旧市街に店を構える甘味処、神楽。
最近代替わりをし新しく店舗を預かることになったのは、エクル・ベレーという異国の女性だ。
持ち前の社交性でなんとか常連さんを引き留めて店の運営を続けているが、それも最近陰りが見え始めてきた。
理由は簡単。繊細さが失われ老舗の味ではなくなりつつあるとのことだった。
メニューも製法も変わらないが味が少しずつ変わってきているとのことで、店主となったエクル本人も頭を悩ませていた。
先代の老夫婦に相談をしてみたが、訳知り顔で「そのままでいい、今のままやってみなさい。本当に危なくなったら口を出すから」としか言われていない。
穏やかな表情でそう言われている辺り、エクルも信頼されていると理解しているのだが、やはり現在の状況が芳しくなければ悩んでしまうのも無理はない。
「うーん、どうしましょうか……」
「そのままでいいって言われてるんだから、いいんじゃないかなあ?」
もともとの店主である老夫婦の孫であり、店でアルバイトもこなす学生の神楽結依はあっけらかんと言った。
そして、知恵を授けるように結依はエクルに助言をする。
「変わったって言われるくらいなら、本当に変えちゃえばいいんだよ! 新メニュー試食会とかどう!?」
「それ、結依さんが食べたいだけじゃ……」
「うへへ、ばれた? まあでも、新メニュー開発兼無料試食会とか、開催したら物珍しさで人が来るかもよー」
「うーん、悪くはないかなあ……?」
「時期も時期だし、夏メニューと秋メニューでどう!」
「わかりました。そこまでいうならちょっとチラシ作ってくださいね」
「まっかせてよ!」
と、そんなこんなで夏真っ盛りのこんな時期に、夏用の新メニューと秋用の新メニューを考えてそれを食べてしまおうという甘味試食会が催されることになったのだった。
「テイクアウトとイートイン用が最低でも一種類ずつ決まればなんとかなるかもしれませんね」
はじめましての方ははじめまして。来宮です。
今回は旧市街の一つのお店を舞台にしたシナリオをお届けします。
と、いっても、交流メインで難しいことはありません。
参加動機は、チラシをみてやってきた、当日通りかかったらおもしろそうだったから参加してみた等の理由で大丈夫です。
甘味処、神楽は、イートインスペースが12席ほど(座敷席4人掛け2つ、テーブル席2人掛け2つ)しかなく、基本はテイクアウトのお店です。
取扱商品はよく見かける和菓子全般と寝子島の名産品を取扱い、イートインの場合のみ飲み物を提供することができます。
元々は地元の神楽老夫婦が営んでいましたが、寄る年波には勝てず店を閉めようかと考えてたところで、アルバイトをしていたエクル・ベレーが店を引き継ぎたいと申し出て譲った次第です。
簡単に纏めたシナリオ内容、また判定基準、エンディングについて。こちらの項目を読めば、ある程度参加の目処は立てやすいかと思います。
こちらの各項目の説明は来宮のマスターページのマスターコメントの見方の項目を参照ください。
内容:お菓子作り、または、試食会への参加
相談:意思疎通程度には必要
参加:おひとりさまOK、GAの場合3名程度を推奨
掘下:なし
物品:持ち込み不可(お菓子作りに必要な品物は揃っています)
判定:緩い
2重:可、但しダブルアクションの場合内容が薄くなることにご注意を
今回のシナリオは新メニュー考案もしくは試食会に参加した雰囲気を味わおうというのがコンセプトです。
和気藹々と新メニューを作るもよし、食べるもよし。作ったでろでろした物を無理矢理食べさせるもよしです。
また、基本的にはお菓子作りのシーンも試食のシーンも、やりとりがメインとなります。
なるべくアドリブ度はSにしておいた方がよいかもしれません。
エクルや結依にアクションをかけることもできますが、二人は新メニュー考案のフォロー程度にしか動きません。試食会についても同様です。アクションがあれば不都合ない程度に動きます。
新メニューについては「これは!」という内容がありましたら、新メニューとして今後店頭販売されるようになります。アクションの腕の見せ所です!
雰囲気だけ楽しめればというかたも、勿論雰囲気をお楽しみいただけるようにリアクションを製作致しますので遠慮なくご参加下さい。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。