱いたのは、ほんの束の間。
「あれ、篠崎?」
そこに居たのは、響也であった。以前、ニャンホーキャッチャーで協力した中である。
修の方もそちらに気付いて、カメラのシャッターを切っていた手を止めて振り返った。
「なんで篠崎が注文を?」
「友達と手伝いに来てて、厨房の手が空いたからさ。つーか八神も来てたのか。今日はあの猫じゃなくて犬と一緒なんだな」
「ああ。柴犬のカーキーだ。毎朝起こしてくれ新聞を持ってきてくれる賢い子だぞ」
とても嬉しげに話す修。すると、カーキーの尻尾がふりふりと揺れた。
「で、篠崎」と刀が話を戻す。
「俺、食べられるなら全部食べたいんだけど、大丈夫かな?」
「全部? えーっと、待ってくれ。それは俺じゃなくて」
と響也が厨房の方を振り返ると、折良く日向が顔を覗かせたところだった。
「あ、ちょうどよかった日向さん! 試食メニュー全部食べるって大丈夫ですか?」
「ええ、もちろん大丈夫ですよ。全部について感想を聞かせて頂けるなら、それが一番ですから」
それを聞いて、小さくガッツポーズする刀。大勝利である。
「じゃあ全部で。あと飲み物はぬるま湯で」
組み合わせるならお茶がいいのだが、試食会だし口の中を洗い流してリセットした方がきっと良い。
となると、ぬるま湯が一番いいのだ。
「はいよー。試食メニュー全部、それにぬるま湯お願いします。八神は?」
「俺はサツマイモを使ったものを一通りもらおう」
サツマイモと聞いて、カーキーがまた尻尾を振り始めた。そんなカーキーの頭を、微笑ましげに修は撫でる。
なお、カーキーは最初は外で待たせていたのだが、日向に確認したらオッケーが出たので今はこうして中に居る。
「よしよし、お前もサツマイモ大好きだもんな」
整腸作用とビタミンもあるし、美味しいし。いいことづくめである。
◆
「新作メニュー、如何でしょう?」
日向に問われ、修は頬をほころばせて答えた。
「おいしいです、流石ですね」
そういえば、と言葉を続ける。
「どうしてこの三種類を材料に選んだのです?」
「そうですねえ……秋から冬にかけてが旬のものを使おうと、思いまして。それで思い至ったのが、りんごと柚子とサツマイモだったんです」
どれも和菓子としてはあまり見ない方で、物珍しさという部分もあったらしい。
「確かに。探せば出てはくるみたいですが、あまり普段見かけることは少ないですしね」
「ええ。他にも何かこの三種類で出来るメニューはないかな、とまだ考えたりはしているんですが……」
その言葉に修は少し考える素振りを見せた後、一つ思いついた顔で人指し指を立てた。
「なら、中華まん……はどうでしょう?」
「中華まん、ですか?」
「ええ。三種類を餡として――」
見た目の区別は、各々に応じた色の食紅で小さな模様をワンポイントで皮に。保温器に入れておけば良いから、提供もすぐにできる。
「それに、もうそろそろ・暖かい物がほしい季節ですから。暖かくて食べ歩きが出来るオヤツがあってもいいのでは、と」
ふむう、と思案げに小さく唸る日向。ぶつぶつと小声で呟く声には、「保温機……予算……」とか、そんな言葉が混ざっている気がした。
やがて顔を上げて、日向は微笑んだ。
「ありがとうございます、少し考えてみますね。ひとまず、こちらも一度試作してみませんと」
「いえいえ。楽しみにしています」
◆
刀が最初に食べたのは、りんご最中だった。
「うん、美味しい」
口に運ぶなり、自然にそんな言葉がもれた。
皮がサクッとしていて、その後に林檎の甘味が口の中にふわっと広がる。
さわやかな甘味とほのかな酸味を堪能しつつ、しっかり試食の役目を果たそうと思考する。
「最中をサクッとさせるために、水気はあまり無い方がいいかもしれない」
ただ、言葉を続ける。
「持ち帰る訳じゃないし、最中が短時間保てばいいと割り切って林檎の旨味を全部出すために水気までしっかりと入れてもいいかも。……感想ってこんな感じで大丈夫ですか」
ふっと視線を向けると、「はい、ばっちりです」と日向は笑っていた。
出来ればこちらにも、と差し出したされた紙を受け取りつつ次へ。
今度は、サツマイモのわらびもち。
ぷるぷるもちもちの食感に、思わず頬が落ちそうになる。それに、
「うん、これは芋の甘みを上手く使ってて甘すぎないのがいい。甘いのがキツイって人にいいんじゃないかと」
甘さ控えめメニュー、一つくらいはあってもいいと思うのだ。
お茶の味も壊さないだろうし、お茶請けとしてもよさそうだ。
――と感想を言いながら、次々と食べて進めていく刀だった。
◆
全部食べているのは、なにも刀だけではない。
仙藤 紫
もその一人だ。
やっぱり試食会というからには、全部の新作メニューを一応試さなければと思うのが人情というもの。
それに、全部試食しておかないことには評価のしようもないことでもあるし。
評価を求められている、ということで集中しているのかいつも以上に淡々としているようにも見える。
しかし一つ一つ、丁寧にしっかりと味わいながら食べているのだ。
そしてあるいは、よく観察すればわかったかもしれない。
表情、と言うにはあまりにも小さく微かな、頬の動きや目元の緩みがあることに。
そう、間違いなく彼女は喜んでいるのだ。新作メニュー、一つ一つの味に。
そんな彼女の元へ、唯がぱたぱたと歩み寄ってくる。
「あの、感想・ご意見は、こちらに……と」
「わかったわ、ありがとう」
差し出されたのは、どうやら評価を書きつけるための用紙らしい。
「お手数をおかけしますが、よろしくお願いします」
お盆を抱えて厨房に戻っていく日向の声に、「ええ」と返す。
少人数とはいえ一人一人聞いていくのは大変だろうし、後々の参照性という点でもこういう形のほうがいいだろう。特にそこに文句をいう筋合いはない。
さて、と。
紙とペンを手に、少し考える。
嘘は書きたくないので、感じたままのことは書かなければならない。
基本的には満足しているし、つつく点があるとすればそれは細かい部分になる。
うっかり日向を傷付けたりするようなことは、書かないようにと気をつけなければ。
「そうね……」
しばしペンは止まっていたが、やがてさらさらと走りだした。
りんごを使ったお菓子は、どれも甘味と酸味のバランスが崩れないようにしているのが高ポイント。
さつまいものお菓子は、ややほっこり感が足りないような。
わらび餅は個人的に好き。
ゆずを使ったお菓子は、最中の出来がいい。
……これなら、傷付けたりすることもないだろうか。
ペンを置いて、小さく息を吐く。
目に留まるのは、新作メニューの一覧表。
ドリンク合わせて七品目、紫は今日これを全て食べたわけだ。……カロリー超過は免れ得ないだろう。
「少し食べ過ぎたかな……明日は水泳部の練習に出て、帳尻を合わせなきゃいけないわね」
一口水を飲んで、ぽつりと呟いた。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年09月17日
参加申し込みの期限
2015年09月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年09月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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