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<鈴島海賊の秘宝II>赤い寝子島の冒険
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●寝子島への帰還
ゴウ……ッと、魔物が腹の底から吐いたかのような風が吹き、船は大揺れに揺れた。
「しっかりつかまっておれよ!」
コウが仁王立ちで舵を握る。
オアシスもラクダも厄介なトカゲたちもまるで遺跡のように石になり、あっという間に海中に沈んだ。この世界の生き物たちは、荒れ狂う嵐の時間をそうやって冬眠するように過ごすのだろう。
雨は横殴りに打ち付け、船の縁よりも高い波がざぶんざぶんと通り過ぎてゆく。
雨と波の合い間にうっすらと岩山が見え隠れする。ロク鳥の影が岩山の周りを飛び回っている。
「さようなら……」
御巫 時子
は甲板に抜け落ちていた大きな羽根を胸に押し当て、ロク鳥とその雛に別れを告げた。
次の瞬間、船と岩山の間を真っ黒な大波が遮った。
波が過ぎたとき、ここが赤い砂漠だった痕跡は、もうどこにも見出せなくなっていた。
――月が白い、と気づく。
いつからだろう。
わからない。
海にいた。
風は凪いでいた。
カモメの声がした。
東の空が淡くクリーム色に滲んでいる。
太陽が水平線から顔を出すのを待っている色だ。
そう遠くないところに、デコレーションケーキのような灯りがきらきらと見えた。
それが、よく見知ったステッラ・デッラ・コリーナの灯だと気づくのに時間はかからなかった。
「前方に光!」
見張りをしていた
恵御納 夏朝
の声で、
北原 みゆき
は我に返る。
紅梟号は、寝子島の海にいる。戻ってきたのだ! そして、前方で瞬く光は――。
「右目班のみんなだよ!」
旅のはじめに決めておいた、LEDライトの合図である!
紅梟号より一回りほど小さいと思われる褐色色の木造帆船が、悠々と海に浮かんでいた。
骨削 瓢
は帆柱の上でにやにやしている。
朝鳥 さゆる
は風に靡く髪を抑えている。
マウル・赤城・スティック
も、
御剣 刀
も、
李 小麗
も、
双葉 仄
も元気そうだ。
鬼崎 未月
と
二宮 風太
の小学生コンビは、さすがに疲れたのかそれぞれ刀とマウルの背中で眠っていた。
『おーい!』という文字ブロックが夜明けの空に打ち出され、どぼんどぼんと海に落ちた。甲板で手を振っている
晴海 飛鳥
の<ソリッドボイス>の仕業だ!
続いて。
『右目ゲットー!』
『みんなぶじだよー!』
「よかった!」
夏朝とみゆきは手を握り合って喜ぶと、みんなにそのことを伝えに走った。
甲板はすぐに大賑わいになった。紅梟号が右目班の船にぴったり横づけされると、小麗はぴょんと紅梟号に飛び移った。いちばんにしたことは『紅梟の右目』を船長コウに預けること。それから夏朝に体重計を、焔に宝玉奪還の立役者であるスマホを返す。
「みんな、お疲れさまだったのだ! こっちはばっちりだったのだ!」
甲板のあちらこちらで抱き合ったり手を振りあったりと無事を喜び合う声が聞こえる。それらに紛れて能美子に近づいたコウは、その手の中にダミーを務めてくれたヘアゴムをそっと握らせた。
「これが活躍する機会がなくて幸いじゃったな。……さて」
コウは夜の明け具合を気にしながら焦ったように小舟を降ろし、みんなに小舟に乗り換えるように云った。
別れのときがきたのだ。
友人になったサルやオウムや、あの世界から持ち帰ったものは、船に残してゆくようにと云われた。「あれは半ばあの世のものだから、現世に持ち込まぬ方がよい」ということだった。
「皆には心から礼を云う」
コウは深々と頭を下げる。
「お蔭で紅梟号は海に戻った。<宝の島>への道を指し示してくれる二つの宝玉も、こうして無事にここにある。その上、船がもう一隻とは! すばらしい収穫じゃ」
「船団を組むのも悪くなかろ?」
二隻目の船を見つけた瓢がいつもの人を喰ったような笑みで返す。
「はは、そのときはよろしく頼むぞ」
コウも同じような笑みを浮かべ、それからポンと手を打った。
「おおそうじゃ、この船の名、そなたが決めるがよい」
「いいのかい?」
「無論。そなたの手柄じゃからな」
瓢はふぅむ、と暫く唸っていたが、何かいい名を思いついたのか、船べりにその名を刻みつけた。
コウは満足そうに皆を見渡した。
「これで我らは一つ目の難関を越えたのじゃ。次はもちろん――」
「宝の島、だね?」
飛鳥がワクワクした面持ちで尋ねると、コウもにやりと口の端を引く。
「そうじゃ。じゃが、すぐには出掛けられぬ。それに――そなたらはまずは家に帰らねばな」
その言葉を聞いた途端、皆の心に自分の身を案じているだろう人々の顔が次々と浮かんだ。
夏朝はハッとしてスマホを見た。時計は動いている。日付は――ピラミッドに突入した日の翌日だ。
「コウさん!」
最後の最後に、
桜庭 円
がコウの袖を引いた。
「コウさんはこれからどうするの? 梨香先輩の意識はどうなるの?」
ふむ、とだけ云って、コウは円を見つめ返す。円は女船長の鋭いまなざしに負けずにこう続けた。
「お願いがあるんだ。その身体の……梨香先輩って、ご先祖様と一緒に探し続けてた鈴島海賊の宝を事を気にかけてるというか……その手で見つけることを夢にしてるって聞いたんだ。だから、時が来れば後押ししてあげてくれないかな?」
「ほう?」
「ボクが見てる限り、宝といっても金銭じゃなく――歴史とか想い。生き方。時の中で失ったものって梨香先輩が言ってた部分を、先輩自身が肌で感じて、知りたいんじゃないかな。だから……」
円はひとつひとつ言葉を選びながらコウに訴えた。
「先輩が今何も見えてなくて、感じていないなら、後悔する。――だって夢って大事だよ!」
円は、持ち歩いていた『関東海賊今昔』に栞のように挟んでいた寝子温泉での写真をコウに見せた。
「……そうだな」
心からそう思う。
夢。想い。自分の魂をこの世に結び付けていたのはまさにそういったかたちのないものではなかったか。
コウは無意識に胸元のペンダントを握り――しかし、毅然と顔をあげた。
「その件についてはよきに計らおう。そなたたちはもう行くがよい。また会える日まで、みな健やかにな」
朝霧が海をベールのように覆い始めた。皆を乗せた小舟は船を離れ、陸地へ向かって漂い始めた。
紅梟号の甲板でコウが手を振っているのがしばらく見えていたが、やがて朝霧に呑まれ、船は二隻とも見えなくなった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
前回シナリオ
<鈴島海賊の秘宝I>海賊女王のピラミッド
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月11日
参加申し込みの期限
2015年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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