熱血！　寝子島不良外伝！　～西鬼末旧聖主伝説～｜リアクション

熱血！　寝子島不良外伝！　～西鬼末旧聖主伝説～

【外から見た喧嘩の風景、影で活動するもの】

「……校舎付近に何やら置いてあるな」
　八神修は全神経を集中させると、進化したろっこん【分解】を使用する。
　ほのかに照らされた校舎の下にあった危険な何かはきれいに分解された。
「……暗いな」
　西鬼末が盛大にやっていたせいで、運動場のグラウンドはあまり大きく視界を損ねない。
　しかし、奥に行けば行くほど外套や薄明かり、星明りがあるとはいえ暗いのは間違いない。
「ドローンで上からとっているという説もあったが、間違いか？」
　修の目的は、この事件を裏で監視している男を探すことであり、同じ目的の人間と共同して事態に当たっている。
　しかし……。
「あぁ、油断していると……」
　西鬼末に挑む側のことも見えてしまい、そちらのことも気になってしまう。
　ちょうど、源三と新の形勢が西鬼末に傾いたところで叫びたいのをぐっとこらえた。
「今は、自分のことをやらなくては……！」
　そういって自分のやることに集中した。

「メールは、ないか」
　一方そのころ、携帯を片手にサキリ・デイジーカッターは南校舎を歩いていた。
　人間が廊下を通れば足音が響くはずだが、彼は最小限の動きだけで廊下を歩いていく。
　サキリもまた、謎の男を探している。
（敵が賢い奴ならまず、脱出経路を考える筈だ。一階は運動場から見つかり易い上に廊下と窓側から挟み撃ちにされる危険があり、三階は窓から飛び降りて逃げる際に高すぎる）
　そう判断すると、まず二階へと向かう。
　非常階段近くで逃げやすい教室に向かう。
　すっと扉の奥に耳を澄ませる、やがてゆっくりとドアの隙間をあけ覗き込む。
　……いない。
「……ここにいない？　とすると……どこにいる？」
　まだ、男は見つからなさそうだった。

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