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霧の中に佇む花
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桜の群生地までもう少しという地点で、一行は二度目の休憩を取る事にした。
「今日は
神木
くん、ご用があるんだって。一緒に来たかったなぁ……」
「そうだったんですか」
丁度良い段差に腰を下ろして水筒を出しながら、
椿 美咲紀
と
人里
が言葉を交わす。
二人ともまだまだ元気そうだけれど、直樹が来ていたらこの辺でリタイアしていたかも知れない。
「あ、でも私、花好き激しすぎて神木くんにドン引きされちゃうかも……」
それを見られずに済んだのは良かったのかなと複雑な美咲紀に、人里は眉を下げて微笑んだ。
「くそっ……山ってのは、とんでもねぇ魔物が住んでいやがるぜ」
ボロボロの花太郎が、顎に付いた泥を手の甲で拭う。
一見格好良さそうに見えなくもないけれど、全部自分でコケて付いた傷や泥だ。
「山……じゃなくて銀河、運動ダメだったんだっけ?」
あまりの姿に、
鋭二
の猫目も点になっている。
(この山道でこれだけ転ぶなんて……器用な人だね)
荷物から応急処置の道具を取り出した
逆巻 天野
もついしげしげと眺めてしまう。
天野は以前のトレッキングで学んだ事から、荷物は救急道具と水を含め諸々を最小限に纏め、かなり身軽な状態で登ってきていた。
やはり荷物の重量は地味に体力の消耗に関わってくるようで、前回重い足を引き摺っていたのとは打って変わってしっかりとした足取りを保っている。
「手当てが必要な方はいらっしゃいますか?」
学生支援部の一員として救護を買って出ていた極夜がやって来ると、櫻も渚を連れて来た。
「彼女も診てやってくれないか」
渚もまた、運動神経も体力も足りないせいなのか花太郎に負けず劣らずボロボロだった。
しかし、やっぱり前髪と瓶底眼鏡は出発時と寸分違わず。
(どうなってるんだろう……)
素顔を窺わせない鉄壁っぷりには疑問を禁じえないけれど、ひとまず天野は渚を、極夜は花太郎の手当てに当たった。
天野も応急手当は結構慣れたもので、処置は手早く適切に行っていたけれど極夜もなかなかの手つきだった。
実は道具を手にして自己紹介した時、極夜は『そのアイテムの扱いに長けるようになる』という自らのろっこんの発動条件を満たしていたのだ。
「ありがとう。ああ、昼食かい? 年寄り孝行だと思って、楽しんでくると良いさ。
……なるほどな」
スマートフォンでの通話を終えた泉先生が、興味深げに呟いた後待雪から伝えられた内容を皆に話した。
千唐からも同様に、小淋や刀に星ヶ丘で耳にした昔話が送られてきている。
「泉先生、スマートフォンなんだ! 若い!
どんなアプリ入ってるの?」
にゃーくん休憩用のクッション入り籠を出しながら、
円
は興味津々に泉先生のスマートフォンの液晶を覗き込む。
彼は画面を操作して色々なアプリを見せてくれたけれど、実用性より奇抜な印象のものが多い。
中でも目を引いたのが『ボタンひとつで画像をサンマさんと合成してくれる』アプリだった。
文字通り、撮った写真などを呼び出してボタンを押すだけで、何パターンもあるサンマさんの画像データの中からその画像に合うものを勝手に合成してくれるのだという。
試しに作ってみた画像を見ると、サンマさんとのツーショット風になっている写真や掴んでいるペットボトルがサンマさんにすり替わっている写真、窓の外をサンマさんの大群が走っていたり、山の向こうから巨大なサンマさんが覗いていたり、青空をカッ飛んでいくサンマさん、とにかくなんでもかんでもサンマさんが何処かしらに映り込んでいる画像になっていた。
「こういうのも、なかなか可愛いだろう?」
自信に満ちた笑みを浮かべる泉先生は、何処までも前衛的な精神を持っているようだった。
そこへ
後木 真央
がひょっこり顔を出す。
「いずみんセンパイは猫鳴館寮長と聞いたのだ、現役寮生としてはいろいろ聞きたいことがあるのだ、みんなもなのだ!」
「先輩ですか?」
蓮が合いの手を入れると、真央は猫のように目を細めてにんまり笑った。
「授業ならいずみんセンセーなのだ、でも今日は違うからいずみんセンパイなのだ」
「なるほど、頼もしい後輩だな」
泉先生もスマートフォンをしまって、みんなからの質問を聞く体勢になった。
まず、言いだしっぺの真央から。
「いずみんセンパイは、ロッカーでらぶ&ぴーすと聞いたのだ」
「ロッカー? いや、ロックは魂で表現するものだよ。永遠にロック! ラヴ&ピース!」
明後日の方向に、力強い眼差しを向けてビシッと決める泉先生の視線を真央は追い掛ける。
「どこ見てるのだ? いずみんセンパイ」
「未来だ!」
「ほえー」
因みに、泉先生がどんな楽器が得意なのかは分からなかった。
軽音楽部の顧問をしているだけあって、その方面なら一通り出来そうな雰囲気ではあるが……。
今日は小さな山を登る為にあまり重い荷物は持っておらず、楽器も持ってきてはいない。
真央は荷物持ちを申し出てはいたものの、そこまで老いちゃいないと笑顔で断られ、別の大変そうな生徒の荷物を運んでいた。
「先生、私も音楽の事で少し質問があるのですが……」
次に声を上げたのは、アリーセだ。
「練習は真面目にやっているのに、何故か楽器からは異音がするんです。
最近はソプラノサックスに興味があるんですが、そういう事もあって……
楽器を弾けるようになるには、どうやったら良いのでしょうか?」
歌はとても上手いのに、楽器は何故か壊滅的な音しか奏でられないという意外な弱点を持つアリーセの相談に、ふむと泉先生は腕を組む。
「君の練習は部室で聴いたが……確かに珍しい音が出ていたな。
俺はその音も個性で、他の者には出せない才能だと思う」
答える泉先生も、真剣な様子だ。
「だが、黒依君が普通に楽譜通りのメロディを奏でたいと思うのなら、それも大切な意思だ。
とにかく音程を望む通りにしたいのであれば、一音一音確実に出せるように練習していくしかないだろうな……」
時間は掛かるかも知れないが、自分もとことん付き合うし応援してくれる仲間もいると、泉先生はアリーセを励ました。
お茶などの飲み物を口にして、一服。
寝子島の昔話に詳しいという泉先生の経験や記憶には、天野も強い興味を持っていた。
「先生は洞窟の先に行ったんですか? 鈴島の遺跡とかも詳しいのでしょうか」
「そりゃあ行ったさ。古い言い伝えが好きな者にとっちゃ、寝子島は宝の島のようだった……それは今も変わらないがね」
そう語る泉先生の目は、在りし日の少年のようにキラキラしていた。
「三百年桜も同級生どもと一緒に探しに行ったもんだ。
山道を管理している爺さんたちに『興味本位で踏み入っちゃならねぇ』と怒られたモンだが、今思えばあの爺さんたち、おキヌさんの伝承を知ってたのかもなぁ」
「じゃあ、先生も三百年桜を見た事があるんですか?」
「ああ。年を跨いで何度も通ってたら、爺さんたちも何も言わなくなったな。
もう半世紀以上も前の話だが、あの時もしかしたら、知らずに会ってたんだろうか」
――この辺りは、山に慣れている人でも三度は迷う……と、昔から言われていたそうです。
トレッキングの日、霧の中で迷っておキヌさんと思しき女性と会った面々は、彼女の言葉を思い出していた。
何度も迷ってしまうのには、訳があるのではないだろうかと。
「ま、自分で足を運んで、自分の目や耳で確かめてみるのが良い。桜の事も、洞窟や鈴島もな」
今は状況も変わっているから、泉先生自身もそれらの場所に再び興味を持っているのは確かなようだが。
「先生は、群生地の桜に纏わる事を、他にもご存知なのでは……?」
幾人かの生徒が感じたのと同様の極夜の問いに、泉先生はふふっと笑っただけだった。
(三百年と千年……気になってたけど、やっぱり何かあるのかな?)
水を提供してくれている能美子ににゃーくんを任せつつ、円も年月のギャップに思いを馳せる。
「猫鳴館って、昔から妙な伝説持ちだったんですかね……」
逡巡しながらの天野の質問に、泉先生は「そうだな」と頷く。
「戦時中は地下に防空壕か何かがあったくらいだからな。
最近繋がって、帝国だとか言ってるのはそれだろう?」
「あれって防空壕だったのかぃ……」
思わず口を挟むように呟いたのは、瓢だ。
聞きつけた泉先生は、悪戯小僧のように瞳を輝かせて笑った。
「ああ、寮生たちが潜って何かやってるようだが……素人が下手に掘り広げようとなんかすれば、上に建ってる猫鳴館が倒壊するかも知れないな。
そうなったら、もう廃寮も何もなくなっちまうな、ハッハッハ」
(わ、笑い事じゃないよぃ)
楽しげな先生を横目に、瓢はてひやりと汗をかく。
話題が向いたところで蓮も尋ねてみる。
「泉先生は、猫鳴館の廃寮問題についてどのようなお考えをお持ちなのでしょうか?」
「俺も高校時代の三年間を過ごした場所だ、愛着もあるが……老朽化して危険だという意見も分かる。
古き良きものを残すのも良い事だが、場合によっては壊すと決めた時にぶっ壊してやるのも、そいつには良いのかもな」
老いさらばえて限界を迎えちまう前に――何処かしみじみとした眼差しの泉先生に、瓢が声を上げた。
「じゃ、じゃあいざという時、寮存続には動いては貰えないんですかねぃ」
「俺はもう寮生じゃない。今の寮生たちの問題は、今の寮生がクリアしなきゃならん」
泉先生はきっぱりとそう答えた。
「……ただ、影ながら応援はするさ」
猫鳴館を存続させるには、それだけの必要性や周囲に存続させるべきだと思わせる価値を、寮生たちが示さなければならないのだろう。
「ええ。どういう行動を選ぶかは、当事者である私たち今の猫鳴館寮生が、責任をもって決める事です」
瓢の当惑を他所に、蓮は日頃の柔和な物腰よりも強い頷きを見せた。
廃寮云々はさておき、泉先生と話した事で天野のこの先にあるものへの興味はいや増していた。
「……知りたいな」
昔に何があったのかを、沢山。
「天野ー」
無邪気な声が思考を遮る。
前髪と帽子で目元が隠れた
神出鬼 没
が、ちょこんと見上げていた。
「オヤツまだー?」
没はまだまだ元気いっぱいそうだけれど、いつものようにお腹を空かせていたのだ。
はいはい、と天野は荷物の中からお菓子を渡した。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年05月08日
参加申し込みの期限
2013年05月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年05月15日 11時00分
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