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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
振りかけろ、塩！
数日後、猫鳴館……。
「ナメクジを逃がしただってぇ！？」
桜崎 巴の一括が館全体を揺らした。
「地上に出られたらどうするんだい！？ 猫鳴館に張り付かれでもしたら、倒壊確実だよ！」
「桜崎はん、落ち着いて……ナメクジに壊される前にあんたのヴォイスで館が崩れるよぃ」
狼狽気味の骨削 瓢は弁解する。
「しっかりバリケードも作って、野菜や水を与えてたんだけどねぃ。すくすく大きくなって、バリケードを破っちまったみたいで……」
犬に芸を覚えさせるように、ナメクジも芸達者になれたら。地下帝国の繁栄の一旦を担ってくれるだろう、瓢はナメクジにそんな期待を寄せていた。が、見事に裏切られることとなった。ドジョフ・Ｆ・スキーを使ってナメクジを、地下帝国入り口をくぐれる程度まで縮めた後、帝国内部へ誘導することに成功した、あの日の瓢や後木 真央のたくらみは、大きくくじかれたことになる。
「猫鳴館の永久食材が……真央ちゃんの食キングへの道が断たれたのだ……」
しょげる真央。
「まあ、どっかで元気にやってくれればそれでいいよねぇ」
「よくないよ！」
あきれる巴だった。
日当りのいい実験室では、五十嵐 尚輝と御巫 時子がガラスケースを覗き込んでいる。中には、広々としたスペースを有意義と、ヌメッとノロッと３匹のナメクジが這っている。騒動の鎮火に奔走したメンバーからの、キュウリやらビールを浸したティッシュやらキャットフードやら、とりどりの差し入れが置いてある。
「こんなにたくさんの人に守られる幸せなナメクジもいませんね」
「ええ、そうですね……」
尚輝のすぐ隣にいられる時子もまた、幸せだった。
「そういえばナメクジたちは一様にして山から海方面に向けて進んでいたそうですね」
時子はコクリとうなずく。
「ナメクジの祖先は貝と言われていますから、もしかしたら突然、遺伝子レベルで昔の記憶を思い出して、海に帰りたくなったのかもしれませんね」
「昔の記憶……例えばですけれど、昔のナメクジは大きかったりしたのでしょうか……」
「僕は専門ではないのでなんともいえないですが。大きければ浸透圧の調節もききそうですし、海中に棲息していても不思議ではないですね」
神魂の影響で巨大化したナメクジが、海中に棲息していた頃のことを突然思い出したのだとしたら……。ただただ彼らは、海という故郷をもう一度泳ぎたくて、山から下りて来たのかもしれない。全ては憶測であるが、少しロマンのある話だなと、時子は思うのだった。
ケースのナメクジたちは日に日に動きが活発になっている。もう数日したら、この実験室内の広いケースから、もっともっと広い野生へと戻っていくだろう。
ジメッとした梅雨はまだもう少しだけ、明けることはない。
「ナメクジを逃がしただってぇ！？」
桜崎 巴の一括が館全体を揺らした。
「地上に出られたらどうするんだい！？ 猫鳴館に張り付かれでもしたら、倒壊確実だよ！」
「桜崎はん、落ち着いて……ナメクジに壊される前にあんたのヴォイスで館が崩れるよぃ」
狼狽気味の骨削 瓢は弁解する。
「しっかりバリケードも作って、野菜や水を与えてたんだけどねぃ。すくすく大きくなって、バリケードを破っちまったみたいで……」
犬に芸を覚えさせるように、ナメクジも芸達者になれたら。地下帝国の繁栄の一旦を担ってくれるだろう、瓢はナメクジにそんな期待を寄せていた。が、見事に裏切られることとなった。ドジョフ・Ｆ・スキーを使ってナメクジを、地下帝国入り口をくぐれる程度まで縮めた後、帝国内部へ誘導することに成功した、あの日の瓢や後木 真央のたくらみは、大きくくじかれたことになる。
「猫鳴館の永久食材が……真央ちゃんの食キングへの道が断たれたのだ……」
しょげる真央。
「まあ、どっかで元気にやってくれればそれでいいよねぇ」
「よくないよ！」
あきれる巴だった。
日当りのいい実験室では、五十嵐 尚輝と御巫 時子がガラスケースを覗き込んでいる。中には、広々としたスペースを有意義と、ヌメッとノロッと３匹のナメクジが這っている。騒動の鎮火に奔走したメンバーからの、キュウリやらビールを浸したティッシュやらキャットフードやら、とりどりの差し入れが置いてある。
「こんなにたくさんの人に守られる幸せなナメクジもいませんね」
「ええ、そうですね……」
尚輝のすぐ隣にいられる時子もまた、幸せだった。
「そういえばナメクジたちは一様にして山から海方面に向けて進んでいたそうですね」
時子はコクリとうなずく。
「ナメクジの祖先は貝と言われていますから、もしかしたら突然、遺伝子レベルで昔の記憶を思い出して、海に帰りたくなったのかもしれませんね」
「昔の記憶……例えばですけれど、昔のナメクジは大きかったりしたのでしょうか……」
「僕は専門ではないのでなんともいえないですが。大きければ浸透圧の調節もききそうですし、海中に棲息していても不思議ではないですね」
神魂の影響で巨大化したナメクジが、海中に棲息していた頃のことを突然思い出したのだとしたら……。ただただ彼らは、海という故郷をもう一度泳ぎたくて、山から下りて来たのかもしれない。全ては憶測であるが、少しロマンのある話だなと、時子は思うのだった。
ケースのナメクジたちは日に日に動きが活発になっている。もう数日したら、この実験室内の広いケースから、もっともっと広い野生へと戻っていくだろう。
ジメッとした梅雨はまだもう少しだけ、明けることはない。
あとがき
担当マスター：
小西 秀昭
ファンレターはマスターページから！
というわけで！ ナメクジ発生の対処法を、物語として読みながら勉強するお役立ちシナリオでありました！！
わりと何も考えず、「海水から塩を採ってナメクジを小さくするというのは、けっこう楽しいんじゃないだろうか」という軽いノリで公開したシナリオガイドだったのですが、参加者の皆さんから「塩害を考慮すると塩を自然に撒くのはよくない」「ナメクジが傷ついてかわいそう」と、遠回しにやんわりとお叱りをいただいてしまいました。皆様の、動物たちに対する思いやりを知ることができ、改めて寝子島の素晴らしさに気づくこととなりました。今後は軽はずみで自然を害するガイドを作成しないよう、十分に配慮していきたいと思います。
今回アクションを拝見していて最も驚いたことは、ナメクジは穀物のにおいが好き、という習性。シナリオ中に登場したビールやぬか、あとはパンなんかでもいいそうです。私は知りませんでした。たいへん勉強になりました！
また、ナメクジを縮ませる方法として、水分を吸い取るものならなんでも歓迎だったのですが、砂もその一つとは盲点でした。
また、今回のシナリオで猫鳴館地下帝国で飼われていた巨大ナメクジが脱走しました。行方知れずです。いずれどこかのシナリオで登場するかもしれませんし、もしかしたらそっと通常のサイズに戻っているかもしれません。ちなみに猫鳴館方面は、ナメクジに対するアクションとして「縮める」以外に「食う」「飼う」というトンデモナイものがあったりして、アクションの取捨に悩まされました。結局は飼った末に逃げられる、という落ち方になったのは、猫鳴館生のベクトルが様々に向いている故である、ということで。
以上、梅雨といえば雨と紫陽花とナメクジくらいしか思いつかない、季節感に乏しい小西秀昭でした！
わりと何も考えず、「海水から塩を採ってナメクジを小さくするというのは、けっこう楽しいんじゃないだろうか」という軽いノリで公開したシナリオガイドだったのですが、参加者の皆さんから「塩害を考慮すると塩を自然に撒くのはよくない」「ナメクジが傷ついてかわいそう」と、遠回しにやんわりとお叱りをいただいてしまいました。皆様の、動物たちに対する思いやりを知ることができ、改めて寝子島の素晴らしさに気づくこととなりました。今後は軽はずみで自然を害するガイドを作成しないよう、十分に配慮していきたいと思います。
今回アクションを拝見していて最も驚いたことは、ナメクジは穀物のにおいが好き、という習性。シナリオ中に登場したビールやぬか、あとはパンなんかでもいいそうです。私は知りませんでした。たいへん勉強になりました！
また、ナメクジを縮ませる方法として、水分を吸い取るものならなんでも歓迎だったのですが、砂もその一つとは盲点でした。
また、今回のシナリオで猫鳴館地下帝国で飼われていた巨大ナメクジが脱走しました。行方知れずです。いずれどこかのシナリオで登場するかもしれませんし、もしかしたらそっと通常のサイズに戻っているかもしれません。ちなみに猫鳴館方面は、ナメクジに対するアクションとして「縮める」以外に「食う」「飼う」というトンデモナイものがあったりして、アクションの取捨に悩まされました。結局は飼った末に逃げられる、という落ち方になったのは、猫鳴館生のベクトルが様々に向いている故である、ということで。
以上、梅雨といえば雨と紫陽花とナメクジくらいしか思いつかない、季節感に乏しい小西秀昭でした！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年09月21日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年09月28日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年09月28日 11時00分
