寝子島のスクランブル交差点で人々は一斉に足を止めた。信号待ちの時間を活かし、仲間内での雑談が始まった。他方では片脚を苛立たし気に揺すり、何度も信号機を睨み付ける者がいた。
エレノア・エインズワースはクロアゲハをモチーフにした日傘をクルクルと回す。色を合わせた黒のワンピースには袖がなく、傍目に涼し気に映る。個人の趣味なのか。スカートには多くの髑髏が密やかに散りばめられていた。
――悪い冗談ではないようですね。
緑色の目は交差点の中央を眺めている。名案を思い付いたという風に目を細めた。
歩行者信号が青に変わる。人々が一斉に動き出した。
エレノアは傘を回しながら中央へ向かう。なんの躊躇いも見せず、落ちていた武器を拾った。周囲にアピールするように握った物を高々と空に突き上げる。周囲の人々は関心がない様子で先を急いだ。
エレノアの口角が上がる。日傘と同様にクルクルと回しながら自身も歩き出す。
――面白い玩具を手に入れました。
冷ややかな笑みを浮かべ、獲物を探すような目を周囲に向けた。
物騒なタイトルのシナリオの始まりです。実はバイオレンス系ではなくて、ほんわかした要素も取り入れています。
詳しい説明に入る前にエレノア・エインズワースさん、シナリオガイドへのご登場、ありがとうございました。
本シナリオにご参加の場合、シナリオガイドに縛られず、自由にアクションを綴ってください。
それでは改めて詳しい説明に入りたいと思います。
∞∞∞ 今回の舞台 ∞∞∞
舞台は寝子島で島全体を範囲とする。
曜日や天候は各々のアクションで自由に決めることができる。
∞∞∞ 武器の種類 ∞∞∞
魅了の拳銃:心臓を狙って撃つことで二人の感情を高ぶらせて意識させる(リボルバー、オートマチックなど)。
縁絶ちの大鎌:狙う部位は自由。斬り付けた相手の様々な縁を切ることができる(病気、失恋、腐れ縁など)。
自死の短刀:白鞘に収まった刃物で自死させる。抵抗しても死は免れない。
両断の大太刀:凄まじい切れ味の日本刀。扱う人物の技量によって対象が広がる(樹木、ポスト、電信柱など)。
招きのトンファー:一対の武器に微小の穴が無数にある。振ると特定の物を呼び寄せる音を出す(動物、虫など)。
※武器は手にした直後、使用方法や効果を自ら理解する。
武器の共通した特徴
どの武器にも殺傷能力は無い。一度の効果で漏れなく消失する(空振りや標的を外した場合は消えない)。
武器は基本、見つけた本人(PC)にしか見えない(霊感の強い者には薄っすらと見えることもある)。
武器を持った者同士では見える。戦うことも可能だがGA限定とする。
武器による効果は安定しない。気休め程度の効果はあるかもしれない。
少し長くなりましたが説明は以上になります。
かなり変わった武器をどのように使うのでしょうか。
皆さんなりの解釈でアレンジに挑戦してもいいですよ。
ご参加、お待ちしています、敬礼!