「ほーじゃの、ワシ面食いじゃけえのう。キレーどこ何人か揃えてもろーて、ほんで、よーけお菓子やらジュースやら用意してくれりゃあの。それがおもてなし、っちゅうもんじゃろ、の?」
そんな風にのたまう声は何だかころころとして、可愛かったりしますけれど。何ともこう、上から目線なのです。
ここは九夜山、三夜湖畔。
ででん! 水際に鎮座しておりますのは……
でっかい、ナマズ! でありまして。
大きさは、人間の大人がふたりは乗っかれるくらい。でっぷりと太って、ふんぞり返って偉そうなこのナマズの語る言葉を聞いてみますと、どうにも、本当にお偉いナマズではあるそうなのです。
「あー、たいぎいのう~。そこのお姉ちゃん、肩でも揉んでくれんかー?」
「……調子に乗るんじゃないよ」
ぬうん
ツッコミを入れたのは、何の因果かこの場に居合わせた、大変に頼りになりますところの、
桜崎 巴姐さん!
そのちょっぴりコワモテでじろりっとニラミを利かせますと、ナマズは、びっくん! ひとつ飛び跳ねまして、
「ッひィ……!? え、えーんか? ワシにそがあな態度取って……わ、ワシ、
暴れるど? 九夜山、噴火させちゃるけえの……!?」
「ちっ。まったく、面倒な子ナマズだねぇ」
そう。寝子島は現在、
お三夜まつりのシーズン真っ盛り!
何を隠そう彼こそが、
かつて三夜湖で暴れたと伝説に語られるナマズ、その末裔に当たる、由緒正しきナマズの中のナマズだと言うのです……!
と、ほんとかどうだか、少なくともそう自称しております。
「じゃけえお姉ちゃん、そーいびせい顔せんで。
お・も・て・な・し! してくれぇや、のっ!」
ご先祖サマのご威光をカサに着まくり、すっかり増長し切っておりますこのナマズの子供。お三夜まつりの一環で、三夜湖のほうも拝んでおこうかしらん、なんてえっちらおっちら山を登ってきた人間を捕まえまして、ちやほやせんと暴れるぞ! と脅しかけては、手厚い待遇を強要しているのでした。
といった感じで巻き込まれてしまった中のおひとりが、巴姐さんでありまして。
「……よおし。分かった!」
「ッひィ……!?」
げにそがーなわやなことがこのナマズにでけるっちゅーんかは分かりませんけれども、ともかく九夜山をどかんとやられてしまうのは、ひとえにご免被りたいわけでして。
姐さん、気合一発! ビクついた子ナマズへびしりっと指を突きつけ、宣言したのでした。
「良いだろう。そんなに言うなら、存分にもてなしてやろうじゃないか?
もてなして、もてなして、もてなし倒してやるから、覚悟するんだね!!」
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
ガイドには、桜崎 巴姐さんにご登場いただきました。ありがとうございましたー!
(もしこちらへご参加いただける場合は、上記のシーンによらず、ご自由にアクションをかけていただいて構いませんのでー!)
このシナリオの概要
今年も例年通りに開催される、寝子島神社大祭『お三夜まつり』。
そのさなかに三夜湖へと現れたのは、かつてこの湖が形成される要因ともなったと伝えられている、九夜山の大鯰……の子孫を自称する、ナマズの子供でありました。
彼は、『自分を丁重におもてなししないと九夜山を噴火させてやるぞ』と訪れた人々へ迫り、やりたい放題! 特に綺麗な、あるいはカワイイ女の子がお好みのようで、侍らせるわお酌をさせるわ、場はちょっとしたキャバクラ状態と化しております。何とも迷惑なナマズです。
今回はそんなナマズの子供を、彼の要求通りにおもてなしして差し上げて、どうにか気持ちよくお帰りいただくのが目的となります。
機嫌を損ねて九夜山を爆発させられてしまわないよう、存分にちやほやしてあげてください!
……それにしても、子供のうちからこんな贅沢三昧じゃあ、ロクな大人にならなさそーですね。ガツン! と言ってやれる立派なオトナが、どこかにいれば良いんですけれど。
アクションでできること
アクションでは、子ナマズに対してどういった態度で、どのように行動するか、等をお書きください。
●ナマズへの対応
基本的には、子ナマズをちやほやとしてあげて、ご機嫌を損ねることなくお帰りいただくことが目的です。
彼が好みそうな行動には、例えば以下のようなものが考えられるでしょう。
<行動の例>
○美味しいお菓子やジュースの差し入れ
○女の子のスキンシップ
○余興に一芸を披露
などなど。
上記は一例ですので、その他、何でも構いません。気に入ってもらえるかどうかは分かりませんけれど……。
ともかくある程度満足すれば、ナマズは帰っていくでしょう。
あるいは。
かの大鯰の眷属だとしても、子供は子供……オトナをナメ切ったこの態度は、ちょいと教育してやらにゃあなるまいよ! とお思いの方は、お説教などかましていただくのもアリです。
ただし、その結果がどうなるかは未知数。彼が機嫌を損ねてしまったら、九夜山は、そして寝子島は一体、どうなってしまうのか……!?
彼をスマートに納得させるには、何かしら説得力のある言動が必要になるでしょう。ご注意を!
その他、上記と合わせて、
・心情
(調子に乗りくさってコンチクショウ、お子様が背伸びしちゃってカワイーン、とかなんとか)
といったあたりもお書きいただけましたら~。
その他
●参加条件
特にありません。どなたでもご参加いただけます。
●舞台
九夜山は三夜湖畔とその周辺あたりが舞台となります。
何かしら必要な場合は、寝子島内の別の場所が描写されることもあるかも。
●NPC
○子ナマズ
お三夜大明神の伝承にも語られる大鯰の、孫だかひ孫だか……な、ナマズの子供。だそうですけれど、本当にそうなのか、あるいは神魂によって実体化した何らかの現象なのかは、良く分かりません。
身体はでっかくともまだまだガキンチョで、ワガママ放題の癇癪もち。ちなみにナマズ的には、幼稚園児ぐらいのお歳だそーです。
好きなものはお酒……はまだ飲めないのでジュースとお菓子に、綺麗なお姉さん。苦手なものは、猫!
以上になります~。ちなみにナマズのセリフは、墨谷がその昔某ヤンキー漫画で覚えたエセ広島弁(しかもうろおぼえ)なので、その精度には過度な期待を持たれませんようお願いいたします……。
それでは、皆様のご参加をお待ちしておりますー!