ここはシーサイドタウンのとある路地裏。
灯 斗南は、日課としている夜の見回りを終えて帰宅しようとしていた。
「んー。今日も異常なさそうだな、よしよしっと」
斗南はろっこんを悪用する悪いもれいびがいないか、見て回っているのだ。
その時、足が滑る感覚と何とも言えない浮遊感を味わう事となる。
ポケットに手を突っ込んでいた斗南は、思い切り良く尻餅をついてしまった。
「こ、これは……?」
薄暗い道の上、不自然に長細く氷が張って、氷の道ができていた。
立ち上がって仮面をつけると、ろっこん【イグニッションハート(点火する心)】を発動。
ろっこんで作った炎を手に、どこかへと続く氷の道を歩いていった。
廃墟のような建物にたどり着き、扉をあけた時、あまりにもフツウではない事に斗南は動揺し、炎が揺れる。
「だ、大丈夫か!?」
そこには、氷に閉じこめられた若い女性の姿があった。
炎で氷を溶かすと、幸いなことに命に別状はなさそうだった。
女性を抱きかかえた直後、突然廃墟の中から凄まじい風が吹き荒れた。
風が容赦なく斗南と若い女性を襲い、遠く表通りの方までとばされてしまった。
なんとか女性を守りながら着地ができ、通りがかった警察の手によって女性は救急車で運ばれ、無事だった。
そして、哀れ斗南は警察に追いかけられる羽目になってしまった。
犯人を必ず捕まえてやる、と思い描きながら夜の街を走りつづけた。
警察をまいた斗南は、再び静けさに包まれた路地裏に戻ってきた。
あの廃墟の中を調べる必要がある、そう思ったからだ。
「おや?」
廃墟のまわりには、数人のもれいびが集まってきていた。
そして、灰色の猫が一匹、塀の上に立っていた。
猫の形を成したらっかみ、
テオドロス・バルツァは集まった者の頭に直接、呼びかけた。
「ここにいるワケは、わかるな? どうやらクローネに何かされたもれいびがいるらしい。なんとかしろ」
血の気の多いもれいびが早速走り出そうとしたそのとき、テオが付け加えた。
「それと、もう1人女が囚われている。気をつけろ」
●●●背景●●●
とある廃墟の中にろっこんを悪用する悪いもれいびたちがいます。
放っておくと寝子島の秩序を大きく乱すこととなりそうです。
寝子島のため、フツウの楽しい生活のため、悪いもれいびを懲らしめてください。
また、囚われた女性がいますので、可能であれば救助をお願いします。
囚われたのは、快活な世話焼き少女の三宅 ゆりという中学生です。
友だちの家に泊まりに行くと言って出かけたため、親は事件に気づいていません。
●●●舞台の廃墟●●●
2階建ての小さな元オフィスビル(地下あり)となっています。
長く使われず朽ちているのか壁や床に、ところどころ穴があります。
オフィスの時代に使われたと思われる家具や備品は残っているが、ほとんど氷でコーティングされています。
悪いもれいびの所為で常に気温が低い上に風が吹いていて、寒い状況です。
●●●登場人物●●●
・三宅 ゆり(みやけ ゆり)
学年・職業:寝子島中学3年2組
年齢 :14歳
性格 :ギャル予備軍などと言われているが、だらだらしてることが嫌いで、テキパキしてる。
●●●敵情報●●●
以下の情報はプレイヤーのみが知ってる情報として、アクションに活用してください。
名称 :虎折 ショウ(こおり しょう)
性質 :氷を使うもれいび。なんでも冷凍保存するのがマイブーム。
氷漬けにする、殴る時に拳を凍らせるなどで攻撃をしてきます。
弱点 :炎を極端に嫌う。
名称 :風切 トバシ(かぜきり とばし)
性質 :風を使うもれいび。なんでも飛ばすのがマイブーム。
吹き飛ばしの他に、風をまとわり付かせ、近付けなくなったりします。
弱点 :力の加減が不安定。
どちらも神魂エネルギー増強中につき、氷と風を使ったいろいろなことができてしまう状態です。
また、お互い仲が良いらしく、協力攻撃を行う場合もありますのでご注意ください。
●●●その他●●●
Q:路地裏とか入った事ないんだけど…。
A:たまたま通りがかった人、テオに呼び出された人、噂を聞いて駆けつけた人、理由は様々で構いません。
また、戦闘については協力して戦っても良いですし、それぞれ独自に動いても大丈夫です。
Q:三宅 ゆりはどんな状態で凍らされている?
A:目を瞑り、「気を付け」よりふんわり両手を広げた状態です。何がとは言いませんが、絶対に見えません。
Q:心に直接話しかけられるってどんな気持ち?
A:体の中にスピーカー入れられる感じじゃないでしょうか…。きっと…。