あれたべたいな、これたべたいな!
うぬ、そのおねがい、かなえましょう!
べ、別に好きってわけじゃない。咥える時についうっかり一緒に咥えちゃうだけだ
(指摘されて、目をそらしながら言い訳して)
やはりそういう事か……まあ君らしいといえばらしいけど、こんな傷だらけになるまでやるのはちょっと行き過ぎじゃないかね……
(ため息混じりにじとっと見つめつつ)
・・・お前ほんと俺の指好きだな
(食堂に続いて二度目の指ごとに思わず笑ってしまうが相変わらず抵抗しない)
・・・ごめんなさい、親切にしすぎましたー!
(嘘が好きなわけでもないのでどうも気まずくなり、すぐに観念して謝る)
ふぇ!? え、えっと……じゃ、じゃあ
(何故か周囲をきょろきょろ見てから、おずおずとクッキーを指ごと咥えて)
……ホントかね?
(じぃっと疑いの眼差しを向けて)
ふむ・・・先食ってみるか?
(一つ摘んでみると結構熱いのでふーふーと冷ましてから差し出す)
ん?あー・・・いやほら、これは転けたりしてるだけだから
(はは・・・と乾いた笑みを浮かべて目を逸らす)
上手に焼けました~
(ぱちぱちと拍手を返して)
そ、そうだろう、そうだろう。……まあ、君の場合は親切にしすぎな気がするがね
(じっと怪我をしている手を見つめて)
・・・うん、ほんとに出来てるな。これで完成だ!拍手!
(様子を見てみると本当に完成してたのでオーブンから取り出し、まだ味は分からないが上手くできたっぽいのでぱちぱちと拍手)
はは、人には親切にしておくもんだな
(よく分かってないようだがそれで感謝されるなら嬉しいなと笑みを浮かべる)
う、うむ……そろそろじゃあないのかな! わからないが!
(こっちも急に気恥ずかしくなったので話題逸らしに便乗)
そりゃぁ必要ないさ。僕が君を嫌うことはないからね……り、料理食べさせてもらったりこうして作り方教えてもらったりして色々お世話になってるからだが!
(本音を言ってから恥ずかしくなったのか言い訳じみた事を慌てて追加して)
・・・あー、そろそろ焼けたかな?
(むず痒くなるような空気に耐えかねて強引に話題を逸し、オーブンを覗く)
そう、だから俺は嫌いにならない努力をするんだ。・・・とはいうものの、お前相手には必要なさそうだな
(嫌わない努力なんて本来いらないはずだが目の前の存在には尚更必要なさそうだなと笑う)
う、嬉しいのかい……そ、そうか……なら、僕も嬉しい、かな……
(照れくさそうな顔に、なんだかこっちまで嬉しくなってきたようで小さく笑みを浮かべて)
嫌われるのか…………まあ、確かに嫌だな……
(目の前の彼に嫌われたらと考えたら、なんだか悲しくなったので同意して)
俺に?・・・そうか、それは・・・嬉しいな
(照れくさそうな嬉しそうな表情で言って頬を掻く)
こればっかりは俺の性格だからなぁ・・・怯えてるわけじゃないんだが、嫌われるのって怖いだろ?
(困ったように笑ってそう言うと肩を竦める)
い、いい人!? え、えっとその、き、君に食べてもらいたいんだが……
むぅぅ……別に気を遣うこともないし、君といて不快な事なんてないというに……
(撫でられながら小さく呟いて)
あぁ、いい人にでも食わせてやりな
?まぁ、違うのなら良かった。いろいろ気を遣ってるつもりなんだがどこで不快な事しちまうか分からないもんだからなぁ
(何故慌ててるのか不思議そうだが違うというのならと安心し、ぽかぽかしてくる解理の頭をなだめるように撫でる)
確かにこれなら簡単に作れそうだねぇ……じゃ、じゃあ今度は僕が作ろうかな……
い、いやどうしてそうなるんだねぇ!? ち、違うぞ! 決してそういう事じゃないんだ!
だ、大体君と話して疲れるぐらいなら最初からいっしょにいないし、むしろ君と話せて、えっとその…………だぁぁ!
(なんとか釈明しようとしたけど恥ずかしくなってまたぽかぽか叩いて)
まぁ簡単なレシピにしたからな、覚えるのも楽だったろ?
(解理の料理レパートリーを増やすためという意味もあったのでにっと笑う)
それはつまりー・・・俺と話すのは疲れるってことでOK?
(少し考えると今日も自分はいつもどおりだったのでもしかして疲れんのかなと尋ねる)
あ、ありがと……といっても君の言われた通りに動いてただけだからあっという間な感じだったなぁ
むしろ君が……さ、さっきみたいに妙な事を言うからそれに反応する方が疲れたよ……
(むくれたままチョッピリ恥ずかしいのか視線をそらして)
・・・うん、あとはこれを20分ぐらい焼いて出来上がりだ。お疲れさん
(解理が並べてる間にオーブンを温めて置き、並べ次第皿をオーブンに入れてスイッチオンすると労いの代わりに解理の頭をぽんぽんする)
ぐむぅ……まあ今はテストよりこっちを優先しようじゃないか
(むくれたまま言われたとおりに並べていき)
はいはい、せいぜい頑張ってくれたまえよ。じゃあこれ並べてくれ
(まるで保護者のようにふっと笑うと棒状にしてあった生地を丁度いい厚さで切り、耐熱皿の上にクッキングペーパーを敷いたものの上に並べてくれと指示する)
そ、そんなわけ無いだろう! くそぉ、こうなったら是が非でも勝ってやる! そしてなるべく高くて美味いものをたらふくおごらせたり色々させるからな! 覚悟しろぉ!
(見事に挑発に乗ってびしっと指をさして宣言)
痛い痛い痛いって・・・いやほら、ようは負けなきゃいいんだろ?それとも解理さんは俺に勝つ自信がないのかな?かな?
(ばしばし叩かれ手元が狂うので苦笑いしながら生地を切るための包丁を置き、そっちを向いてによによしながら挑発する)