this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
<< もどる
1
…
15
16
17
18
19
…
40
つぎへ >>
●チューリップ
人気のない北校舎の屋上。
鴻上 彰尋
は曇天の空をぼんやりを仰ぎ見ていた。
手にした赤いチューリップの1輪花束が2月の冷たい風に吹かれる。カサリとそのラッピングのセロファンが音を立てた。
彰尋はふと視線を戻す。チューリップは綺麗なラッピングに守られて美しいままだ。彼はその深い赤色を見つめ、1人静かに微笑んだ。
―――君は、どんな顔で受け取ってくれるだろうか。
彼女のために用意したのは、
花と、マカロンと、マグカップ
。
本当は花とマカロンだけだったが、ラッピングを探している時に見つけた赤い水玉模様のマグカップが可愛らしく、思わず立ち止まってしまった。
そういえば、知り合ったのは誕生日の後だったから、プレゼントを渡せてなかったっけ。
彼女の笑顔が脳裏に浮かび、彰尋は自然とマグカップを手に取っていた。
これは、誕生日プレゼントとして。……遅くなっちゃったけど、おめでとうの気持ちを込めて。
彼女は、まだ来ない。
彰尋は待つのは苦痛ではなかった。待ち合わせの時間をまだ5分過ぎただけだったし、彼は待ち合わせ前に予約していたチューリップを花屋に取りに行ってたりして、今までは結構忙しく動いていたのだ。
……チョコを配るのが大変なのかもしれない。もの凄く持ってきてたから。
彼女の持っていたチョコの量を思い出して彰尋はくすりと笑う。が、しかしすぐその口の端が、嫉妬とも羨望とも分からない感情を載せながら引き結ばれた。
たくさんのチョコに彼女の気持ちはどこまで入っているのだろうか。
……俺が、欲しいものは。
彰尋の思考は中断された。可愛らしい声が屋上の出入口から聞こえたのだ。
「ごめーん、彰尋くん! 待った?」
七夜 あおい
が申し訳なさそうな顔をして、パタパタと走ってくる。
「全然大丈夫。急がなくていいよ」
彰尋は微笑みながら振り返る。手にした花とプレゼントが入っているクラフト紙の紙袋を、そっと後ろ手に回した。
「ごめん、急がしちゃったかな。まだ配ってる途中だったんだろう?」
悪かったなと思いながら彰尋が言う。ううんとあおいが首を振った。
「だいぶもう配ったんだけど……ののちゃんが疲れちゃって学食で休憩してるから、ちょっと抜けて来たんだ」
そしてそうだとあおいは手にしていた紙袋から包みを取りだした。
「これ私が作ったチョコだけど……彰尋くんいる?」
屈託無く訊くあおいに、彰尋は黙ったままだ。
「……彰尋くん?」
首を傾げるあおいに、彰尋はようやく顔を上げた。その瞳には、困惑と、静かな情熱があった。あおいの顔がハッと青くなる。
「もしかして彰尋くんも私のチョコ不安に思ってる?! 今回はね、頑張ったんだよ! た、確かにその場で食べたら何だか倒れちゃった人もいたけど……」
「違う違う、あおいさんのチョコに不安がある訳じゃないよ」
今度こそ彰尋はハッキリと苦笑した。
(そういう風に勘違いされちゃ困るな)
彰尋はあおいの目を見て、静かに言った。
「俺はね、あおいさんがあげたい人にあげるべきだと思う」
自分の言葉に苦しくなった。
彼女からのチョコは欲しい。どんな物でも。彼女の気持ちが少しでも載せられてるなら。
分かってる。俺は意地を張ってるだけだ。でも言えない。欲しいものがそこにないなら、俺は欲しいとは言えない。
彰尋の言葉をどう受け取ったのか。うーんとあおいは顎に指を当て考えていたが、ニコッと笑って言った。
「じゃあやっぱり彰尋くんに渡すよ……いつもありがとう!」
あおいの言葉に彰尋は目を閉じる。そして一呼吸置いた後。
「どういたしまして」
あおいの気持ちを彰尋は静かな笑みで受け取った。
「それでね……俺からも、これ」
彰尋は持っていた紙袋とチューリップをあおいに差し出した。あおいの顔がぱあっと明るくなる。
「わー、赤いチューリップだ! 可愛いね」
「後この紙袋はマカロンとマグカップ。マグカップは誕生日プレゼントのつもり……随分遅れちゃったけど」
「たくさんどうもありがとう! バレンタインに誕生日プレゼントも貰えるなんてビックリ」
何だか得しちゃった♪ とあおいがペロリと舌を出す。そのおどけた仕草に思わず彰尋が笑うと、あおいもまた花のように笑った。
「それじゃあ、私戻るね。彰尋くん、どうもありがとう」
「どういたしまして。こちらこそチョコありがとう」
2人はペコリと頭を下げ合う。そしてあおいは片手を挙げ、足取り軽く校舎へ続く階段へ消えて行った。
その背中をしばらく見送っていた彰尋は、ふと曇天の空を見上げる。そして小さく微笑むと、自分も階段に向かって歩き出した。
君はチューリップの花言葉を知ってるだろうか。
贈り物の意味に気がつかなくていい。君はそのまま笑ってくれていればいい。
言えない言葉と気持ちをこめて。
……ハッピーバレンタイン。
<< もどる
1
…
15
16
17
18
19
…
40
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
学校生活
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
46人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月15日
参加申し込みの期限
2016年09月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!