北の森の奥が鈍色に輝き続けている。
そして、その光を纏うはミャトゥ遺跡“だった建物”である。
――月影塔(ミズガルズタワー)。
かつて、星幽塔(アストラルタワー)と対を成していた双子塔の片割れ。
それは第一階層の天を貫き、悠然とそびえ立っている。
一時は第一階層の存亡の危機に関わった月影塔だが、ここ2年弱は何も音沙汰がなかった。
「それこそが問題だったのだ!」
そう息巻くのは
ラピス・D・マクレガーだ。
月影塔第一階層大元帥にして人形の魔女、そして古代神話に登場する双子座のアステリズムである。
スチームパンク風の軍服に深紫色の髪から突き出るダイアモンドの双角。不遜な黄金の眼差し。
背丈こそ小さいが、統治者としての威厳に満ち溢れている少女然としたラピスは、先日のネコジマダンジョンの発生原因を月影塔第一階層の居城で究明していた。
その結果、由々しき事態が判明する。
「月影塔のみならず、星幽塔にも昨今の星の力が減っているのである! このままでは、
寝子島の暦に換算して、3月になると双方の塔が寝子島に落っこちるぞ!」
最盛期に比べ、すっかり星幽塔に来る寝子島住人達の数はめっきり経てしまった。
そのため、寝子島の上空に浮かび続けていた星幽塔は、次元移動が始まりかけているらしい。
「要するに、月影塔を3月までに最上階の第六階層を踏破しなければ、寝子島と星幽塔との隔たりが瓦解し、隕石のように寝子島の空から現実世界へ堕ちてしまう恐れが出てきたのだ……!」
そうなったら、寝子島なんて吹っ飛んでしまうだろう!
なのでラピスは告げる。
「聞こえているか! かつて星幽塔で名を馳せた勇士達よ! 月影塔の早期踏破を成し遂げよ! 月影塔は第六階層まであるので、急がなくてはならない! まずは第三階層で
『うお座の魔星の力』を復活させよ!」
星の力の衰退原因のひとつは、どうやら魔星の力が揃っていないことが挙げられるらしい。
月影塔第二階層から第三階層へ赴き、階層主を目覚めさせなくてはならないそうだ。
「第三階層の主は……まぁ、なんだ、妾と所縁が深い古代アステリズムのひとりでな……とにかく、会えば分かる。彼奴がいつまでも寝ているからこうなっているのだ、とっとと叩き起こしてこい!」
そういうと、ラピスは顔を真っ赤にしてそっぽを向いてしまうのだった。
「おいおい、聞いたかよ? このままじゃ寝子島が粉々に潰れちまうぞ!」
桜井 ラッセルは今までで一番規模のでかい死亡フラグを聞いて目を回しそうだ。
ラッセルだけではなく、この話を聞いた冒険者達は全員、寝子島壊滅の危機を救うべく、果敢に月影塔踏破を目指すのだった!
「寝子島と星幽塔は、俺達が守るぜ!」
寝子島滅亡まで、あと1ヵ月(らっかみ空間換算)……!
ドーモ、らっかみプレイヤーのみなさん。乾物こと焼きスルメです。
さあ、フツウを満喫したいなら、戦場でダンスしようぜ!
概要
【現在の状況】
いつの間にか月影塔はニョキニョキと星幽塔の中で元の姿まで伸びきっていました。
だがこれにより、星の力のパワーバランスが大きく崩れていたことがつい最近になって判明。
このままで、3月に寝子高卒業式の1時間後に星幽塔が現実世界に具現化して墜落します。
【今回の目的】
月影塔第三階層の主『イヴァン・ナハトジーク』を目覚めさせることです。
しかし、第三階層は『死者と闇の世界』であり、生者が足を踏み入れると真っ暗で何も見えません。
ですが、今回の作戦に参加する者達へ、ラピスは発明品を手渡しました。
それは『耳栓』『アイマスク』『鼻栓』『マスク』『全身タイツ』です。
何故?と思うでしょうが、理由は単純明快。
第三階層は、自身の五感の一部を遮断しないと真の姿を見せてくれないのです!
全てを遮断すれば、完全に城下町と宮殿や人々の姿を完全に『認識』出来るようになります
(ただし遮断された感覚は使用できないので、五感のうち最低ひとつは残す必要があります)
そしてこれが「うお座の魔星の力」に関わってくるのだとか………。
ちなみに、支給された魔法の発明品5種のうち、いくつでも借り受けることが可能です。
【第三階層の主について】
第三階層自体はそこまで複雑な造りではありません。
規格外の巨大な城下町と宮殿がドカンと階層全土を占めているからです。
城下町には『かげびと』と呼ばれる、身体の一部もしくは全身が鉱石や宝石で出来ている種族が暮らしており、皆が王様である第三階層の主の目覚めを心待ちにしています。
しかし、今までどんな方法でも主は目を覚まさなかったそうです。
階層の主『イヴァン・ナハトジーク』は、ラピスと同じく人形魔法の使い手です。
ですが、彼の場合は『自分の自我をコピーした人形を複製できる』魔法のスペシャリストで、実質、永遠の命を持つと言われています。
もしかしたら、宮殿に眠るイヴァンは何らかの原因で自我の複製にエラーが出た恐れがあります。
エラーを解消するためには、膨大な星の力を注ぎ込む必要があります。
城下町の住人と積極的に交流を図ったり、イヴァンへ直に星の力を注ぐなど工夫してみましょう。
もし参加者のどなたかに、ラピスと親交がある方がいた場合、ラピスも今回の作戦に同行するでしょう。
(呼びかけがない場合、参加しません。どうやら階層の主と逢うのが後ろめたいようで……?)
《参照文献》
https://rakkami.com/scenario/guide/2252
【ラピスの証言】
妾とイヴァンは、遥か古代の魔術の師の元で励んだ門下生であった。
当時は星幽塔も戦乱と混沌の時代であったが故、共に外敵から塔を守り、切磋琢磨しあい合った。
……いつしか、その、妾とイヴァンは、互いを異性として意識するようになってな……。
しかし、我が宿敵、姫騎士ブリュンヒルデの策略で妾が謀られて処刑されたことで、どうやらイヴァンは『不死の研究』に没頭するようになってしまったらしいのだ……。
イヴァンが目覚めぬのは、童にも一因がある……。故に、今更ながら会わせる顔がないのだ……。
【このシナリオで出来ること】
(1)イヴァンへ星の力を与え、うお座の魔星の力を完全復活させる(条件:強い星の力を持ち込む)
(2)ラピスのイヴァンの込み入った話に決着を着けさせる(条件:ラピスと面識があること)
(3)『かげびと』との積極的な交流で星の力を稼ぐ(条件:困ってる城下町の住人の手助け)
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
それでは、皆様のご参加をお待ちしてます!