ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―｜リアクション

ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―

●八
　鉛筆の軸をくるくると指でまわし、塔尾松生はシナリオの中身を考える。
「シチュエーション的に静かな感じのも混ぜたいのよね……」
　巻き込まれるトラブルの種類にも幅をもたせたい。
　そう考えて、松生が用意したのは突然の雨に雨宿りをするシーンだった。
「裏があるんじゃないかって疑わせるのも手だね」
　そう意見するのは桜月。ゲーム慣れした彼女らしい意見だ。
「皆あからさまに安全そうな選択肢は避けたりするんだけど、あえてストレートに選んだ方が正解ってパターンもありだと思うの」
「へー、なるほど。いろんなパターンがあるんだね」
　桜庭円が興味深げにのぞきこむ。
「うん。ゲームだからね、すこし駆け引きがあって悩むくらいが楽しいのよ。予想外の落とし穴があったり、思いがけない報酬があったりね」
　塔尾の挿絵では、しとしと雨のふる中サンマさんがたたずんでいる。
「本物のサンマさんだったら、どっちを選ぶのかなー」
　サンマさんの勇姿を思い浮かべる桜庭に、松生が微笑んで語りかける。
「パワフルなサンマさんのことだから、ここにはない第三の選択肢を切り開いちゃうかもね」
　雨に濡れた肌に色鉛筆で光沢を与えていく。
　少々型破りな方が、我らがサンマさんらしくて頼もしいに違いない。

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＜８＞
　貴方は道を機嫌よく歩いています。
　しかし突然の大雨が訪れました。
　このままでは荷物もあなた自身もずぶ濡れになってしまうでしょう。
　近くには丁度良く雨宿りする場所が二つあるようです。
　片方はボロボロな薄暗いビルで、まるで幽霊が今にもでてきそうです。
　もう片方は静かな落ち着いた感じの喫茶店ですが、人の気配がしません。
　さて、どちらで雨宿りをしましょうか？

　ビルに入る　→ページ４へ
　喫茶店に入る　→ページ１２へ
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