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- 00月00日生 00歳
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【バレンタイン】学生達のValentine's Day!
★ののことあおいと楽しく愉快な仲間達！（３）
●女子高生のバレンタイン
夢宮 瑠奈はチョコクッキーを作ってきていた。
それは、普段作っているクッキーに、バレンタインだからとチョコレートをトッピングしたもの。
普段から作っているものだから、親しい友達には特別なものではないかもしれない。けれども、普段から作っている、いつもの、安心する瑠奈の味でもあった。
日本のバレンタインでは、クッキーは『友達』の意味があるという。いつも焼いているクッキーではあるが、大好きなお友達に心を込め、瑠奈はクッキーを作ったのだ。
―――アイドルである前に、女子高生だもの。
瑠奈はバレンタインを楽しむつもりだった。
野々 ののこ達に合流した瑠奈は、早速八神 修と恵御納 夏朝から、
「クッキーありがとう」
とお礼を言われた。実は瑠奈は彼らに先に手作りクッキーを渡しておいていたのだ。
「どういたしまして」
と可愛らしい声で瑠奈は答えると、今度は夏朝に「こちらこそチョコ、どうもありがとう」とお礼を言った。瑠奈は瑠奈で夏朝から、修と同じ猫さんチョコを渡されていた。お互いペコリとお辞儀をして、２人はふふと微笑み合った。
そして瑠奈はののこや七夜 あおいにもクッキーを渡した。
「わー、美味しそう！ ありがとう、瑠奈ちゃん！」
輝く瞳でまっすぐにお礼を言うののこに、瑠奈は笑顔で答えた。
一時期、彼女のことがとても好きだった。彼女が求めるフツウを、何に置いても守ってあげたいくらい。
でも、寝子高で１年近く過ごし、様々な経験をして。
ほんの少しだけののこに対する気持ちが変わった。色んな気持ちを整理して、瑠奈はいつもの彼女をいつものように見るのがしあわせだと、思うようになったのだ。
―――だから、『友達』のクッキー。ののちゃん、大好きだよ。
瑠奈の笑顔をどう受け取ったのか。ののこは瑠奈に屈託無く笑い返すと、「はいどうぞ！」と自分も瑠奈にチョコを渡す。友チョコを交換してキャッキャとはしゃぐ２人は等身大の女子高生だ。
お互いに交換が終わると、５人は友人達にチョコを渡すため、また歩き出す。
串田 美弥子はパタパタと廊下を走っているところを通りかかる。瑠奈と夏朝は彼女を呼び止め、それぞれクッキーとチョコを手渡した。
「わー、友チョコ？ ありがとう！ じゃあ、私からもこれ！」
嬉しそうな美弥子はそう言って瑠奈や夏朝に自分もチョコを差し出す。瑠奈達は笑顔で受け取り、美弥子と別れた。
そしてふらりと歩いている胡乱路 秘子に出会った。夏朝が彼女に声をかける。
「あ……胡乱路先輩」
「んふふっ……なんでしょうか？」
長いスカートをひらりとなびかせ、秘子がゆっくりと振り返る。学校に普通に秘子がいるという日常にまだちょっとだけ慣れない夏朝と瑠奈はお互い顔を見合わせたが、２人は彼女にそれぞれクッキーとチョコを差し出した。
「まあ、バレンタインですか……うふふ、ありがとうございます」
彼女は桃色の長い髪の間から見える瞳を妖しく細め、２人から受け取る。そして、
「それでは……私屋上に行きますので、んふふっ」
とまたスカートをなびかせた。その背中に瑠奈が声をかける。
「あの、胡乱路先輩」
「なんでしょうか？」
振り返った秘子に瑠奈の口が思わず動いていた。
「屋上、一緒に行ってもいい？」
ちょっと立ち止まり、小首を傾げた秘子。そのままにいっと笑って言った。
「……ええ、構いませんよ、んふふっ」
そして。瑠奈は、不思議な気持ちで秘子と屋上に並んでいた。
彼女とは何度か、番組を一緒に盛り上げたような気がする。
怖い目にあった気もするけれど。それはユメだった気もするけれど。
それでも、彼女とは同じ景色を、その先にある同じ何かを見ていたような気がする。
ユメかウツツか。
もう１回考えようとして、瑠奈は首を振った。
「……どうしました？」
冬の風に髪をなびかせ、秘子が瑠奈を見る。瑠奈は彼女に微笑んだ。
「ううん……あ、そういえば」
瑠奈はふと思い出し秘子に訊いてみた。
「……この空、一緒に見た気がするよね、胡乱路先輩？」
瑠奈の言葉に秘子は黙って微笑むと、冬空を見上げた。
「どうでしょうか……んふふっ」
瑠奈も一緒に空を見上げる。そこにあるのは冬の曇天の空。あの青と茜が交じった美しい不思議な空ではないけれど。
おぼろげな夏の日の記憶。夢かもしれない思い出。
それでいいのかもしれない。そして、この曇天の空と秘子の微笑みが、その上にふわりと乗って瑠奈の心にしまわれるのだ。
瑠奈と秘子はただ黙って静かに空を眺めていた。
●女子高生のバレンタイン
夢宮 瑠奈はチョコクッキーを作ってきていた。
それは、普段作っているクッキーに、バレンタインだからとチョコレートをトッピングしたもの。
普段から作っているものだから、親しい友達には特別なものではないかもしれない。けれども、普段から作っている、いつもの、安心する瑠奈の味でもあった。
日本のバレンタインでは、クッキーは『友達』の意味があるという。いつも焼いているクッキーではあるが、大好きなお友達に心を込め、瑠奈はクッキーを作ったのだ。
―――アイドルである前に、女子高生だもの。
瑠奈はバレンタインを楽しむつもりだった。
野々 ののこ達に合流した瑠奈は、早速八神 修と恵御納 夏朝から、
「クッキーありがとう」
とお礼を言われた。実は瑠奈は彼らに先に手作りクッキーを渡しておいていたのだ。
「どういたしまして」
と可愛らしい声で瑠奈は答えると、今度は夏朝に「こちらこそチョコ、どうもありがとう」とお礼を言った。瑠奈は瑠奈で夏朝から、修と同じ猫さんチョコを渡されていた。お互いペコリとお辞儀をして、２人はふふと微笑み合った。
そして瑠奈はののこや七夜 あおいにもクッキーを渡した。
「わー、美味しそう！ ありがとう、瑠奈ちゃん！」
輝く瞳でまっすぐにお礼を言うののこに、瑠奈は笑顔で答えた。
一時期、彼女のことがとても好きだった。彼女が求めるフツウを、何に置いても守ってあげたいくらい。
でも、寝子高で１年近く過ごし、様々な経験をして。
ほんの少しだけののこに対する気持ちが変わった。色んな気持ちを整理して、瑠奈はいつもの彼女をいつものように見るのがしあわせだと、思うようになったのだ。
―――だから、『友達』のクッキー。ののちゃん、大好きだよ。
瑠奈の笑顔をどう受け取ったのか。ののこは瑠奈に屈託無く笑い返すと、「はいどうぞ！」と自分も瑠奈にチョコを渡す。友チョコを交換してキャッキャとはしゃぐ２人は等身大の女子高生だ。
お互いに交換が終わると、５人は友人達にチョコを渡すため、また歩き出す。
串田 美弥子はパタパタと廊下を走っているところを通りかかる。瑠奈と夏朝は彼女を呼び止め、それぞれクッキーとチョコを手渡した。
「わー、友チョコ？ ありがとう！ じゃあ、私からもこれ！」
嬉しそうな美弥子はそう言って瑠奈や夏朝に自分もチョコを差し出す。瑠奈達は笑顔で受け取り、美弥子と別れた。
そしてふらりと歩いている胡乱路 秘子に出会った。夏朝が彼女に声をかける。
「あ……胡乱路先輩」
「んふふっ……なんでしょうか？」
長いスカートをひらりとなびかせ、秘子がゆっくりと振り返る。学校に普通に秘子がいるという日常にまだちょっとだけ慣れない夏朝と瑠奈はお互い顔を見合わせたが、２人は彼女にそれぞれクッキーとチョコを差し出した。
「まあ、バレンタインですか……うふふ、ありがとうございます」
彼女は桃色の長い髪の間から見える瞳を妖しく細め、２人から受け取る。そして、
「それでは……私屋上に行きますので、んふふっ」
とまたスカートをなびかせた。その背中に瑠奈が声をかける。
「あの、胡乱路先輩」
「なんでしょうか？」
振り返った秘子に瑠奈の口が思わず動いていた。
「屋上、一緒に行ってもいい？」
ちょっと立ち止まり、小首を傾げた秘子。そのままにいっと笑って言った。
「……ええ、構いませんよ、んふふっ」
そして。瑠奈は、不思議な気持ちで秘子と屋上に並んでいた。
彼女とは何度か、番組を一緒に盛り上げたような気がする。
怖い目にあった気もするけれど。それはユメだった気もするけれど。
それでも、彼女とは同じ景色を、その先にある同じ何かを見ていたような気がする。
ユメかウツツか。
もう１回考えようとして、瑠奈は首を振った。
「……どうしました？」
冬の風に髪をなびかせ、秘子が瑠奈を見る。瑠奈は彼女に微笑んだ。
「ううん……あ、そういえば」
瑠奈はふと思い出し秘子に訊いてみた。
「……この空、一緒に見た気がするよね、胡乱路先輩？」
瑠奈の言葉に秘子は黙って微笑むと、冬空を見上げた。
「どうでしょうか……んふふっ」
瑠奈も一緒に空を見上げる。そこにあるのは冬の曇天の空。あの青と茜が交じった美しい不思議な空ではないけれど。
おぼろげな夏の日の記憶。夢かもしれない思い出。
それでいいのかもしれない。そして、この曇天の空と秘子の微笑みが、その上にふわりと乗って瑠奈の心にしまわれるのだ。
瑠奈と秘子はただ黙って静かに空を眺めていた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年09月15日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年09月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年09月22日 11時00分
