熱血！　寝子島不良外伝！　～西鬼末旧聖主伝説～｜リアクション

熱血！　寝子島不良外伝！　～西鬼末旧聖主伝説～

【開幕特攻】
　魚塚源三が不良どもの囲みを抜けて、運動場に到達にした時だった。
　西鬼末はじろりと、兜越しから源三を見ると甲高い声で笑う。
「ひゃーーーひゃっひゃっひゃ！　来やがったな！」
　表情は分からないが、源三から見て一目で異常に気が付いた。
　上半身にきているはだけた学ランから見えるやけどの後、無数の傷跡やその眼光。
「こいつは強そうだ！　アニキ！」
「やってやろうじゃねぇか！」
　同じく、不良の囲みから抜けてきた玖珂新が現れる。
「行くぜ！　俺とアニキのコンビネーション！」
「喧嘩に卑怯もクソもねぇからな！　行くぞゲン！」
　そういって、2人は西鬼末に殴りかかる。
「ひゃっはー！　それこそ寝子高だ！」
　そのまま、西鬼末はキャンプファイヤーから一本の棒を取り出す。
　それは、火かき棒のような金属製の何かだった。
「食らいやがれっ！」
　そしてそのままそれをただぶんなぐる。
「ぎゃぁぁぁっ！」
　ジュウ、と肉の焼ける音が響き渡る。
　その一撃は源三に直撃し、とっさに顔を守った腕を焼く。
　源三は、思わずその場に膝をついてしまう。
「おらっ！」
　しかし、新はそれを一瞬だけ気にするも、信頼もありそのまま西鬼末に一撃が入る。
　ろっこん【心火の拳】によって強化されたその一撃は、西鬼末の腹に入る。
「ぐっぇ……なんていうと思ったか！」
　しかし、西鬼末は痛みを無視すると、その手をつかむとそのまま源三に新を放り投げる。
「おぉぉぉぉっ！」
　しかし、源三はちらりと新が投げ出されてくるのを見ると、その身で新を受ける。
　腕はどうだ？　見れば、ゆっくりとやけどの跡が治っていく。
　源三のろっこん【DIEハード】によるものだ。
「みょうちきりんな不可思議能力か！　いぃ～～～ねぇ。殴っても回復するんなら、壊れるまで殴ってやらぁぁぁぁぁ！」
　しかし、西鬼末の執念の火は消えない。が、思い直したように指示を出す。
「崩れたぞ、囲め！　囲め！」
　応と不良たちが答えて、源三と新を囲みこむ。
「ちっ！　近づけねぇですぜアニキ。どうしやす？」
　源三は、当初は攻撃を受け切って羽交い絞めするのが狙いだったがそれは失敗した。
「敵の執念を低く見積もりすぎたか……隙を見せるまで雑魚の始末だな」
　そういって新はにやりと笑う。まだ士気は萎えていない。
「おっしゃ、コンビネーション、みせてやりましょうぜ！」
　源三のその言葉に新はしっかりと答えた。
「テメェは燃やす。覚えとけ！　ゲン行くぜ！」
　こうして、2人は目の前の雑魚をいったん片づけることに決めた。
　他方でも戦いが始まっている。
　次は誰か挑むのだろう？
　雑魚の壁は厚く、いつ突破できるかわからない。
　しかし、西鬼末に再び挑むため、目の前の不良を倒すことにした2人だった。

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