それは、のどかなある日のこと。
猫好きの少女、
綾辻 綾花は目撃しました。
二本足で歩く猫を。
良く見れば1匹や2匹ではありません。
二本足で立って『キリッ』とドヤ顔をしている猫が何匹も居るではありませんか。
最初は、目の錯覚だと疑いませんでした。
しかし、確かに二本足の猫がコンビニに入っていく姿を見たのです。
立つ足まで『シャッキリ』とさせて、猫たちが大量のロウソクやらマッチやらウチワやら、何故か売っていた光るビー玉やらをどんどん順番にカウンターに置いていきます。
戸惑いながらレジを打つ店員さんをよそに、複数の猫が分担で運び出していき、最後の猫がカウンターの上にマタタビを置きました。
「にゃー…(釣りはいらねぇぜ、にゃ…)」
そのまま、背中で男を語って去っていきました。
綾花は、噂を思い出しました。
──エノコロ岬に、突然謎の大岩が出現したらしい。
――ネコがその岩に集まっているらしい。
――触れるとそのまま『猫の王国』とやらへ旅立ってしまうらしい。
綾花は二本足で歩く猫を追い掛け、まさにその噂通りの現象を目撃しました。
二本足の猫たちは、岩に触れると消えてしまったのです!
綾花はその岩に恐る恐る手を伸ばしてみました。
そして──岩に触れた途端、かすかな眩暈と共に、彼女の目の前は真っ暗になったのです……
「起きるニャ! 起きるニャ! このめでたい日に寝てどうするニャっ!!」
綾花が目を覚ますと、目の前には二本足で立ちはだかる一匹の猫がいました。
辺りを見れば、そこにはエノコロ岬の面影は全くありません。
綾花は、星ヶ丘より派手な……むしろ中世ファンタジーを思わせる街並みの一角にいたのです。
「せっかくの『王様』のお招きを受けたのにゃから、もっと喜ぶニャ!」
「王様? お招き?」
取り乱したように、綾花が尋ねます。
「今日は、我々『猫の王様』のお誕生日だにゃん!
王様はお祭好きだから、無差別に世界内外から客を招いてもてなすニャ!
さあさ、もっと楽しそうにして王様のお誕生日を一緒にお祝いするんだニャーっ!!」
綾花は気付きました。
自分の手、足、体のパーツ全てが『猫』のそれになっている事に……!
今日は『にゃんこ西暦222年』
めでたい、国王にゃんこの誕生日──
異世界で、にゃんこになってしまったあなたの一日。
さあさ、今日はとってもめでたい祭の祝日。
囲んでいるのは猫ばかり。
こんにちは、寒さの余り本気で冬眠しそうとなりました、冬眠と申します。
今回は、二本足で表情豊かになった猫達と、猫の王様の誕生日を一緒にお祝いする事が出来ます。
猫と戯れるもよし、祭を楽しむのもよし、猫の王様に好きそうな物を進呈するもよし。
今回のミッションは『猫っぽいナニカになってフリーダムに遊ぼう』です。
猫っぽいナニカですが、今回は二本足で立つ不思議な猫にも、4本足の普通の猫にもなれます。
それでは、現状をかいつまんで説明をさせて頂きます。
【現状】
○街中で、2本足で歩く猫が目撃される様になりました。
その数は増し、あっという間に噂は広がっています。
面白半分で、あるいはたまたま岬に遊びに来て、岩に触れて行方不明となった人もいるようです。
○ここは、大岩に触れたせいで飛ばされた異世界です。
行方不明となった人も、全てこの祭の中にいます。
今日は、にゃんこ西暦222年の国王にゃんこのめでたい誕生日のお祭の真っ只中です。
詳細は参加者のアクション次第で変動します。参加者の皆さまと猫の祭りを作りましょう。
○祭は二本足の猫達による盛大なものです。
世界内外から種族を問わず、客人を猫にして招いて祝ってもらおうという、極めてはた迷惑ですが無邪気なものです。
王様の城には、たくさんの猫が集まり、貢ぎ物をしたり芸を披露したりしています。
○ここに来た人(参加者の方)は強制的に猫の姿になります。
【2本足】か【4本足】かを、アクション内にご記載下さい。
(二本足では通常の猫のように動くのは困難ですが代わりに物が持てる、四本足では軽やかに動ける代わりに物が持てない等、アクションに影響が出ます)
○祭は一日。
祭が終われば、自動的に追い出されるように、元の姿で元の世界に帰れます。
行方不明だった人も皆元の場所へ戻されます。
○服ごと猫になっています。
所持物等は持ち込み可能ですが電波が通じない為、電子機器の使用は行えません。
それでは本日も、どうぞ良いにゃんこライフをお楽しみ下さい。