ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―｜リアクション

ゲームブックを作ろう！―サンマさんサバイバル―

●十二
　寝子島が舞台のゲームブックを作るのは、氷雨潤一にとっては恐らくはじめての体験となろう。なるべく絵になりそうな場所をと考え、星が丘でのワンシーンを選ぶ。
「まだモチーフとして登場してないのは桜さん、八神さん、それに旅鴉さんと……あとは貴方だけ、ですね」
　４匹分のキャラクターを登場させようとした氷雨を、逆巻天野が止める。
「僕はモデルにしなくていいです」
「おや。どうしてですか？」
　返答につまった逆巻は、言葉を濁す。
「……そういうの、苦手なんです」
　逆巻は物語の中から、意図的に彼自身を省いていた。この場にいるほぼ全員をモチーフにしておきながら、逆巻だけが登場しないことの不自然さは彼も承知している。
　しかし彼にとって、自ら輪に加わりたいと言い出すのは非常に困難なことだった。
「逆巻さんはもう少し、素直になってもよいと思いますよ」
「……結構です」
　すね気味に答える逆巻。ここは無理強いせず、しばらく放っておいた方がよさそうだ。
　とはいえ、一緒に作った記念の本に彼だけがいないというのは何とも寂しい。

　逆巻が席をはずすタイミングを見計らい、挿絵を描いている塔尾松生に話しかける。
「塔尾さん。少しお願いがあるのですが」
「はい？」
　何事かをささやく氷雨。すべて聞き終えた後で、塔尾は笑顔でそれを快諾した。

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＜１２＞
　猫にモテモテのサンマさん。
　ここ星が丘でも、あなたのまわりには猫が集まってきています。
　でも、集まった猫たちの中に一匹、元気のなさそうな白猫がいます。
　気づかうように隣を離れない、賢そうな猫も。

「どうやら、お腹がすいているみたいでね」
　帽子をかぶった猫……の着ぐるみをきた人が、あなたにそう教えてくれました。
　ここは任せろと返事をしたサンマさん。
　さて、何をあげましょうか？

　ペット用のサンマさんクッキー　→ページ１５へ
　サンマさんの形のパン　→ページ６へ
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